Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年07月13日
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カテゴリ: 霊魂論


ルドルフ・シュタイナー
四つの福音書のキリスト叙述における四つの異なった視点
第1講 福音書の光に照らした人類生成の深遠な秘密(GA117)1909/11/2 ベルリン yucca訳
第1講本文Ⅶ:マタイ福音書の考察において私たちに立ち現れてくるのは、ヘブライの古代の本質です、けれども単にヘブライ古代の本質のみならず、この民族の全世界のための使命、新たな時代の誕生、古ヘブライ世界からのキリスト教の誕生ということです。そして、ヨハネ福音書を通して、偉大な、意味深い包括的な理念を学ぶことができるなら、ルカ福音書を通して、最も熱い、限りなく熱い供犠の愛のための感情を獲得することができるなら、マルコ福音書の考察を通して、あらゆる存在と領域の諸力についての認識を獲得することができるなら、今得られるのは、人類の内部、地上の人間の進化の内部に、パレスティナにおけるキリスト・イエスを通じて生きているものについての認識と感情です。人間としてのキリスト・イエスであったもの、人間としてのキリスト・イエスであるもの、人間の歴史と人間の進化の秘密のすべてが、マタイ福音書に含まれています。マルコ福音書のなかに、地球と地球に属する宇宙のあらゆる領域と存在たちについての秘密が含まれているように、マタイ福音書においては、人間の歴史の秘密が探究されねばなりません。ヨハネ福音書を通してソフィアの理念を学ぶなら、ルカ福音書を通して供犠と愛の秘蹟を学ぶなら、マルコ福音書を通して地球と宇宙の諸力を学ぶなら、マタイ福音書に注目した考察を通してひとは人間の生、人間の歴史、人間の運命を知るようになるのです。私たちの精神科学運動の七年において、原理原則を消化するために四年、それらを生のさまざまな領域へと投げかけるべき光として深めるために三年を費やしていたなら、今、マルコ福音書の考察がそれに続くことができるでしょう。そうすれば最後に、マタイ福音書に注目してキリスト・イエスを考察することにより、建物の全体を完成させることができたでしょう。けれども人生は不完全なので、少なくとも精神科学運動に携わっているすべての人々の場合、そうではなかったとしても、誤解を起こさせずに直ちにマルコ福音書の考察へと移ることは不可能なのです。ヨハネあるいはルカ福音書の考察の帰結としてキリスト・イエスの本性について何か知ることができるだろうと信じるとしたら、キリストの姿を完全に見誤ることになるでしょう。逆にまた、マルコ福音書に関連して言われなければならないことを、一面的にあらゆることに適用してよいのだと信じることにもなるでしょう。そうすると誤解はすでにあったよりもさらに大きくなるでしょう。ですからこのことを考慮して別の道が選ばれなければならないのです。さてそこで次回には、可能な限り、マタイ福音書に注目した考察が続かなくてはなりません。そのためさしあたり、マルコ福音書の巨大な深みを諦めることになりますが、そのかわり、その人の全体が“ひとつの”特性だけで描写され尽くされるなどと誰かが思うことは避けられるでしょう。それによって誤解を取り除くことができるでしょう。そしてまず、古ヘブライ民族からキリストが出たことについて、パレスティナでのキリスト教の誕生と呼びうるものについて、可能な限り考察がなされるでしょう。それについては次回、マタイ福音書に注目して考察していくつもりです、それによって、またもひとつの特性とこの存在全体の考察と混同することを避けなければなりません。そうすればそれに続いてマルコ福音書に注目して語られねばならないことが容易になるでしょう。
    第1講本文Ⅶ 了
(1909/11/2 ベルリンでの第1講「四つの福音書のキリスト叙述における四つの異なった視点」了)*訳者付記
ヨハネ、ルカ、マルコ、マタイという四つの福音書がそれぞれどういう視点からキリスト存在を描き出しているか、
シュタイナーのキリスト論の重要な骨格が予感できるような講義。
ヨハネー鷲、ルカー牡牛、マルコー獅子、マタイー人間というシンボリズムの深い意味とともに、ヨハネ福音書、ルカ福音書の叡智と愛をまず基本として消化してから、マルコ、そして、マタイへ・・・という順番・プロセスが重視されています。
なお、この第1講で話題にされる順番はヨハネ、ルカそしてマルコ、そしてマタイ、ですが、最後の部分で言われているように、次の第2講で(マルコ福音書より先に)まずマタイ福音書についての考察を行えば誤解を避け、マルコ福音書の理解が容易になるということで、第2講はマタイ福音書との関連で「古ヘブライ民族の使命」について語られています。”力”に関わるマルコ福音書の考察はそれだけ慎重にしなければならないようです。
四つの福音書を直接扱ったシュタイナーの講義は以下の通り。
■ヨハネ福音書(GA103 1908年5月 ハンブルク)邦訳 高橋巌 春秋社
■ルカ福音書(GA114 1909年9月 バーゼル)邦訳 西川隆範 イザラ書房
■マタイ福音書(GA123 1910年9月 ベルン)邦訳 高橋巌 筑摩書房
■マルコ福音書(GA139 1912年9月 バーゼル)邦訳 市村温司 人智学出版社
記:四つの福音書にはそれぞれ異なる視点と特徴があります。以下に、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書の概要を簡単に説明します。
 マタイの福音書:
著者: 取税人マタイ(アルフェオの子)
強調点: ユダヤ的視点、旧約聖書の預言の成就
特徴: 「天の御国」の表現、山上の説教、力と恵みあるメシヤの奇蹟1
 マルコの福音書:
著者: マルコ(ペトロの同行者)
特徴: 要点をまとめたコンパクトな記述、キリストの王としての威厳(翼を持ったライオンのシンボル)2
 ルカの福音書:
著者: ルカ(医師、パウロの協力者)
特徴: 細かい所まで順序立てて記述、バプテスマのヨハネの経緯、神秘的な視点3
 ヨハネの福音書:
著者: ヨハネ(ゼベダイの子)
特徴: イエスに最も近い立場から記述、神の言葉で豊かな霊感、内容が他の福音書と異なる4
参考画:ヨハネ、ルカ、マルコ、マタイ(逆順)



    四つの福音書のキリスト叙述における四つの異なった視点 完了

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最終更新日  2024年07月13日 06時10分06秒
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