いつまでも空を見上げていたい

いつまでも空を見上げていたい

助産師学生


 助産師学生




看護師1年目は 自己課題を2つ掲げた

1つ目は 新人として仕事をきっちり覚えること

2つ目は 助産師学校に入学すること

看護師の配属先は主に外来 病棟 手術室に別れる

私の任命書には「産婦人科混合病棟」と書かれていた

就職面接のときに上司に自分の夢を語ったことで

若い人には未来があるからと配属先も考慮してもらえた

本当にありがたいことだった


分娩介助には必ず外回りの担当者がつくことになっている

私は先輩助産師の技術を盗むため 

時間外に許可を取り外回りについたりした

ハードな1年であったけれど

応援してくれる先輩に励まされ

翌年 念願の助産師学生になることができた


助産師学生になったのは21歳

退職をして再び学生に戻った

この1年は人生の中で一番辛い学生時代となった

言葉では言い表せない地獄の実習

恐らく助産師学校に行ったことのある人は

みな同じセリフを吐くだろう

まぁ 一度に2つの命を預かる仕事だから当然のこと

場合によっては2つ以上になるんだけど


その緊張感たるものは21歳の私には

重すぎるといっても過言ではなく 

助産師への道のりは過酷だったことには違いない

もともと人一倍 強気な人生を送っている私が

この時ばかりは弱音を吐いてしまった実習

半端なくきつく 人間の限界を超えている

人扱いされず モノ扱いされた実習

それでもこの実習を乗り越えられたのは

自分の夢があったからだし

それを支えてくれる仲間がいたから


私はこの一年で同じ夢を持つ仲間の良さをしみじみ感じ

自分が心から助産師が好きであることを知った

信頼関係の上で快く学生の受け持ち担当者として

受け入れてくれた妊婦さんとその家族にも

心から感謝の気持ちで一杯だ


いつか自分も出産をするときがくるだろうから

その時に取り上げてもらいたい助産師に

自分がなろうと決意した


良いお産をした人は

良い育児ができると信じている私は

生涯に1回か2回程度しかない女性の出産に立ち会えるのだから

この助産師に取り上げてもらってよかったと思われるような

人間になろうと思った


責任のある立場に立つと 人は強くなれるのだと思う

そんな仕事を選べたことを誇りに思う学生の1年だった



この1年を一言で表すと

無我夢中



私にとって青春は 助産師学生時代かもしれない






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2004年12月7日


2005年2月19日


2005年10月10日





続く


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