Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年07月19日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-475
 知性の能力あるいは人間の自由について
        序  言(後半)
 これ、デカルトは「情念論」によって彼は、いかなる精神も、適当に指導されるならば、自己の感情である受動感情に対して絶対権を得られないほど薄弱なものではないと結論する。なぜなら、感情は彼の定義に従えば「知覚あるいは感覚あるいは精神の動きであって、これらはもっばら精神の領域に属し、そしてこれらは精気のある運動によって産出され、維持され、強化される」のである。ところが我々は松果腺の各運動を、したがってまた動物精気の各運動を、任意の意志と結合することができるのであり、また意志の決定は我々の力にのみ依存するのであるから、このゆえにもし我々が自分の生活活動の規準としている一定の確実な判断によって自分の意志を決定し、そして自分の持とうと欲する感情の動きをこれらの判断と結合するならば、我々は自分の感情に対して絶対的権力をかち得ることになるであろう。
 これが(私が彼の言葉から推知する限り)かの有名な人の見解である。もしこの見解がこれほど尖鋭なものでなかったとしたら、私はそれがこのように偉大な人から出たとはほとんど信じなかったであろう。それ自体で明白な諸原理からでなくては何ごとも導出せぬことを、また明瞭判然と知覚したことがら以外の何ごとも肯定しないことを断乎と主張し、スコラ学派が不明瞭な物を隠れた性質によって説明しようと欲したことをあれほどしばしば非難した哲学者その人が、あらゆる隠れた性質よりもいっそう隠微な仮説を立てるとは実に不思議にたえないのである。
 いったい彼は、精神と身体との結合をいかに解しているのか。またいったい彼は、延長のある小部分〔松果腺〕と最も密接に結合した思惟についていかなる明瞭判然たる概念を有しているのか。 実に私は彼がこの結合をその最近原因によって説明してほしかったのである。ところが彼は精神を身体から截然(せつぜん*物事の区別がはっきりしているさま)と区別して考えていたので、この結合についても、また精神自身についても、何ら特別な原因を示すことができないで、全宇宙の原因へ、すなわち神へ、避難所を求めざるをえなかったのである。それから私は、精神がいかなる程度の動きをかの松果腺に与えうるのか、またどれだけの力で精神は松果腺をある状態に保ちうるのかを知りたい。なぜならこの腺は、精神によって動かされる場合、動物精気によって動かされる場合よりもより遅く動くのかそれともより速く動くのか、また我々が確実な判断と密接に結合させた感情の動きが物体的原因によって再びこれらの判断から分離するということがありえないかどうか、そうしたことについて私は何も聞いていないからである。もしそういうことがありうるとしたら、たとえ精神が断乎と危難に赴こうと企て、この決意に大胆という心の動きを結合するとしても、危難を目撃するや否や松果腺がある状態を呈してそのため精神が逃亡しか思惟しないというようなことにもなるであろう。しかし実際のところは、意志と運動との間には何の関係もないのだから、精神の能力ないし力と身体の能力ないし力との間には何の比較もありえないのである。したがってまた身体の力は決して精神の力によって決定されえないのである。その上に、この腺が脳の中央に懸っていて、そのように容易にまたそのように多くの仕方で動かされうるということはないのであり、またすべての神経がみな脳窩(のうか)にまで続いているわけではないのである。
 最後に彼が意志およびその自由について主張したすべての事柄はこれを省略する。なぜなら、それらが誤りであることは私の十二分に明らかにしたところであるから。
 ところで、精神の能力は、さきに私の示したように、もっぱら妥当な認識作用にのみあるのであるから、感情に対する療法、私の信ずるところではそうしたものを誰でもみな経験して知っているのであって、ただそれを正確に観察したり判然と識別したりしていないだけなのである。---我々はただ精神の認識によって決定し、精神の至福に関するすべてのことをこの認識から導き出すであろう。



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最終更新日  2022年07月19日 06時03分02秒
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