《櫻井ジャーナル》

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2011.12.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 野田佳彦首相は「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と記者会見で宣言したのだという。判断するのは勝手だが、事実が伴っていない。つまり、妄想を語っているにすぎない。

 燃料棒が溶融していることは東京電力も認めている。溶融物は圧力容器(鋼鉄製で厚さは15センチ前後)を突き抜けて落下、コア・コンクリート反応によって水素と一酸化炭素などを出しながら床を侵食、下へ移動しているはずだが、現段階でどこにあるのかは不明である。東京電力は溶融物が格納容器に達しがは1号機だけだとしているが、ちょっと信じがたい。

 その1号機の溶融物は床を65センチほど溶かしたところにあり、厚さ約3センチの鋼鉄で作られた格納容器まで37センチの余裕があると東電は主張している。勿論、この推測が正しいという保障はない。2号機と3号機も同じような状態になっていると考える方が自然だろう。

 たとえ、溶融物が格納容器に達していないとしても、容器は穴だらけ、コンクリートはヒビだらけであり、地下水が入り、放射性物質は外へ出ている。環境を汚染し続けているということ。相当量の放射性物質が海に流れ出ているだろうが、施設内でも汚染水が増え続けている。政府や東電は溜まった汚染水も海へ流すつもりのようだが、これで事故が収束したと言えるはずがない。 国外のメディアが呆れるのも当然 だ。

 事故の直後、4号機の使用済み燃料プールの倒壊が懸念されていたが、この問題も解決されていない。大きな余震がきて倒壊したなら、関東を含む東日本の住民はすぐに避難しなければならないような深刻な事態になると警告されている。

アメリカのNRC(原子力規制委員会)によると 、建屋から約2キロあたりの場所で核燃料棒の破片が発見され、それは圧力容器の中にあったものだと推測している。3号機の使用済み燃料プールに保管されていた燃料棒の破片だとする見方もあるのだが、この件について日本政府は言及していない。

 実は、この NRCが今、もめている 。委員長のグレゴリー・ジャッコが委員会の信頼をなくすような行動をしていると4名の委員が告発したのである。このジャッコ委員長の信頼度を低めようとしているNRC委員のビル・マグウッドは東京電力のコンサルタントになっているという。

 東京電力を擁護するネットワークはIAEAにも及んでいる。 ロバート・ケリー元IAEA元主任査察官によると 、天野之弥が率いるIAEAも日本政府と同様、放射性物質の拡散予測を発表しなかった。IAEAには、そうした予測をする能力があるのだという。技術的な機関として予報と分析をしっかりすべきだったのに、政治的に動いたと元主任査察官は批判している。





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最終更新日  2011.12.19 03:27:26


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