Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年06月26日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-452
 定理五八 名誉は理性に矛盾せず、理性から生ずることができる。
 証明 (第三部付録)感情の諸定義三〇 名誉とは他人から賞讃されると我々の表象する我々のある行為の観念を伴った喜びである。及び、端正の定義(*後述)から明らかである。端正の定義についてはこの部の定理三七の備考一(抜粋:神の観念を有する限りにおける我々、すなわち神を認識する限りにおける我々から起こるすべての欲望および行動を私は宗教心に帰する。しかし我々が理性の導きに従って生活することから生ずる、善行をなそうとする欲望を私は道義心と呼ぶ。次に理性の導きに従って生活する人間が他の人々と友情を結ぶにあたっての根底となる欲望を私は端正心と呼び、また理性の導きに従って生活する人々が賞讃するようなことを端正と呼び、これに反して友情を結ぶのに妨げとなるようなことを非礼と呼ぶ。)を見よ。
 備考 いわゆる虚名(*虚しき名誉)とは単に民衆の意見によってはぐくまれる自己満足であって、この意見が終熄(しゅうそく)すれば満足そのもの、言いかえれば(この部第四部の定理五二の備考 まことに自己満足は我々の望みうる最高のものである。なぜなら自己の有を維持しようと努めはしない。において我々が示したように、何びとも自己の有を何らかの他の目的のために維持しようとは努めないからである。そしてこの満足は賞讃によってますます養われ強められ、第三部定理五三の系 この喜びびは人間がより多く他人から賞讃されることを表象するに従ってますます強められる。なぜなら彼がより多く他人から賞讃されることを表象するに従って、彼は他人が彼からそれだけ大なる喜びに、しかも彼自身の観念を伴った喜びに刺激されることを表象する。したがって彼自身は彼自身の観念を伴ったそれだけ大なる喜びに刺激される。また反対に、第三部定理五五の系 何びとも自分と同等でない者をその徳のゆえにねたみはしない。により)非難によってますますかき乱されるから、このゆえに我々は、名誉に最も多く支配され、そして恥辱の生活はほとんど耐えることができないのである。により)各人の愛する最高の善も終熄する。それで、民衆の意見の裡に名誉を求める者は、名声を維持するために日日心配と不安の中に努力し、行動し、企てることになる。実に民衆は移り気で無定見であって、名声はうまく維持しなければたちまち消失するからである。のみならずすべての人間が民衆の喝采を博そうと欲するがゆえに、各人は好んで他人の名声を阻止する。そこで、最高と評価される善を得ようと争うのであるから、あらゆる方法で仲間を圧倒しようとする激しい情熱が生ずる。そして最後に勝利者となる者は、自己を益したことによりも他人を害したことにより多く名誉を見いだす。このようにしてこの名誉ないし満足は何の満足でもないのだから、実は空虚なものなのである。 (民衆、名誉)
 恥辱について注意すべきことは同情および後悔について述べたことから容易に推知される。ただここに付け加えたいのは、恥辱もまた、憐情と同様に、徳ではないけれども、それは、恥辱を感ずる人間には端正な生活を営もうとする欲望が存している証拠である限りにおいて善であるということである。あたかも苦痛が身体の損傷部分のまだ腐敗しない証拠である限りにおいて善と言われるのと同様に。ゆえにある行為を恥じる人間は実際は悲しみを感ずるけれども、端正な生活を営もうとする欲望を有しない無恥の人よりも完全なのである。
 以上が喜びおよび悲しみの感情について私の注意しようと思ったことである。ところで欲望に関して言えば、それはたしかに善き感情あるいは悪しき感情から生ずるに従って善きものあるいは悪しきものである。しかし欲望は受動という感情から我々の中に生ずる限り実はすべて盲目的である(この部第四部の定理四四の備考 要旨:食欲、名誉欲、情欲などは、一般には〔精神〕病に数えられていないにしても、実際はやはり狂気の一種である。で述べたことから容易に推知されるように)。そしてもし人間が単に理性の指図のみに従って生活するようにたやすく導かれうるとしたら、そうした欲望はまったく無用なものであろう。私が次に簡単に示すだろうように。
 記:本能的な食欲、名誉欲、情欲は誰しもがあるもので、無ければかえって異常であろう。但し、これが精神を超常的に満たせば狂気と目せることが出来るかもしれない。私的には名誉欲は日本思想史では、寧ろ、称賛されるべきものとされ、武士の報恩報禄への倫理の根幹を成します。



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最終更新日  2022年06月26日 06時10分08秒
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