Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年09月07日
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カテゴリ: 霊魂論
ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」第五講 本文・解説 1920年 3月25日 ドルナハ
第五講 本文-5 植物薬とその構成全体
 鉱物を踏まえて、そこから今度は、に典型的に外界において形成されているものを見ることから、別の時期に人間が自らから分離したもの、つまり植物へと進んでいくことになります。植物的なものは、すでに昨日別の観点から見てきましたように、人間の生体組織における働きとして存在しているものと、いわば対照をなしています。けれども、植物そのものにおいても明白に三つの部分を区別することができます。この三つの部分の区別というのは、根として地中に向かって拡がっていくものを見る一方で、種、実、花のなかで伸びていくもの、上方へ向かうものを見るときに、とりわけ明確に皆さんの心に浮かんでくると思います。すでに外的な方向性と申しますか、そういうものにおいて、植物的なものと人間的なもののこのような違いを、この場合動物的なものは含めませんので注意が肝要ですが、見ることができるのです。実際ここにおいてすでに、きわめて重要で意味深いものが存在しているのです。
*識見を持たない人間が、植物の花咲くを見て、性状が下衆な人間は植物的なものに人間的・動物性を当て込み視て下品だというのは、其の御方が下品なので、植物的なものと人間的なものの区別と相違には正常な自然感覚が必須ですから其の態度を崩さないでください。
 植物はその根を地中に沈め、その花(*繁殖機能を持つ器官)を、すなわち生殖器官を上に伸ばしています。人間は宇宙のなかでのその姿勢に関してもこれと完全に反対になっています。つまり、人間はその頭部をいわば上に向かって根付かせ、その生殖器官を下方に向けていて、これは植物と全く逆です。したがって、皆さんが人間に関して、上に向かって根を張り、下に向かって花を、生殖器官を開花させている植物を、一つのイメージとして眼前に描くことも、あながち無意味なことではないのです。植物的なものは特殊な形式において、まさにこのように人間のなかに組み込まれているのです。さらに今度は人間と動物の違いを示す重要な指標となるのは、動物の場合、この組み込まれた植物が、たいてい水平に横たわっていて、植物の方向と直角をなしているけれども、人間は、その宇宙のなかでの姿勢を、植物に対して完全に転回、と申しますか、百八十度転回させたのだということです。これは、そもそも人間と外界との関連を観察すれば見出すことのできる最も啓発的なことのひとつです。そして医学研究者の皆さんがこういうマクロコスモス的な事柄にもっと立ち入ってくだされば、たとえば細胞において作用している諸力についても、顕微鏡で観察するよりはもっと多くのことを見出せると思うのです。なぜなら、やはり細胞において作用している最も重要な諸力は、その存在が植物であるか、動物であるか、人間であるかによって違いはありますが、マクロコスモス的なもののなかに観察され得るので、顕微鏡で観察しても実際のところは殆ど得るところはないからです。人間の細胞をもっと良く研究できるのは、垂直に上昇したり下降したりするものと、釣り合いを保って横たわっているものとの間の相互作用を研究するときです。マクロコスモスにおいて研究するべきこういう諸力は、根本において、このマクロコスモス的な作用の写像に他なりません。さて皆さんが地球の植物存在を観察されるときは、何よりもまして、通常そうされているようなやりかたでこの植物存在を見る必要はありません。つまり、地球上を通って行って、次から次へと植物を観察して、それらを詳細に調べ、これらの植物を一つの図式のなかに組み込むべく、二分化、あるいは三分化された名称を考え出すというふうに観察するのではなく、皆さんは、地球全体がひとつの存在であり、ちょうど皆さんの髪の毛が皆さんの生体組織の一部であるように、なるほど髪の毛はどれも似たようなもので、植物の方は互いに異なっているので、少なくともある意味ではあてはまらないのですが、植物界全体も、やはり地球の生体組織の一部であるということを考慮に入れておかなくてはならないのです。皆さんは、髪の毛一本一本をそれ自体ひとつの生体組織として観察できないように、個々の植物をそれ自体独立してあるものとしては観察できません。植物がさまざまに異なっているのは、地球が他の宇宙と相互作用しつつ、さまざまな方向へ力を展開させ、それによって植物がさまざまに組織化されることに基づいています。けれども、あらゆる植物成長の生命の根底には、統一的な地球有機体組織というものがあるのです。