Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年09月18日
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カテゴリ: 霊魂論
ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」第五講 本文・解説 1920年 3月25日 ドルナハ
第五講●解説 テーマ9 植物、鉱物、人間の相互関係 ・動物実験及び動物性の薬の使用について
 植物的なもの、鉱物的なもの、人間的なものとの間には相互関係が成立している。人間において直接効力のあるプロセスは、人間以外の存在の直接表面に現われているようなプロセスではなく、より深い本質から取り出してこなくてはならないようなプロセスである。人間は自らの中に、人間外部の自然の中に現われているものを止揚し、反対のものに逆転させようとする傾向を有している人間は動物に対しては90度の位にいて、植物に対しては180度の位置にいる。動物実験の認識を誤るのは、血清のような動物性の薬を使用する場合にそのことが考慮されなければならないのを怠るときである。
 この第五講では、植物的なもの、鉱物的なもの、人間的なものとの間に成立している相互関係について、主に「燐的なもの」「塩的なもの」「水銀的なもの」ということで説明が加えられ、そのことから、鉱物治療薬、植物治療薬についての基本的な観点が示唆されました。しかし、この講義の最後に、人間と動物との間の関係について、その錯誤に満ちた認識について警鐘が発されています。それは、動物実験に関するものです。動物実験は、人間と動物との親和性ということから、動物での実験結果を人間に適用しようというものなのですが、それがまったく誤った認識からきているというのです。「人間において直接効力のあるプロセス」は、鉱物的なもの、植物的なものと人間との相互関係ということから見てきたように、人間以外の存在のより深い本質から取り出してこなくてはならないものなのですが、動物実験というのは、極めて皮相的なものでしかありません。この講義の最初でも述べられていたことでしたが、植物は根を地中に伸ばし、生殖器官としての花を上方に伸ばしていますが、それに対して人間は、頭部を上方に向け、生殖器官を下方に向けているように植物が逆立ちしているような在り方をしているのが人間であるように、人間は自らの中に、人間外部の自然の中に現われているものを止揚し、反対のものに逆転させようとする傾向を有しています。動物についていえば、植物と人間が180度の関係にあるのに対して、動物は背骨を水平にしているように、人間と動物は90度の関係にあります。血清のような動物性の薬を使用する場合には、そのことが考慮されなければならないのです。さて、私たちがこれまでに指摘できたことは、植物的なもの、鉱物的なものと、人間的なものとに間にこのような相互関係が成立しているということでした。近代においてはさらに、人間と動物的なものとの間の親近性、相互関係であるとされているものが、いわば何か非常に希望に満ちたことであるかのようにこれに付加されてきたわけです。とは言え、血清療法の発生に際して奇妙なやりかたで行われていたことは度外視しても、まさにこの普通に行われている血清療法に対して、原則的なことが通用するようににされなければなりません。よろしいでしょうか、血清療法の発生に際して、実際まったく奇妙なやりかたで、ベーリング(☆2)によって行われていたことがあるのです。
記:エミール・フォン・ベーリングは、感染動物の血清を利用して細菌感染症を予防や治療する血清療法の研究で、1901年に第1回ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
参考画:KitasatoーEmil von Behring



 血清が何の役に立つかということのみ語っていた発表論文を追求すると、実際医学制度全体の革新に関わる話であるかのような印象が得られました。けれども、その時行われた基礎となった作業を記述したものに立ち入っていくと、奇妙なことに、これは誇張ではありません。たぶん皆さんのなかにもこのことをご存知のかたがいらっしゃるでしょうし、すなわち、人間に転用するためにイルカの研究から推定しようとした療法において、「奇妙に多くの」数のイルカが不都合であることが判明したのです。つまり、血清で処置した多数のイルカのうち、有望な成果を示したものはたった一頭だったのです。偽装された動物治療プロセスにおけるたった一頭のイルカ、すでに血清療法のために大々的に宣伝太鼓を打ち鳴らし始めた時期にこうなのです。このことは単に一つの事実として挙げておきたいのです。皆さんのなかにもおそらくこのことを理解されていくかたがおられると思います。そしてこの、科学の場への登場における法外ないいかげんさと申しますか、こういうことこそ、本来科学史において厳密に考慮されるべきことなのです。原則的にきょう最後に、そして明日あるいは明日以降挙げておきたいこと、これは何と行ってもやはり、皆さんが見てこられたように、人間において直接効力のあるプロセスは、人間以外の存在の、直接表面に現れているようなプロセスではなく、より深い本質から取り出してこなくてはならないようなプロセスであるということです。人間はまさにある意味において、自らが外に出したもの、つまり、燐プロセス、塩プロセス、花プロセス、実プロセス、根を張るプロセス、葉を生やすプロセスと親和性を持っているのですが、それは、人間がこれらすべてを実際まったく逆転させて生きている、人間は自らのなかに、これら人間外部の自然のなかに現れているものを止揚し、反対のものに逆転させようとする傾向を有しているという意味においてそうなのです。動物に対してはこれは同じではありません。と申しますのは、動物はこのプロセスを途中まで経てきているからです。人間は同じ意味で動物の反対に置かれているのではありません。人間はいわば動物に対しては九〇度の位置にいて、植物に対しては一八〇度の位置にいるのです。そしてこれは、血清その他のような動物性の薬の使用について問いが生ずるときに最も考慮されることなのです。
   (第五講●解説テーマ9 植物、鉱物、人間の相互関係 ・動物実験及び動物性の薬の使用について-了・第五講●解説-完了)

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最終更新日  2024年09月18日 06時15分32秒
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