Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年01月22日
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カテゴリ: 霊魂論
内的霊的衝動の写しとしての美術史
第2講  ルネサンスの三人の巨匠 レオナルド ミケランジェロ ラファエロ
ドルナハ  1916年11月1日-3 レオナルド
 レオナルドは、彼の後の時代、彼の前の時代の感情にもまったく同様の方向づけられた魂を担っていました。レオナルドは魂のなかに、まさしく霊的なヤヌスの顔を持っていたのです。レオナルドは、教育、生活習慣、そして彼が見たものを通じては、その感情とともに古い時代のなかに入り込んでいますが、近代になってようやく上昇してくるあの世界観への力強い衝動も持っています、世界観の広さというよりはこの世界観の深さへの衝動です。私が講義で行いましたさまざまな示唆からみなさんにもおわかりと思いますが、ギリシア人、そしてそもそもその後のアトランティス後第四の時代も、のちの時代とはまったく別様に、まったく異なる源泉から生というものを熟知していました。この時代の彫刻家は、今日私たちがエーテル体を呼ぶ力、そういう力として自分自身のうちにあった諸力をなおも知覚することによって、人の姿を内から熟知し、そしてこのように形態を感知すること(Erfuehlen)から創造していました、ギリシアの芸術家にいたってはなおのこと、この感知から制作していたのです。然し乍ら、この能力は途絶えました、そして外的に観ることによって事物をまた受け入れるという外的な能力が登場しなければなりませんでした。その結果、自然を感知し理解することを余儀なくされたのです。私はみなさんに、深い感情から自然を感知しようとした最初の人々のひとりがほかならぬアッシジのフランチェスコであったことを示しました。今度はこの自然の感知に加えて包括的な意味での自然理解を求めた最初のひと、それがレオナルドそのひとだったのです。以前の人々とちがって彼にとってはもはや、内から追求する諸力として人間自身のなかで働くものはありませんでしたので、彼は、観ることによって外から追求しようとしました、外的に観ることによって、もはや内的な感知によってはよく知り得ないものを熟知しようと試みたのです。アッシジのフランチェスコに対してレオナルドを際立たせたのは、自然感知(Natur-Erfuehlen)に対する自然理解(Natur-Verstehen)というものでした。理解というものを目指すレオナルドの精神の成り立ち全体もこれを前提としているのです。そして語られていること、これを字義通りとる必要はありません。そもそも根源を語っているのは多かれ少なかれ伝説だけですが、それでもこの伝説は真実に基づいているからです。つまりレオナルドが、特徴ある人間の顔を手がかりに、観照によって人間の力機構の働きを内なる体験にしようととくに苦心したということには幾らかの真実があります。人間の本性がいかに形(フォルム)のなかへと働きかけているか、謂わばその人間を見通すために、彼がとくに特徴ある姿をしばしば一日中追いかけたということには、幾らかの真実があるのです。農民たちを招いて、彼らの好物を食卓に並べ、彼らに物語りをすると、彼らが笑いと顔の緩みのあらゆる可能な状態のすべてを示すので、それを研究することができたというのも、まったく真実に基づいています。メドゥーサの顔を描きたいと思ったとき、彼はありとあらゆる醜いヒキガエルや似たようなものをアトリエに運び込み、特徴ある動物の顔を研究したということは伝説的に語られていることではありますが、秘密に満ちた自然の創造を自然の諸力のなかに聞き取るために、いかにレオナルドが試みなければならなかったかを示しています。何故なら、レオナルドは事実、自然理解を求めた人間だったからです。彼はまた、人間の生活のなかにも入り込んで働きかけることのできる自然力を広い意味において捉えようと苦心していました。彼は単にきわめて狭い意味での芸術家だったのではありません、彼の場合、全人から芸術家となっていたのであり、変転する時代のさなかに、全人が立っていたのです。彼はたとえば、フィレンツェで、舗装が徐々に持ち上がって地面に深く入り込んでしまったサン・ジョヴァンニ教会、これを持ち上げようとしました。