Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年08月17日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-503
 定理二八 物を第三種の認識において認識しようとする努力ないし欲望は、第一種の認識から生ずることはできないが、第二種の認識からは生ずることができる。
 証明 この定理はそれ自体で明らかである。なぜなら、明瞭判然と我々が認識するすべてのものを、我々はそれ自体によって認識するか、それともそれ自体で明らかな他の物によって認識するかである。言いかえれば、我々の中に在る明瞭判然たる観念、あるいは第三種の認識に属する観念(第二部定理四〇の備考二 抜粋: 一 感覚を通して毀損的・混乱的にかつ知性による秩序づけなしに我々に現示されるもろもろの個物から(この部の定理二九の系を見よ)。このゆえに私は通常こうした知覚を漠然たる経験による認識と呼び慣れている。
 二 もろもろの記号から。例えば我々がある語を聞くか読むかするとともに物を想起し、それについて物自身が我々に与える観念と類似の観念を形成することから(この部の定理一八の備考を見よ)。
 事物を観想するこの二様式を私はこれから第一種の認識、意見(オピニオ)もしくは表象(イマギナティオ)と呼ぶであろう。
 三 最後に、我々が事物の特質について共通概念あるいは妥当な観念を有することから(この部の定理三八の系、定理三九およびその系ならびに定理四〇を見よ)。そしてこれを私は理性(ラティオ)あるいは第二種の認識と呼ぶであろう。
 これら二種の認識のほかに、私があとで示すだろうように、第三種のものがある。我々はこれを直観知(スキエンティア・イントゥイティヴァ)と呼ぶであろう。そしてこの種の認識は神のいくつかの属性の形相的本質(エッセンティア・フォルマリス)の妥当な観念から事物の本質の妥当な認識へ進むものである。
 これらすべてを私は一つの例で説明しよう。例えばここに三つの数が与えられていて第二数が第一数に対するのと等しい関係を第三数に対して有する第四数を得ようとする。商人は躊躇なく第二数に第三数を乗じ、その結果を第一数で除する。これは彼が先生から何の証明もなしに聞いたことをまだ忘れずにいたためであるか、あるいは彼がごく簡単な数でそれをしばしば経験したためか、あるいはまたユークリッド第七巻の定理一九の証明すなわち比例数の共通の特質に基づいたかである。しかしごく簡単な数ではこうしたことは必要でない。例えば一、二、三の数が与えられた場合第四の比例数が六であることは誰にも分かるであろう。そしてこの場合は、第一数が第二数に対して有する関係そのものを直観の一瞥(べつ)をもって見てとってそれから第四数自身を帰結するのであるから、はるかに明瞭である。を見よ)は、第一種の認識に属する毀損し混乱した観念(同じ第二部定理四〇の備考二により)から生じえずに、妥当な観念から、すなわち(同じ備考二により)第二種および第三種の認識からのみ生じうる。したがって(感情の定義一 欲望とは、人間の本質が、与えられたそのおのおのの変状によってあることをなすように決定されると考えられる限りにおいて、人間の本質そのものである。により)物を第三種の認識において認識しようとする欲望は、第一種の認識からは生じえないが、第二種の認識からは生ずることができる。Q・E・D・=これが証明すべきことであった。
 記:スピノザの哲学論法は数学的演繹法を無理強いする傾向が見られ、数学に精通しないものには却って解り辛くすることがあります。



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最終更新日  2022年08月17日 06時10分08秒
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