Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

2023年02月21日
XML
カテゴリ: 霊魂論
「神秘学概論」読解
33 月紀4:両極性と統合
 月紀における意識状態は、明らかに異なった互いに交替し合う二つの特徴的な在り方を示している。太陽に関わる時期には、より暗い意識状態を示し、自分自身により多くの関わりを持つ時期には、より明るい意識状態を示している。第一の意識はより暗いけれども、より一層没我的になる。その時期の人間は、外的な宇宙、つまり太陽の中に映しだされた宇宙に没頭して生きている。意識状態のこの交替は、現在の人間の眠りと目覚めの交替に比較できるが、さらにまた、誕生から死までの地上の生活と、死から新生までの霊的な生活との交替にも比較できる。
 太陽の時期が次第に終わり、月紀での目覚めの時期が始まる時、その目覚めは、現在の人間の毎朝の目覚めと、母親の胎内からの出生との中間のようなものだといえよう。同様に、太陽の時期が再び近づき、意識が次第に暗くなるのは、眠りと死の中間のような体験だといえる。現存在の人間におけるような生誕と死は、太古の月紀には、まだ存在していなかった。当時の人間は、太陽の生命を生きながら、只管(ひたすら)にこの生命を享受していた。太陽の時期の人間は、自分固有の生から離れて、寧ろ霊的に生き続けた。(P211-212)
 月紀における二つの意識状態の交替が、現在のような眠りと目覚め、生と死に比較できるという言に注目してみると、二つの極の間を振幅するということを通じて宇宙進化が展開されていくということがわかる。そしてやがてその時期の進化は太陽と月の分離していた状態から再び太陽と月が「ひとつの宇宙構成体」となるように、その二つの極の「中」によって成就されていく。ヘーゲル体系の弁証法の正-否→合というように。その合体の際に、人間の肉体はエーテル化されるが、その際に肉体が消えてしまうのではないということに何かしらの意味がある。そもそも物質的なものは、外的に物質として現われるだけなのではない。それはエーテル的、アストラル的なものの外的形式としても存在しうる。だから外的現象と内的法則性とを区別しなければならないのである。(P218)
記: 重要なのは、外的に物質であるかどうかにあるのかではなく、その「物質法則性」が存在しているかどうかが重要であって、新たに付け加えられたものは、いわば「内的法則性」として保たれていく。二つの極の交替によって、新たなものが付け加わる可能性が生じ、再びその二つの極がひとつになるとしても、その極における「内的法則性」は保たれたままである。そのことは、たとえば集合的なありかたが個的なあり方になり、
またその個が高次の在り方へと変容していく際に、個的なあり方から遷移したとしても、その個の、いわば「内的法則性」は失われないというのにも似ている。つまり、この二つの極の合体は「融合」ではなく、それぞれの「極」の「内的法則性」が保たれたままの「統合」、統合的変容なのである。この二つの極ということで、植物の形成運動における「拡張」と「収縮」を思い出したが、これは「分離」と「融合」ということで説明されたりもするように、こうした両極性と統合によって、あらゆるものはさまざまな遷移レベルにおいて、展開していくのではないかというイメージをシュタイナーの精神科学から受け止められる。其のことは彼の著「精神科学と医学」においても、たびたびこの「両極性」が示唆されていることから解かる。シュタイナーのいう宇宙進化プロセスを理解していく際には、この両極性と統合という視点が重要になる。



哲学・思想ランキング





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年02月21日 06時10分06秒
コメント(0) | コメントを書く
[霊魂論] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

cap-hiro

cap-hiro

カテゴリ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月
2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: