Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年08月22日
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カテゴリ: 霊魂論


ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」第三講●解説 概要・解説 1-2暗示と催眠
●解説 1-2 暗示と催眠
 私たちは昨日、たとえば結核の場合に起こって、神経によって単に知覚されているものを、新陳代謝における出来事によって特徴づけました。こういうことにこそ留意せねばならなかったのに、そうするかわりに人々は、神経組織の振動可能性や振動のなかにのみ、ヒステリーを探究し、すべてを神経組織のなかに置き換えてしまったのです。魂的なものを神経組織だけで説明しようとしている強い傾向があります。それは事実とは矛盾するものですし、魂的なものを生体組織に近づける可能性も与えないものです。その矛盾をなんとか説明しようとして、架空の運動神経というものを考え出したりしているというのが、現代医学の現状なのです。たとえば、怒るとドキドキするとか、恥ずかしくて顔が赤くなる、感動して胸が熱くなる、とかいう現象は神経組織だけで説明するのはかなり無理があるということとも関係してくるのではないでしょうか。こうして、さらにまた別のものももたらされました。とは言え、ヒステリーの遠因のなかにはやはり心魂的な原因もあることは否定できません。心痛、失望感、実現可能なものも不可能なものも含めて何らかの内的な興奮、これらがヒステリーの徴候のなかに入り込んでいます。けれども、神経組織以外の生体組織全体をいわば魂生活から切り離し、神経組織だけをまさに直接魂生活に関係づけたことによって、すべてを神経組織に負わせることを余儀なくされている状況です。これにより生じてきた見解は、第一に、もはやわずかなりとも事実には裏付けされず、また第二に、魂的なものを人間の生体組織にさらに近づける手がかりを何ら与えないような見解です。魂的なものをもっぱら神経組織にのみ近づけ、人間の生体組織全体に近づけることはしないのです。せいぜい、存在してもいない運動神経というものを考え出して、運動神経の機能からさらに循環その他への影響を期待することによって、全体に近づけようとするぐらいですが、この循環その他への影響というのもまったく仮説の域を出ないものです。今回ご紹介する部分では、ヒステリーの男性の死の例が紹介されます。(*この内容については、本文をご覧ください。)この例に関して、暗示による死といった診断を下すのは早計で、それは原因と結果が混同がされているです。暗示が原因で死に至ったのではなく、自己暗示とみなされるような心理的な混乱を導く原因は、生体組織そのものの深部にあったのです。死の原因そのものは、生体組織のなんらかの異常であったのですが、この男性は、混乱したイメージによってではあっても、自らの死を正確に予見することができたわけです。つまり、死の原因は暗示といった心理的なものではないのです。人間の本質を洞察し、生体組織の深部で起こっていることを慎重な態度で見ていくことが重要です。自然における複雑な事象について適切な判断を得ようとするならば、あまりに単純なことから出発することはできません。それについては慎重であることが求められるのです。私が説明いたしましたことは、暗示と催眠といったようなことが現れてきたときに、きわめて思慮深い人たちを結局誤謬の道に導くことになってしまったことなのです。その際、少し以前のことにはなりますが、ヒステリーのご婦人がたが、きわめて思慮深い医師たちを誤謬に導き、欺くといったことが体験されました。こういう人たちが医師の前で披露してみせる、ありとあらゆることに気をとられて、本来生体組織のなかで起こっていることには入っていくことができなかったからです。けれどもこのことに関連して、この場合はヒステリーの婦人ではなく、ヒステリーは男性なのですが、もともとこういう事柄に関しては、非常に思慮深いのが常であるシュライヒ(☆3)のような医師が、いかなる誤謬に陥ったか、陥らざるを得なかったかををお話しするのも一興かもしれません。つまりこの時、医師であるシュライヒのもとに、インクのペンで指を刺してしまった男性がやってきて、明日の夜にはきっと死んでしまうだろう、血液が毒されてしまうから、腕を切断してもらわなければならないと言ったのです。当然のことながら、外科医であるシュライヒは切断を敢行することはできませんでした。彼にできたのは、この男性を落ち着かせ、傷口を消毒するなど必要な処置を施すことだけであって、明日の夜には血液が毒されてしまうからなどという申し立てに応じて、この男性の腕を切断することなどむろんできませんでした。するとこの患者は、また別の権威のところに行きましたが、当然ここでも彼の腕は切断してもらえませんでした。しかしシュライヒは事態にいささか不吉なものを感じました。朝になってすぐ問い合わせると、その患者はほんとうにその夜死んでいたのです。そこでシュライヒは、「暗示による死」と診断をくだしました。「暗示による死」と診断することは、はなはだ容易に推測できることです。しかしながら、人間の本質への洞察があれば、このやうなやりかたで暗示による死を考えるということはあり得ません。ここでは、暗示による死が診断されるやいなや、原因と結果との根本的な混同がされているのです。もちろん血液が毒されているということはなく、これは解剖により確認されましたが、当の患者は、医師たちには公表されない原因によって死亡したように見えますが、事態を洞察することのできる人にとっては、彼の死はまぎれもなく、生体組織の深部に根ざした原因によるものなのです。この生体組織の深部に根ざした原因が、その数日前からこの人物をぎごちなく不安定にさせていたので、彼はインクのペンで自分の指を突き刺すというような、通常はしないことをしてしまいました。これは彼がぎごちなくなった結果起こったことなのです。そしてこの人が外的・物質的な意味でぎごちなくなる一方で、内的な透視能力はいくらか高められ、病気の影響で、夜になってやってくる自らの死を預言的に見通していたのです。彼の死は、彼がインクのペンで指を突き刺したこととは全く関係なく、彼が自分のなかに有している死の原因によって感じたことの原因となったのが、この予見された死だったのです。起こったことはすべてが、死をもたらした本来の内的プロセスに、もっぱら外的に関連していることにほかなりません。ですからここで「暗示による死」が登場してくるのは全く問題外です。なぜならこの男性が信じていたことや彼の有していたすべてのものは、死を招いたこととは何の関係もなく、もっと深い原因があったからなのです。ともあれ彼は死を予見し、起こったことをすべて、この死の予見に引き込んで解釈したわけです。この例によって同時に、自然における複雑な事象について適切な判断を得ようとするといかに慎重でなければならないか、おわかりいただけたと思います。自然においてはきわめて単純なことから出発することはできないのですから。
参照図:wound on fingertip




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最終更新日  2024年08月22日 06時10分07秒
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