私がティールーを経営していたとき、ケーキを盛った皿にフルーツを飾りました。仕上げを担当するスタッフが、私が飾ったプレートの写真を撮ったり、そのままを絵に描いて同じ様に飾ろうとしました。
私は、真似ではなく飾った人が美しいと思うように飾りするように伝えました。物まねには勢いがありません。お客様にお出しするときには、美しく飾れた自分の感動をお出しするように指導しました。
何年も前に久しぶりに訪れたニューヨークは、お洒落なカフェが沢山できていました。ある話題のカフェで「ポテトパンケーキ・アップルソース添え」というのを注文しました。
私の目の前にプレートが置かれたとき、勢いのある美しさに鳥肌が立ちました。
真っ白い皿に、茶色のパンケーキと添えられたサワークリームとやはりうす茶色のアップルソース。あまり美しいとは思えないお菓子ですが、一握りほどのフレッシュラズベリーが、ぱっと振りまいたようにケーキとお皿の上に散っていました。
その勢いの美しさと、フランス菓子ではまねのできない力強さにアメリカのお菓子の虜になりました。家庭のお菓子ってこれだわ!!と確信した瞬間です。
ケーキの上のベリーが転がってお皿に落ちた美しさ、お菓子屋にはできない仕上げです。私はこんな仕上げが大好き。
チーズケーキの上に、庭のグリーンとラズベリーの飾りです。