時間の陥穽282 宇宙の形は具体的にどのようなものとして考えられているのかを「三角形の角度」という観点から、数学および科学専門のジャーナリストであるエリカ・クラライヒ氏がWhat Is the Geometry of the Universe? | Quanta Magazineのhttps://www.quantamagazine.org/what-is-the-geometry-of-the-universe-20200316/で詳細に解説しています。ドーナツ形のトーラス(torus)に関しては、トーラスの内側に、ループして開始位置に戻る三種類の線をイメージします。1つは長方形の長辺に対して平行な線、1つは長方形の短辺に対して平行な線、もう1つは長方形の対角線を結ぶ直線です。三種類の線は、トーラス上ではカーブしているように見えますが、平面で考えるとまっすぐな線になります。トーラス内で光もまたまっすぐな線に沿って進むため、トーラスの内側に立っている人間が光の進む方向をまっすぐ見ると、自分の姿を背面から見ることができる。つまり、トーラス内部では、自分の姿を背面から見ることができる、さまざまな方向の光のループがあることになります。トーラス内の状況を平面に戻してみると、例えば自分の前から後ろに向かって進む光は、後ろに達したら再び前に戻ってくるというループを繰り返します。平面を1つの部屋に例えると、前から後ろに向かって進む光のループによって、自分の前後に部屋と自分の像が作り出されたような状態になります。前から後ろだけでなく、自分から自分に戻るさまざまな方向の光のループによって、無数の部屋と自分の像を見ることができます。厳密には、宇宙は平面ではなく、直方体のボックスが連続して続くトーラスであると考えられています。この空間を視覚化することはできませんが、その中にいる生物についてイメージすることはできます。1つの平面を部屋に例えたとき、平面のトーラスにいた人間が同一の長方形の部屋が無限に続く中に住んでいたように、三次元トーラス内の人間は同一の長方体が無限に続く部屋の中に住んでおり、あらゆる方向に自分自身のコピーが無限に見えているということになります。このため、人間の目から見ると、宇宙は同じものが無限に連なっているように見えるのはずなのですが、実際の宇宙に目を向けると、自分自身のコピーを無限に見ることはできません。なぜなら、宇宙は広大で、同じ光が人間に届くまでには途方もなく長い時間を要するためです。そのため、「宇宙が平らであること」を証明するために、天文学者は宇宙で自分自身のコピーが見られる光を探すのではなく、宇宙で見ることができる最も遠くにあるもの、つまりビッグバン直後に残った宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の連続を探しています。つまり、温度分布のイメージマップにおいて、異常に温度が高い赤色のエリア(ホットスポット)と異常に温度が低い青色エリア(コールドスポット)が同じパターンになるCMBを探索することを意味しています。同じパターンのCMBが、異なる2つの方向で発見されたとき、宇宙が平らであることが示唆されます。との説明が掲載されていますが再度の検討を要しそうです。