Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年08月10日
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カテゴリ: 霊魂論



ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」 第二講(本講・解説) 1920年 3月22日 ドルナハ
第2講解説・第3回
「健康な生体組織」では、上部と下部に緊密な補完関係があり、特に、下部のプロセスに対する上部のプロセスの方向付けが重要なわけですが、そうした「健康な生体組織」から「病気の生体組織」へと至るにはさまざまな推移があります。ちなみに、上部は、「呼吸活動、感覚・神経活動」という関連し、下部は、「栄養分の摂取、栄養分の消化、新陳代謝」に関連しています。さて、病気の徴候を見ていく場合、機能的な在り方、つまりエーテル体(*パラケルススにおいてはアルケウス)において見ていくならば、その上部と下部の二元性について語ることができます。しかし、その二元性に関しては、必ずしも両者が対応関係にあるとは限らず、その関係が変則的になっているということに注目する必要があります。この上部が下部に対応して健全な作用をする生体組織から病気の生体組織まで至る推移が見い出せます。パラケルススがアルケウスと呼び、私たちがエーテル体と呼ぶものにおける病気のかすかな兆候を出発点とすると、或いは、皆さんが外部から、つまりこういう事柄については何も知ろうとしない人々に快く思われない、悪く思われないように取り繕うとすると、やはり皆さんは、機能的なもの、動的なもののなかの病気の徴候、いわば病気の最初のかすかな兆しについてまずは語ろうとするでしょう。
記:神秘思想家としてのパラケルススにおいては、体と魂を結合する霊的な気体とされる「アルケウス」の提唱で知られ、新プラトン主義(ネオプラトニズム)に影響を受けて全宇宙を一つの生きた全体「有機体世界」と考え、水銀を宇宙の始原物質とした。
参考画像:Paracelsus



