Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年03月03日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-337
 悲しみと喜び、「悲喜交交(こもごも)」、「愛憎相半(あいなか)ばする」 というように、人間の精神感情は早々単純には区分できません。「嫌い嫌いも好きのうち」というように人間の精神感情は複雑に揺れ動いています。まして、それから生ずる悲喜愛憎の顕れ方は千差万別だと云えます。
 定理三七 悲しみや喜び、憎しみや愛から生ずる欲望は、それらの感情がより大であるに従ってそれだけ大である。
 証明 悲しみは人間の活動能力を減少しあるいは阻害する(この部第三部の定理一一の備考 そこで我々は、精神がもろもろの大なる変化を受けて時にはより大なる完全性へ、また時にはより小なる完全性へ移行しうることが分かる。この受動が我々に喜びおよび悲しみの感情を説明してくれる。こうして私は以下において喜びを精神がより大なる完全性へ移行する受動と解し、これに反して悲しみを精神がより小なる完全性へ移行する受動と解する。さらに私は精神と身体とに同時に関係する喜びの感情を快感あるいは快活と呼び、これに反して同様な関係における悲しみの感情を苦痛あるいは憂鬱と呼ぶ。しかし注意しなければならないのは、快感および苦痛ということが人間について言われるのは、その人間のある部分が他の部分より多く刺激されている場合であり、これに反して快活および憂鬱ということが言われるのは、その人間のすべての部分が一様に刺激されている場合であるということである。次に欲望の何たるかはこの部の定理九の備考において説明した。この三者〔喜び・悲しみ・欲望〕のほかには私は何ら他の基本的感情を認めない。なぜならその他の諸感情は、以下において示すだろうように、この三者から生ずるものだからである。以下省略により)。言いかえれば(この部第三部の定理七 おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。により)人間が自己の有に固執しようと努める努力を減少しあるいは阻害する。したがって悲しみは(この部第三部の定理五 物は一が他を滅ぼしうる限りにおいて相反する本性を有する。言いかえればそうした物は同じ主体の中に在ることができない。により)この努力に相反するものである。そして悲しみを感じている人間のすべての努力は悲しみを除去することに向けられる。ところが悲しみの定義により、悲しみがより大であるに従ってそれは必然的に人間の活動能力のそれだけ大なる部分を阻害する。ゆえに悲しみがより大であるに従って人間は反対にそれだけ大なる活動能力をもって悲しみを除去しようと努めるであろう。言いかえれば(この部第三部の定理九の備考 この努力が精神だけに関係する時には意志と呼ばれ、それが同時に精神と身体とに関係する時には衝動と呼ばれる。したがって衝動とは人間の本質そのもの、自己の維持に役立つすべてのことがそれから必然的に出て来て結局人間にそれを行なわせるようにさせる人間の本質そのもの、にほかならない。次に衝動と欲望との相違はといえば、欲望は自らの衝動を意識している限りにおいてもっぱら人間について言われるというだけのことである。このゆえに欲望とは意識を伴った衝動であると定義することができる。このようにして、以上すべてから次のことが明らかになる。それは、我々はあるものを善と判断するがゆえにそのものへ努力し・意志し・衝動を感じ・欲望するのではなくて、反対に、あるものへ努力し・意志し・衝動を感じ・欲望するがゆえにそのものを善と判断する、ということである。により)それだけ大なる欲望ないし衝動をもって悲しみを除去しようと努めるであろう。次に喜びは(再びこの部第三部の定理一一の備考 要約:我々は、精神がもろもろの大なる変化を受けて時にはより大なる完全性へ、また時にはより小なる完全性へ移行しうることが分かる。により)人間の活動能力を増大しあるいは促進するから、喜びを感じている人間が喜びを維持することを何よりも欲すること、しかも喜びがより大なるに経ってそれだけ大なる欲望をもってそれを欲することは同じ方法で容易に証明される。最後に、憎しみや愛は悲しみや喜びの感情そのものであるから、憎しみや愛から生ずる努力・衝動ないし欲望の大いさが憎しみや愛の大いさに比例するだろうことも同じ仕方で導き出される。Q・E・D・=此れが証明すべきことであった。



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最終更新日  2022年03月03日 06時08分51秒
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