Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年06月27日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-453
 定理五九 我々は受動という感情によって決定されるすべての活動へ、その感情なしにも理性によって決定されることができる。
 証明 理性に従って働くとは(第三部定理三 精神の能動は妥当な観念のみから生じ、これに反して受動は非妥当な観念のみに依存する。及び、第三部定義二 我々自らがその妥当な原因となっているようなある事が我々の内あるいは我々の外に起こる時、言いかえれば(第三部前定義一 ある原因の結果がその原因だけで明瞭判然と知覚されうる場合、私はこの原因を妥当な〔十全な〕原因と称する。これに反して、ある原因の結果がその原因だけでは理解されえない場合、私はその原因を非妥当な〔非十全な〕原因あるいは部分的原因と呼ぶ。により)我々の本性のみによって明瞭判然と理解されうるようなある事が我々の本性から我々の内あるいは我々の外に起こる時、私は我々が働きをなす〔能動〕と言う。これに反して、我々が単にその部分的原因であるにすぎないようなある事が我々の内に起こりあるいは我々の本性から起こる時、私は我々が働きを受ける〔受動〕と言う。により)、我々の本性、単にそれ自体で観られた我々の本性、の必然性に由来する活動をなすことにほかならない。
 ところでまず悲しみはこの活動能力を減少しあるいは阻害する限りにおいて悪なのである(この部の定理四一により)。ゆえに我々は悲しみの感情からは、理性によって導かれる場合になしえないようないかなる活動へも決定されることができない。
 次に喜びは人間の活動能力を妨げる限りにおいて悪である(この部第四部の定理四一 喜びは直接的には悪でなくて善である。これに反して悲しみは直接的に悪である。及び、第四部の定理四三 快感は過度になりうるしまた悪でありうる。しかし苦痛は快感あるいは喜びが悪である限りにおいて善でありうる。により)。したがって我々はそうした喜びからもまた、理性によって導かれる場合になしえないようないかなる活動へも決定されることができない。
 最後に、善である限りにおける喜びは理性と一致する(なぜならそれは人間の活動能力が増大されあるいは促進される点に存するのだから)。そしてこういう喜びは人間が自己および自己の活動を妥当に認識するに足るまでに人間の活動能力を増大しえない限りにおいてのみ受動なのである(第三部定理三 精神の能動は妥当な観念のみから生じ、これに反して受動は非妥当な観念のみに依存する。及び、その備考受動は、精神が否定を含むあるものを有する限りにおいてのみ、あるいは精神が他のものなしにそれ自身だけでは明瞭判然と知覚されないような自然の一部分として見られる限りにおいてのみ、精神に帰せられるということが分かる。なおこの仕方で私は、受動が精神に帰せられると同様他の個物にも帰せられること、また受動はこれ以外の他の仕方では説明されえないことを示しうるであろう。しかし私の意図するところは単に人間精神について論ずることにある。により)。ゆえにもし喜びを感じている人間が自己および自己の活動を妥当に認識するほどの完全性にまで達しえたとしたら、彼は、いま受動という感情によって決定されるのと同一の活動をなすことができるであろう。否いっそう多くできるであろう。
 ところがすべての感情は喜び、悲しみあるいは欲望に還元されるのであり(感情の定義四の説明 要旨:喜び、悲しみ、欲望の三つの根本的感情の認識を見よ)、そして欲望は(感情の定義一により)活動をなそうとする努力そのものにほかならない。このゆえに我々は、受動という感情によって決定されるすべての活動へ、その感情なしにも単に理性のみによって導かれることができる。Q・E・D・此れが証明すべきことであった。



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最終更新日  2022年06月27日 06時00分26秒
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