Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年01月15日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-291
 物理科学の観測技術のIT技術革命を伴って、観測天文学は勿論のこと実験物理学は理論物理科学さえをも先行する勢いです。然し乍ら、世界の有り様が解せられれば生命、なかでも人類の存在の意味合いがどれ程解せられるのかには甚だ疑問が残ります。それが人間の精神、感情なのです、付け加えれば心と呼称されるものの存在でしょう。
   第三部 感情の起源および本性について
  序 言
 感情ならびに人間の生活法について記述した大抵の人々は、共通した自然の法則に従う自然物について論じているのではなくて、自然の外にある物について論じているように見える。実に彼らは自然の中の人間を国家の中の国家のごとく考えているように思われる。なぜなら彼らは、人間が自然の秩序に従うよりも寧ろこれを乱し、また人間が自己の行動に対して絶対の能力を有して自分自身以外の何ものからも決定されないと信じているからである。それから彼らは、人間の無能力および無常の原因を、共通の自然力には帰さないで、人間本性の欠陥。どんな欠陥のことか私は知らないが、それに帰している。だから彼らは、こうした人間本性を泣き・笑い・侮蔑し・あるいは、これが最もしばしば起こることであるが呪詛(じゅそ)する。そして人間精神の無能力をより雄弁にあるいはより尖鋭に非難することを心得ている人は神のように思われている。
 とはいえまた、正しい生活法について多くのすぐれたことを書いて、思慮に充ちた勧告を人間に与えた卓越せる人々もないではなかった。我々は彼らの労作と勤勉とに負うところが多いことを告白する。しかし感情の本性と力について、また他面精神が感情の制御に関して何をなしうるかについては、私の知る限り、まだ何びとも規定するところがなかった。もちろん私は有名なデカルトの成したことを知っている。デカルトはやはり精神がその活動に対して絶対の能力を有すると信じていたものの、それでも人間の感情をその第一原因から説明しようとし、同時に、精神が感情に対して絶対の支配権を有しうる道程を示そうとつとめたのであった。しかし彼は、少なくとも私の判断によれば、彼の偉大な才能の鋭利さを示したにとどまっている。このことについては適当な場所で論証するであろう。なぜなら今私は前に戻って、人間の感情および行動を理解するよりもむしろ呪詛し・嘲笑しようとする人々へ立ち向かおうと思うのであるから。これらの人々にとっては、私が人間の欠陥や愚行を幾何学的方法で取り扱おうと企てること、また理性に反した空虚な、不条理な、厭(いと)うべきものとして彼らの罵る事柄を厳密な推論で証明しようと欲することは、疑いもなく奇異に思えるであろう。しかし私の理由はこうである。自然の中には自然の過誤のせいにされうるようないかなる事も起こらない。なぜなら自然は常に同じであり、自然の力と活動能力はいたるところ同一であるからである。言いかえれば、万物が生起して一の形相から他の形相へ変化するもととなる自然の法則および規則はいたるところ常に同一であるからである。したがってすべての事物、それがどんなものであっても、その本性を認識する様式もやはり同一でなければならぬ。すなわちそれは自然の普遍的な法則および規則による認識でなければならぬ。このようなわけで憎しみ、怒り、妬みなどの感情も、それ自体で考察すれば、その他の個物と同様に自然の必然性と力とから生ずるのである。したがってそれらの感情は、それが認識されるべき一定の原因を持ち、また他の事物、単にそれを観想することそのことだけで我々に喜びを与えてくれるようなそうした他の事物の諸特質と等しく我々の認識に値する一定の特質を有しているのである。
 そこで私は感情の本性と力、ならびに感情に対する精神の能力を、私がこれまでの部で神および精神について論じたのと同一の方法で論じ、人間の行動と衝動とを線・面および立体を研究する場合と同様にして考察するであろう。



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最終更新日  2022年01月15日 06時10分05秒
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