したがってある種の事柄に注意を向けるのは特別重要なことです。皆さんが、そうですね、キノコを観察なさって、最初におわかりになることは、このキノコにとって、地球そのものが一種の生息地、一種の母体であるということでしょう。さらにそれより高度な、草のような植物に移ると、皆さんは、ここでもやはり地球は一種の母体であるけれども、地球外的なものがすでにこの草のような植物にある種の影響を与えているということ、つまり、光やその他のものが、花や葉などの形成においても影響を与えていることがおわかりになるでしょう。けれどもとりわけ興味深いことは、皆さんが、樹というものに注意を向けてごらんになればおわかりになることです。つまり、樹幹の形成が樹を樹齢何十年・百千年歴史を持つもの植物にしているわけですが、この幹の形成のなかに、地面の上に直接生えている植物にとってはふつうに地球全体であるものが継続して存在しているということです。
参考図:Space Tree



 何故なら、宜しいでしょうか。これは次のように思い浮かべていただかなくてはなりません。つまり、ここ此の場に地球があると考えてください。この地球から植物が生え出ています。そして私たちはこの地球そのもののなかに、この植物の成長の根底にあって、宇宙から流れ込んでくるものと相互作用しつ現れてくる力を探究することができます。けれども樹が成長するとき、地球はこういうふうに、これから申しますことにあまりショックを受けないようお願いいたします、これは本当のことなのですから。以前は地球から直接植物のなかに流れ込んでいたものの上に宇宙から流れ込んでくるものがある意味で被さっていくのです。これが幹のなかに入り込みます。つまるところ幹というものはすべて地球の瘤なのです。こういうふうに考察されないのは、ひとえに今日の実に忌まわしい唯物主義的な想定に起因しています。此のような人々は地球を単に鉱物の複合体だと考えていて、こういう「鉱物的地球」などというのは想定に過ぎないなのだという方向に前進する気配もないのです。この地球は、鉱物的なものを分離することのほかに、植物的なもののなかへ突き進んでいく力を、自らのうちに有しています。これがまくりあげられて幹となるのです。幹においてさらに成長するもの、これは、幹というものに関して、草のような下等な植物において地面に直接生えているものと、比較されねばなりません。私が申し上げたいのは、草のような下等な植物にとっては地球それ自体が幹であり、花や種子の器官が幹に付いている植物は自ら特別の幹を作り出しているということです。このことから、私が、樹から花を摘むか、草のような植物から花を摘むかでは、ある種の違いがあるということがおわかりになるでしょう。この観点から、更には植物における寄生植物形成、とりわけヤドリギ(宿り木 ・ 宿木 ・ 寄生木)の形成にご注目ください。これは、ふつうはまだ植物と組織的に結びついたままのものですが、花や種子を担う器官が、外的な分泌のように、ひとつの経過そのもののように、幹に付いているのです。したがって皆さんは、通常は花や種子の形成のなかにあるものが、地球の力のある種の分離と結びついて上昇していくようすを、ヤドリギのなかに見なければならないのです。いわば植物のなかの地球的でないものが、まさにヤドリギの形成において解放されるわけです。ですから私たちは、地球から上昇しようとしているもの、地球外的なものと相互作用しているものが、花と種子の形成において、徐々に地球から自らを分離していくのを見、ヤドリギの形成において、とりわけ強力に自らを個性化する解放に至るのを見るのです。
記:ヤドリギは、落葉樹に寄生する植物で、北海道から九州に分布しています。エノキ、ブナ、ミズナラ、ケヤキ、サクラなどに寄生し、冬にこんもりとした小さな枝のかたまりとして見つけることができます。葉を落とした梢に寄生するため、遠目でも見つけやすいのが特徴です。
参考画:mistletoe(宿り木 ・ 宿木 ・ 寄生木)



 さてこれを、植物における形成として皆さんに知覚されているものと結びつけておくならば、皆さんはおそらく次のようにおっしゃるでしょう。つまり植物界に関しては、植物がいっそう根の形成に向かう傾向に応じて、すなわち、根の形成のなかに優先的にその植物の成長関係が現れていて、小さいか、未発達な花形成を示している、その度合いに応じて、かなりの違いがあるにちがいないと。そういう植物は、より地球的なものに向かう傾向があります。さらに、この地球的なものから自らを解放している植物は、まさに種子形成、花形成へと上昇する植物であり、とりわけ、植物界において寄生植物として通用しているような植物です。けれども植物には、そのいずれの器官をも、いわばもっとも突出したものにしようとする傾向があり、たとえば、パイナップルやその他の植物が幹をもっとも突出したものにしようとするのを観察してごらんなさい、植物の主要な器官のどれもが、つまり、根、茎、葉、花、実のどれもが、何らかの植物の形式から主要な器官になろうと努力していると言うことができるのです。