今日ではたやすくやり遂げることができるでしょうが、当時は見込みがないと思われていた課題です、彼はこの全体を持ち上げようとしたのです。今日ではこのような課題は、ヘルマン・グリムが正しく気づいているとおり、単にコスト計算の問題となるかもしれませんが、当時それは天才的な理念でした。レオナルド以外の誰もそれが可能だとは思わなかったからです。レオナルドは、人が空中を飛ぶことのできる器械を組み立てることや、広い沼地を干拓することを考えていました。彼はエンジニア、機械工であり、音楽家でした、精神的な交際においては当時の教養人にして学者であり、当時レオナルド以外の誰もそれで何かを始めるすべを知らないほど前代未聞の器械を組み立てたのです。つまり、レオナルドの場合、手のなかにまで続いていたものが、広い世界理解から作用していました。レオナルドについては実際、彼はその時代全体の変動する力を自らのうちに担っていたのだと言うことができます。彼は、当時イタリアにおける大変動のなかに現れていた時代を自らのうちに担っていたのです。さらに、彼の全人生、レオナルドの芸術的生も含めて、彼のこの根本特性の現れであったとも云えるかもしれません。イタリアの生活環境から成長したにもかかわらず、実際のところ彼はそもそもイタリアに定住しておりません。なるほど彼はフィレンツェ人でしたが、フィレンツェでは青年時代を過ごしただけで。ロドヴィコ・スフォルツァ大公からお呼びがかかったために、フィレンツェからミラノに移りました。これは一種の宮廷娯楽師としてであって、今日考えられるかもしれないような偉大な芸術家、今日の私たちにとってレオナルドがそうであるような芸術家として呼ばれたということではまったくありませんでした。然し乍ら、レオナルドは馬の頭骨から楽器を造り、それで音を出したり、非常なユーモアでもって、まさにそれをすることによって、ほかのさまざまなものによってと同様にミラノ公の一家を楽しませることができました。彼が一種の宮廷道化師のような役回りをさせられていたというには及びませんが、まさに宮廷を楽しませる宮廷娯楽師として実際彼は呼ばれたのです。彼がミラノでそのほかに行ったことについてはのちほどお話しするでしょうが、これを彼は、ほんとうにその本性の最も内なる衝動から行いました。けれども彼は、これらの業績を成し遂げるために、まずもってスフォルツァの宮殿に引き寄せられたわけではありませんでした。彼はミラノに住み慣れたにもかかわらず、のちにフィレンツェに戻ったとき、ミラノへの勝利を讃えたと伝えられる闘いの絵「アンギアリの闘い(119)」を描きます。 それから私たちは、彼がフランスの宮廷で生涯を終えるのを見ます。レオナルドがもともと目指していたのは、その時代の人間において彼の興味を惹いたものを見たり感じたりすることだけでした。当時あれほど複雑であった政治的出来事は、多かれ少なかれ彼の傍らを通り過ぎていきました。彼はどこででも人間的なものの一番上の層をそこから取り上げるのです。彼は多くの関連で冒険家のように自然に感銘を与えさえします、まさに巨大な天才を備えた冒険家のように。つまり彼はその時代全体を自らのうちに担っていて、彼の造るものはその時代全体の感情から生み出されますので、これを私たちは年代順に上映するのではなく、自由な秩序から上映したいと思います、まさにレオナルドの場合は、彼がいかに一挙に(aus einem Wurf heraus)創造しているかを見るほうが重要だからです。ですから年代順というのはあまり問題ではないのです。
記:ヤヌス(Janus)は、ローマ神話の出入り口と扉の守護神で、前後に反対向きの2つの顔を持つ双面神です。1月を司る神でもあります。ヤヌスは、古代ローマの文化において、物事の始まりと終わりを象徴する神としても知られています。

参照1:アンギアーリの戦い(119)



参照:レオナルド・ダ・ヴィンチ 「自画像」
レオナルドの弟子フランチェスコ・メルツィが1510年ごろに描いたといわれる、レオナルドの肖像画。




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最終更新日  2024年01月22日 06時26分33秒
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