Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年08月09日
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カテゴリ: 霊魂論


ドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」 第二講(本講・解説) 1920年 3月22日 ドルナハ
第2講解説・第2回
 人間における「二元性」を理解するためには、心臓は、人間の上部の活動が下部の活動を知覚、感受することを可能にするための感覚器官であり、下半身で起きていることを知覚しているというように、人間は上部から下部を知覚する二重構造である存在だということを知らなければなりません。しかし、さらにつけ加えなければならないのは、心臓は、上部と下部の均衡を表現している下意識的な知覚器官であり、人間の生体構造の二極間を中継しているということです。生体構造の一方の極は、呼吸活動、感覚・神経活動という関連している全てでありもう一方の極は、栄養分の摂取、栄養分の消化、新陳代謝に関連している全てです。この原理によって、初めて人間の生体構造を理解することが可能になります。解剖学、生理学、生物学をこの原理で探究していくことができるのです。心臓に中継されている上部と下部を区別しない限り、人間を真に理解することはできないといわなければなりません。人間における二元性そのものを理解できるのは、人間は本来、このように上部から下部を知覚する二重構造の存在であるということを知る時のみなのです。しかしここで次のようなことを付け加えておかねばなりません。より広い意味での栄養分の摂取、栄養分の消化を呼吸との同化に至るまで研究する時に、下位部分の活動、つまり人間の本性全体の一方の極が与えられました。呼吸との同化はその時律動的活動と共に行われます。私たちの律動的活動の意味についてはさらにお話すべきことがあるでしょう。しかし呼吸活動と組み合わさり、呼吸活動に所属していると見なければならないものは、感覚・神経活動、すなわち外的な知覚とこの知覚の継続に関わる全てのもの、神経活動による知覚の加工に関わる全てのものです。つまり皆さんが、一面において、呼吸活動、感覚・神経活動という関連している全てのものを思いうかべてくださるなら、いわば人間の生体構造の一方の極が得られるのです。他面において、栄養分の摂取、栄養分の消化、言葉の通常の意味での新陳代謝である全てのものを総合的に見れば、人間の生体構造におけるプロセスのもう一方の極が得られます。心臓は本質的に、その観察できる動きにおいてこの上部と下部の均衡を表現している器官であり、心意的あるいはもっと良い言い方をするなら下意識的な知覚器官であって、人間の生体構造の二極間を中継しているのです。解剖学、生理学、生物学が提供してくれる全てのものを、皆さんはこの原理に向かって研究することができます。そうすれば、この原理によって初めて人間の生体構造の中に光が差し込むことがおわかりになるでしょう。心臓によって中継されているこの上部と下部を区別しない限り、皆さんは人間を理解することはできないでしょう。なぜならこれは、人間の下部の生体活動において起こっている全てのものと、上部の生体活動において起こっているものとの間の根本的な差異だからです。「人間の下部の生体活動と上部の生体活動との差異を下部で起こっていることはすべて上部に反対の対応物としてのネガを持っている」ということによって表現できます。上部に関連するものはすべて、下部に対応物を見出すことはできるのです。「ネガとポジの関係」にあるということができます。ここで重要なのは、上部と下部は物質的に中継されているのではなく、「対応」しているということです。ですから、中継するものとしての物質的な仲介物、つまりコードや導線のような管がそこにあると考えてはなりません。たとえば、上部に関係しているものとして「咳」をとりあげてみるとすると、それに対応する下部のものは「下痢」のなかに見出すことができます。こうした対応関係を正しく見ていくことで、真の人間理解が可能になるのです。この差異を単純に表現しようとすれば、下部で起こっていることはすべて、上部にそのネガ、つまり反対の対応物を有していると言うことができるでしょう。上部に関連するものはすべて、常に下部においてその対応物を見出すことができるというわけです。中継されているわけではなく、対応しているということなのです。下部におけるあるものを、常に正しく上部における別のものと関連づけるということを理解しなくてはなりませんが、物質的な仲介物を見出すことを目指す必要はありません。単純な例として、私たちの咳、これは上部と関係しているという意味で上部に属しているわけですが、下部において咳に対応するものは下痢のなかに見出せます。上部に対応するするものが常に下部において見い出せるのです。こういう対応関係に正しく着目することによってのみ、同様のものは観察していくうちにしばしば登場してくるでしょうが、真の人間理解に到達できるのです。 しかし、このことを抽象的な対応関係としてとらえてはいけません。健康な生体組織では、上部と下部に緊密な補完関係があるのです。上部と活動と下部の活動は、常に相互に対応し、制御し、お互いを方向づけていくようなものでなければなりません。特に重要なのは、下部のプロセスに対する上部のプロセスの方向付けです。しかしながら単にこのような抽象的な対応関係があるだけではなく、健康な生体組織においては同時に上部と下部との緊密な補完関係が成立しているのです。健康な生体組織において成立している補完関係とは、上部のもの、つまり呼吸と関係する活動であれ、神経・感覚機構に関係する活動であれ、何らかの上部の活動は、下部のものに何らかのかたちで抑制せねばならず、下部と完全に調和しなければならないということです。何らかのかたちで下部が優勢になったり、支配的になったりすると、つまり下部がそれに対応する上部の活動にとって強くなりすぎると、あるいは逆に、上部がそれに対応する下部の活動に対して強くなりすぎると、すぐさま、これは後ほど病気のプロセスを正しく理解することにつながっていくでしょうが、生体組織に変則が生じます。上部の活動と下部の活動の関係は常に、両者が何らかのしかたで相互に対応し、互いに制御し、両者がいわばお互いに方向づけられながら経過していくようなものでなければなりません。ここに確固たる方向づけが存在します。この方向づけは人によって異なりますが、下部のプロセス全体に対する上部のプロセスの確固たる方向づけが存在するのです。
記:ルドルフ・シュタイナーの哲学では、人間の存在を「上部」と「下部」の二重構造として捉えることが特徴的です。シュタイナーは、上部構造を精神的・霊的な領域、下部構造を物質的・身体的な領域と見なしました。この二重構造により、人間は物質世界と精神世界の両方を知覚し、相互に影響を与え合う存在として理解されます。この考え方は、マルクスの上部構造・下部構造の概念とも対比されることがあります。マルクスは、経済的基盤(下部構造)が法律や政治、文化(上部構造)を決定するとしましたが、シュタイナーはより精神的な視点から人間の存在を捉えています。このような視点は、現代の心理学や哲学にも影響を与えており、人間の多面的な存在を理解するための一つの枠組みとして興味深い課題となります。
参考画:人間存在の二重螺旋構造



   第2講解説・第2回 了

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最終更新日  2024年08月09日 06時15分08秒
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