時間の陥穽323 此の我々が在する宇宙は存在論的には、始まりがあり終わりがあるのであろうか、内的変化や運動に起因する「時間」はあっても、其れは人間精神の思考が齎す概念に過ぎないとする形而上哲学及び自然哲学、更には、物理科学の一部の思考には現代に至るも根強く語られます。逆に、神教の分野では世界の始まりは「神」を起因とし、世界の終末は絶対永遠たる「神」に委ねられます。神教や絶対存在を表象する思想では宇宙の起因である始まりや終末は、始まりは神や絶対存在の意思に由来するものであり、終末は物理科学で云われるエントロピーは関与せず、全ては「神」若しくは「絶対存在」の意思に由来するのです。イギリスの哲学者、論理学者、数学者であり、社会批評家、政治活動家でバートランド・アーサー・ウィリアム・ラッセル(Bertrand Arthur William Russell, 3rd Earl Russell, OM, FRS/1872年 - 1970年)は、「第一原因による神の存在証明法」では、「もしあらゆるものが原因をもたねばならないなら、神にも原因がなければならない。もし原因なしに、何かが存在できるならば、その何かは、神でも世界でも何ものでもよいことになる云々。物事には必ず初めが必要だという考え方は、実際には、人間の想像力の貧困によるものである。」も一考です。