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2012.09.13
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カテゴリ: 飛鳥里山クラブ
飛鳥里山クラブ養成講座9回目。歴史サークルの方々と一緒に明日香村の主な史跡をめぐりました。残暑厳しく、また歩く距離も長いため、これまでで一番過酷な講義となりました。過去最高の欠席8名。途中で帰る人も出てしまいました。考古学は体力も必要なんですね。

集合は川原寺。10時半出発です。オブジェがありますが、週末のイベントのためです。創建は天智天皇の頃とされ、天武帝では官寺だったとか。復元されている礎石はFRP製。
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往時の川原寺をしのばせるものは、お寺の庭にある大理石の礎石と塼仏(粘土を型に押しあてて成形し,焼いたレリーフ状の仏像)のみ。
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道路向かいの橘寺に向かいます。途中、左右に細い田んぼを通りすぎます。これは飛鳥宮に続く道だったところ。亀石などがある道と繋がっています。
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橘寺の辺りは聖徳太子生誕の地とされています。お寺となる以前は天皇の別宮があったということです。このお寺には飛鳥時代特有の石造物「二面石」が納められています。善悪二相を一つの石造の表裏に表現されています。あの岡本太郎さん、「太陽の塔」を造る前にこの飛鳥の地を訪ね、石造物を熱心にみていたとか…
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午前中は石舞台まで歩き、そこでお昼となりました。石舞台は蘇我馬子の墓とされていますが、何故石室がむき出しになっているかがミステリーで、歴史好きの方はいろいろ憶測されているようです。恨みを買ったとか、田んぼの土として持っていかれたとか…

午後は飛鳥京のあったところを。ここは南東の角になります。今も田んぼのある場所などを少しずつ発掘調査してるそうです。専門の方々が「めくる」っていう言葉を使ってるのが面白かったです。「ここらもめくったら敷石がいっぱいありまして…」なんてね。そのほかにも水路や井戸のあった場所を確認。
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それから酒舟石や亀型遺跡の説明を聞いて飛鳥寺へ。日本最古の大仏です。お顔を見る限り日本人じゃないな。
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ここで、寺というものがどういものか初めて聞きました。もともとは釈尊の遺骨を土に埋めてその印に柱を立て、その周りを巡って参ったのがはじまりとか。やがてその柱が塔となり、仏像を納める場所や、民の代わりに拝んでくれる僧が現れて建物が増えていったということです。

初期の塔の地下からは仏舎利のほかに古代の古墳と同じような装飾品も埋められていたそうで、仏教が伝来してから50年くらいは古代神道とのせめぎ合いの期間があり、以降は日本的な習慣も取り入れながら仏教が根付いていったと考えられるということです。

ちょっとマニアックになってしまいました。

飛鳥寺の西側には蘇我入鹿の首塚があります。これも鎌倉時代になって鎮魂のために造られたとか。蘇我氏ってやっぱり恨みをかったり、無念なままなくなったりといろいろあったんでしょうね。首塚は蘇我氏の邸宅があった甘樫丘と蘇我馬子が造った飛鳥寺の中間にあることから、入鹿にとっては安住の地ということになるようです。
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この首塚の西隣を、ただいま「めくって」います。ここは日本書紀にもある飛鳥時代の「槻(ケヤキの大木)の木の広場」があった可能性があるらしい。この広場は神聖な場所でさまざまな祭事も執り行われたとか。天智天皇と藤原鎌足が大化の改新の前に蹴鞠をして知り合った場所だというドラマもあるようです。発掘中の人に「でかいケヤキの根っこはでませんか?」なんて声かけしてました。(爆)

その後、水落遺跡へ。飛鳥京からは土管が次々と発掘されていて、水道のようなものがあったらしく、今はその水道がどのように流れ、飛鳥川とどう関係していたかというのが、研究している人たちの関心の的になっているようです。水落遺跡は水時計を使った時を知らせる施設があったそうです。礎石は他の建物よりも精巧で狂いがないように置かれています。
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最後は、甘樫丘の休憩所まで歩き、蘇我氏の邸宅の遺跡などの説明を受けて解散となりました。本当は甘樫丘に登る予定だったみたいだけど、その余力はもう残っていないのでした。それでも帰途、橿原神宮駅までまた歩きましたけど。

歴史のフィールドワークはきつかった~万歩計を見たら14500歩。明日香村を散策するようになってからの最高記録となりました。次回は奥明日香。こちらもかなり歩きそうです。





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Last updated  2012.09.22 14:22:26
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