Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年03月08日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-342
 人間は一旦憎まれていると表象した場合は、其の起因が自己の内部精神が誤謬である原因にあるにも関わらず、其れに気付くこともなく、即ち、憎悪は喩え優秀な能力のあるものであっても、その正誤の判断力を毀損します。
 定理四〇 自分が他人から憎まれていると表象し、しかも自分は憎まれる何の原因もその人に与えなかったと信ずる者は、その人を憎み返すであろう。
 証明 人が憎しみに刺激されていることを表象する者はそのことによって自分も同様に憎しみに刺激されるであろう(この部第三部の定理二七 我々と同類のものでかつそれにたいして我々が何の感情もいだいていないものがある感情に刺激されるのを我々が表象するなら、我々はそのことだけによって、類似した感情に刺激される。により)。言いかえれば彼は(この部第三部の定理一三の備考 愛とは外部の原因の観念を伴った喜びにほかならないし、また憎しみとは外部の原因の観念を伴った悲しみにほかならない。なおまた、愛する者は必然的に、その愛する対象を現実に所有しかつ維持しようと努め、これに反して憎む者はその憎む対象を遠ざけかつ滅ぼそうと努めることを我我は知る。 により)外部の原因の観念を伴った悲しみに刺激されるであろう。ところが彼自身は、仮定を実相として模する表象に飲み込まれて、自分を憎んでいる人以外にこの悲しみの何の原因も表象しない。其のすえに彼は、自分がある人から憎まれていると表象することによって、自分を憎む人の観念を伴った悲しみに刺激されるであろう。すなわち(同じくこの部第三部の定理一三の備考愛とは外部の原因の観念を伴った喜びにほかならないし、また憎しみとは外部の原因の観念を伴った悲しみにほかならない。なおまた、愛する者は必然的に、その愛する対象を現実に所有しかつ維持しようと努め、これに反して憎む者はその憎む対象を遠ざけかつ滅ぼそうと努めることを我我は知る。により)その人を憎むであろう。Q・E・D・此れが証明すべきことであった。
 備考 もし彼が憎しみに対する正当な原因を与えたことを表象するならば、彼は(この部第三部の定理三〇 もしある人が他の人々を喜びに刺激すると表象するある事をしたならば、その人は喜びに刺激されかつそれとともに自分自身をその喜びの原因として意識するであろう、すなわち自分自身喜びをもって観想するであろう。これに反してもし他の人々を悲しみに刺激すると表象するある事をなしたならば、その人は反対に自分自身を悲しみをもって観想するであろう。およびその備考により)恥辱に刺激されるであろう。だがこうしたことは(この部第三部の定理二五 我々は、我々自身あるいは我々の愛するものを喜びに刺激すると表象するすべてのものを、我々自身および我々の愛するものについて肯定しようと努める。また反対に、我々自身あるいは我々の愛するものを悲しみに刺激すると表象するすべてのものを否定しようと努める。により)稀にしか起こらない。
 なおこの憎み返しは、憎しみにはその憎む柏手に害悪を加えようとする努力がつきものだということからも生じうる(この部第三部の定理三九 ある人を憎む者はその人に対して悪〔害悪〕を加えようと努めるであろう。ただしそのために自分自身により大なる悪の生ずることを恐れる場合はこの限りでない。また反対に、ある人を愛する者は同じ条件のもとに、その人に対して善〔親切〕をなそうと努めるであろう。により)。すなわち、他人から憎まれることを表象する者は、その人をある害悪または悲しみの原因として表象するであろう。したがって彼は自分を憎む人をその原因として意識した悲しみまたは恐怖に刺激されるであろう。言いかえれば、上述のごとく、その人を憎み返すであろう。Q・E・D・此れが証明すべきことであった。
 上記の人間の輻輳した心理描写は旧約聖書のサムエル記に登場する紀元前10世紀頃のイスラエル王国の最初の王、サムエルが神が選んだ人であることを悟って油を注いだサウル(Saull)とエッサイの子ダビデの軋轢が参考になります。



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最終更新日  2022年03月08日 06時07分04秒
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