 私たちがこれらを出発点とし、まずエーテル体あるいは機能的なもののなかに最初に予告されるものについて語るなら、二元性についても語ることがでます。ただこの二元性はすでに自らのうちに、対応しないもの、変則的なものを有しているのです。これは次のようにして生じます。健康な生体組織では、食物において作用している力は、すべて上部によって克服されているのですが、下部を完全に制御する、エーテル化しつくすほどには、上部が強くないという場合も生じます。その場合、下部における栄養分の化学的、有機的な力が優勢になります。下部において、つまり栄養分摂取とより広い意味での消化機構において、摂取された栄養分の内的、化学的な、あるいは有機的な力が優勢であると考えてみてください。健康な生体組織においては、私たちが実験室で食物を分析して得られる、食物そのものの中で作用している力、食物に内在している力はすべて、上部によって克服されており、生体組織内部の効力にとっては全く問題にならず、外的な化学、外的な動力学その他のいかなるものも行われず、あらゆるものが完全に克服されています。けれども、下部を実際完全に掌握し、いわば完全に料理しつくし、こういう言い方が可能ならエーテル化しつくす、こう言えばいくらか厳密に語ったことになりますが、そのためには、対応する上部が十分強くないという事態も起こりうるのです。その場合、人間の生体組織においては、通常は外界で起こっていて人間の生体組織のなかでは起こるべくもない、本来人間の生体組織には属さない優勢な経過が現れます。物質的な身体はこうした変則的な在り方を完全にとらえることができないので、そのプロセスは、エーテル体若しくはアルケウスという機能的なもののなかにまずは現れてくることになります。そうした新陳代謝プロセスが独立的な傾向を強める在り方を「ヒステリー」と呼ぶことができます。本来のヒステリー現象というのは、そのような不規則な新陳代謝が頂点にまで達した状態なのです。そのヒステリーのプロセスにおいては、人間の生体組織のなかにあってはならない不規則な新陳代謝が生じているのだといえます。これが、一方の極です。物質的身体は、このような変則性に完全には捉えられないので、こういう経過は、まさに機能的なものと呼ばれうる、エーテル体若しくはアルケウスのなかにまず現れてくるのです。この変則性の特定の形式から取られたと思われる慣用表現を選択するとすれば、ヒステリーという表現を選ばなければなりません。新陳代謝プロセスが多大な独立性を持つようになることを表す用語として、ヒステリーを選択しようと思います。後ほどこの表現が悪くない選択であったことがおわかりになると思います。狭い意味での本来のヒステリー現象は、実際この不規則な新陳代謝が頂点にまで達した状態にほかならないのです。事実、性的な症候にまでいたるヒステリーのプロセスにおいて本質的に存在しているのは、の人間の生体組織なかにあるべきではない、その本質において外的なプロセスであるような不規則な新陳代謝にほかなりません。こういうプロセスに対して上部は、それを克服するにはあまりに弱すぎることがわかります。これが一方の極です。一方の極は「ヒステリー」ですが、もう一方の極は「神経衰弱」です。それは、先ほどとは逆に、上部のプロセスが、上部の組織を酷使しすぎ、そのプロセスが正常に経過しないということによって起こります。そのプロセスはあまりに霊的であり、器官的に知性的すぎるのだといえます。心臓により下部の組織に中継される前に終わってしまうのです。つまり、心臓での滞留を通じて、上部でのプロセスが下部に流れ込むことができなくなっている状態なのです。それは、先の「ヒステリー」の場合の反対、下部のプロセスのネガだといえます。ヒステリーの特徴とともにそのような現象が現れてくるときは、人間の生体組織の下位部分において、人間の外部にある活動が強くなりすぎた状態なのです。しかし、上部のプロセスが正しく経過しないこと、つまり上部のプロセスが上部の組織を酷使しすぎることによっても、同様の不規則な相互作用が起こります。それは反対のプロセス、いわば下部のプロセスのネガであって、上部のプロセスをあまりに激しく使いすぎるのです。このプロセスはいわば、心臓によって下部の組織に中継される前に終わってしまいます。つまりこのプロセスは、あまりに強く霊的であり、あまりにこう表現してよければ器官的に知性的すぎるのです。こうして変則性のもう一方の極、神経衰弱が現れてきます。このように、人間の生体構造の機能的なもの、エーテル体における「ヒステリー」「神経衰弱」という二つの変則性に注目する必要があります。それは、上部で表現され、下部で表現される欠陥であるといえるからです。病気によって欠陥が生じた器官そのものを実際に見て診断することは、単に結果としての現象に過ぎません。それよりも重要なのは、病気の全体像、形状に注目することです。つまり、病気の実像そのものをトータルに見るということなのです。参考までにいうと、こうしたことはシュタイナーがよく言う「ゲーテ的世界観」につながる観察法に結びつくものだといえます。こうした視点を拡大していく必要があるのです。まだ人間の生体構造の機能的なものに潜んでいるこれら二つの変則性に、何にも増して注目せねばならないと申し上げたいのです。それらはいわば上部で表現され、下部で表現される欠陥だからです。そして人間の生体構造におけるこの二元性が何らかの欠陥のもとになっているということが、次第に理解されるようにならなければなりません。つまり、神経衰弱は、上部があまりに激しく上部の器官を使って機能することであり、その結果、本来は上から心臓で中継されて下部で起こるべきことがすでに上部で起こり、上部で行われてしまうので、その活動が、心臓での滞留を通じて下部の流れに入り込むということがなくなってしまうのです。おわかりでしょうか、欠陥を生じた器官の実見よりもはるかに重要であると申し上げたいのは、病気の実像の外的形状(Physiognomie:骨相、人相、形状、外観、外面的特徴)を観察することです。なぜなら欠陥を生じた器官が示すものは単に結果としての現象にすぎないからです。重要なことは、病気の全体像、形状に注目することなのです。この病気の形状は常にある種の仕方で皆さんに、一方かあるいはもう一方への傾向を持つ、つまり神経衰弱的なものか、ヒステリー的なものへの傾向を持つ実像を提示してくれるでしょう。もちろん、こういう表現を通常の言語使用に向けて拡大しなければなりません。
   第2講解説・第3回 了

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最終更新日  2024年08月10日 11時57分29秒
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