そうですね、トクサ(Equisetum 別名:歯磨草(はみがきぐさ))のような植物を考えてみてください。トクサは茎の形成において上昇しようとしているのがおわかりになるでしょう。別の植物は、葉の形成において上昇しようとし、また別の植物は、茎の形成と葉の形成を萎縮させて花の形成において上昇しようとするのです。ここで明かになることは、植物成長のこれらさまざまな傾向と、私がきょう人間の外部の自然における鉱物の働きの三つの類型としてあげたものとが、ある意味で並行・対応しているということです。とりわけ植物の自らを解放しようとする働きのなかにあって、さらに寄生植物の内的な活動において最高潮に達するものに目を向けるなら、計測できないものを内面化する傾向を持っているものが得られます。計測できないものとして宇宙から地球へと流れ込むものは、これらの器官が優勢であれば、燐実質のなかに保存されるのと同じように、これらの器官のなかに保存されるのです。ですからつまり、花、種子、それからヤドリギその他への傾向があるもののすべて、これらはある意味で燐的であると言うことができるのです。そして逆に、根をおろすプロセスを研究すればわかることですが、植物が地球を自分の母なる基盤とみなすことで展開するものは、塩形成と密接に関わっているのです。このように他ならぬ植物において私たちはこれらの両極に直面するわけです。そして両者「人間と地球」を仲介する植物の働き、この働きを皆さんは常に、上方を目指す花や実のようなものと、下方に根を降ろすものとの間に見ているのですが、この仲介する働きのなかに水銀プロセスがあって、これが平衡をもたらしているのです。したがって皆さんが今、植物の体勢が人間と逆転していることを考慮されれば、次のように言われることでしょう。つまり、内的に花・実形成の性質を持つものはすべて、人間の下腹部の器官および人間の下腹部から方向づけられるすべての器官に対して、非常に強い親和性を有しているにちがいない、さらに燐的なものも、人間の下腹部の器官に対して非常に強い親和性を有しているにちがいないと。これがまったくもって正しいということは、明日以降見ていきます。これに対して、植物において根のほうへ向かうもの、これはすべて、上に向かって組織されるものすべてに対して特殊な親和性を持つでしょう。けれどもこのとき当然注意しておかねばならないことは、人間を単純に外的な図式にのっとって三つの部分に分けることはできず、たとえば最も下の部分に属する消化システムにしても、上を目指して頭部までいわば継続しているのです。脳の灰白質のなかに本質的に思考物質が与えられているというのは、まったくばかげた見解と言ってよろしいのではないかと思います。これは正しくないからです。脳の灰白質は本質的に、脳に栄養を与えるためにそこにあるのであって、本来脳に栄養を与えるための消化器官のコロニーなのです。一方、脳の白質であるもの、これこそが、思考物質として大きな意味を持っているのです。したがって皆さんは、脳の灰白質の解剖学的な様相においてすでに、通常灰白質に帰せられているものよりも、むしろ全体的な活動に関係しているものを見出されることでしょう。ですから、消化について語るとき、単に下腹部についてのみ語ることはできないということがおわかりでしょう。まったくもって肝要なのは、根のようなものの親和性に目を向けるとき、そこでは単に上部人間のみではなく人間の他の部分とも関連するものと関わり合っているということです。植物において、花を咲かせるもの、実を結ぶものと、根のようなものとの間を調停するもの、つまり、いわば葉やその他通常の草などに現れているもの、これは、抽出された状態であっても、循環障害や、さらには上部人間と下部人間の間の律動的調和に関係するすべてのものにとって、特別な意味を持つでしょう。先ほど、計測できないものを内面かする鉱物と、計測できないものを自分から遠ざける鉱物、そしてこの両者の間にある鉱物が示されましたが、これはごらんのように、いわば植物の構成全体と対比することができるのです。そしてそうすることによって皆さんは、植物がいずれかの器官を発達させることに重きを置く度合いに応じて、人間の生体組織との相互関係を確立するための最初の合理的な手段を、植物そのものから手に入れるのです。これがさらにどのように特殊化されていくかは、いずれ見ていくつもりです。
   (第五講 本文-5 植物薬とその構成全体-了)

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最終更新日  2024年09月08日 07時43分34秒
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