《櫻井ジャーナル》

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2011.08.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 リビア情勢を理解するためには、リビアだけでなくアフリカ中南部の利権構造を考える必要がある。かつてリビアはイタリアの植民地だったが、今回の内乱への軍事介入ではフランスやイギリスが積極的だった。その大きな理由はアフリカ中南部にあるのではないだろうか。石油と金という資産を使い、リビアのムアンマル・アル・カダフィ政権は中南部を自立させようとしていたのである。

 ベルギー、ポルトガル、ドイツ、フランス、イギリスといった国々がアフリカ中南部を植民地にしていた。ダイヤモンド、金、あるいは希少金属など、この地域の利権を握る意味は大きい。現状から考えて、ベルギー、ポルトガル、ドイツが利権を維持するために軍事行動に出る可能性は小さそうだが、イギリスやフランスは違う。

 今回の内乱できっかけを作ったのはフランスだが、最も積極的に動いているのはイギリスのようだ。内乱が始まって間もない3月2日には2名のMI6(対外情報機関)オフィサーと6名のSAS(特殊部隊)隊員で編成されたチームをヘリコプターでリビア東部へ潜入させている。

 この潜入工作は警備の人間に発見されて明るみに出るが、大きな問題にはならず、ベンガジの港からフリゲート艦「カンバーランド」で帰路についている。また、 5月31日付のデイリー・メール紙 は、イギリスの特殊部隊SASの隊員が潜入しているのではないかと伝えている。

デイリー・テレグラフ紙 によると、ここ数週間、イギリスの軍や情報機関は首都攻撃を目指して動きを活発化させていた。例えば、TNC(暫定国民評議会)が作成した攻撃プランをMI6のオフィサーが添削して整え、状況に応じてアドバイスを与えていた。

 首都攻撃が始まった土曜日朝にイギリス軍は5発の精密誘導爆弾ペイブウェイ IVを情報機関の基地に落とし、夜にはトルネードGR4戦闘機がトリポリ南西部にある重要な通信施設を破壊するなどして反政府軍を支援している。海からの攻撃もあった。攻撃の主体はイギリス軍であり、その傭兵として反政府軍が動いているようにも見える。

 その反乱軍に対し、イギリスは数週間をかけて武器、通信機器、そして精鋭部隊をトリポリに送り込んでいた。そうした準備をした上で蜂起するのだが、その合図はTNCのムスタファ・アブド・アル・ジャリルがテレビで行ったスピーチだったという。

 リビアで儀典局長を務めていたノウリ・メスマリが昨年10月、機密文書を携えてパリへ亡命したことで内乱計画は始まるのだが、最後にきて主役はイギリスになった。それほどリビアのカダフィ体制はイギリスにとって脅威だったのだろう。

 リビアが支援していたアフリカ中南部は、大英帝国を支えていた地域だった。詳しくは次の本(出版予定はないがw)で説明するとして、簡単に歴史を流れを振り返ってみよう。

 1866年に農夫がダイヤモンドを発見、その利権を手にすることで巨万の富を築いたのがセシル・ローズであり、そのローズに資金を出していた金融機関がNMロスチャイルド&サン。ローズの周辺にはイギリス王室の要人が集まることになった。それほどローズのアフリカ利権はイギリスにとって重要だということだろう。

 ちなみに、ローズの後継者とも言える人物がアルフレッド・ミルナー。中東混乱の一因になる「バルフォア宣言」(アーサー・バルフォア外相がロスチャイルド卿宛てに出した書簡)の執筆者でもある。

 現在、反政府軍の一翼を担っているLIFG(リビア・イスラム戦闘団)は1995年に創設されたアル・カイダ系の武装グループなのだが、このグループはMI6と関係があるとも言われている。 本ブログではすでに書いた が、アル・カイダの過去をさかのぼるとムスリム同胞団を通してイギリスにつながっているわけで、不思議でも何でもない話だ。





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最終更新日  2011.08.24 03:40:06


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