Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年04月01日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-366
 付録:感情の諸定義 四:驚異 五:軽蔑
 スピノザの云う驚異とは単に非常に驚くことである驚愕(きょうがく)ではなく、其のことが他の精神感情を生起しない特殊な感情です。旧約のモーゼ(moses)が初めて神の声を頭に聞いた啓示は人間の聴覚には捉え切れないものですから、当然に所謂、新奇な物の表象として幻聴と自己の狂気を疑い、恐らくは頭からか離れずに精神感情は取り憑かれたでしょう。其のときには他には何も考えられなかった筈です。すなわち、驚異とは通常生活においては経験されない事物への精神感情の憑依・停止を意味します。:記
 四 驚異とはある事物の表象がきわめて特殊なものであってその他の表象と何の連結も有しないために、精神がその表象に縛られたままでいる状態である。(定理五二 我々が以前に他のものと一緒に見た対象、あるいは多くのものと共通な点しか有しないことを我々が表象する対象、そうした対象を我々は、ある特殊の点を有することを表象する対象に対してほどに長くは観想しつづけないであろう。および、その備考 驚異、愛、恐怖などの原因となりうる一切の点をその物について否定せざるをえないようになれば、精神は、その物の現在によって、対象の中に存するものよりも対象の中に存しないものについてより多く思惟するように決定されることになるのである。本来ならこれと反対に、精神は、対象の現在によって、もっぱらその対象の中に存するものについて思惟するのが常であるのに。)を見よ。
 説明 我々は第二部定理一八の備考(要約:人間身体の外部に在る物の本性を含む観念のある連結と連結は精神の中に、人間身体の変状、刺激状態の秩序および連結の相応性)で、いかなる原因によって精神は一つの物の観想からただちに他の物の思惟に移るかを示した。それはすなわちそれらの物の表象像が相互に結合して一が他に継いで起こるように秩序づけられているからである。こうしたことは物の表象像が新奇なものである場合には考えられない。こういう場合、精神はむしろ他の原因によって他のものを思惟するように決定されるまではその物の観想に引きとどめられているであろう。こうして新奇な物の表象も、それ自体において見れば、その他の諸表象と同じ本性のものである。この理由によって私は驚異を感情の中に数えないし、また数える理由も認めない。なぜなら、精神がこのように他のものから離されて、その物にだけとどまっているのは、精神を他のものから引き離す積極的な原因から生ずるのではなくて、単に、ある物の観想をやめて他のものを思惟するように精神を決定するような原因が欠けているという事実からのみ生ずるのだからである。このようにして私は(この部第三部の定理一一の備考で注意したように)単に三つの根本的ないし基本的な感情を、すなわち喜び、悲しみ、欲望の三つの根本的感情を、認めるのみである。そして私が驚異について言及したのは、この三つの根本的感情から導き出されるある種の感情が我々の驚異する対象に関係する場合には別な名称をもって呼ばれるのが習いとなっているためにほかならない。私が軽蔑の定義をもここに付加することにしたのも、また同じ理由からである。
 五 軽蔑とは精神が、ある事物の現在によって、その事物自身の中に在るものよりもむしろその事物自身の中にないものを表象するように動かされるほど、それほどわずかしか精神をとらえるところのない事物の表象である。この部第三部の定理五二の備考(主旨:驚異に対立するものは軽蔑)を見よ。
 尊敬および侮蔑の定義はここには割愛する。なぜなら、私の知る限り、いかなる名称の感情もこの二者から導き出されていないからである。



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最終更新日  2022年04月01日 12時15分59秒
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