《櫻井ジャーナル》

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2011.12.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ある体制の状況に関する情報を「反体制派」に頼るべきでないことは、イラクへの軍事侵攻で明確になっているはずだが、リビアでもシリアでも、「西側」は政府もメディアも同じことを繰り返している。

 イラクへの軍事侵攻ではアメリカのメディアが展開したプロパガンダに対抗していたアル・ジャジーラも今回は無惨。リビアやシリアに対する介入では米英両国が湾岸諸国と連携しているからだ。特にカタールの果たしている役割が大きく、この国を拠点とするテレビ局、アル・ジャジーラは完全にプロパガンダ機関化している。西側メディアなみに堕落したとも言えるだろう。

 実際に報道された内容はともかく、リビアでNATO軍と手を組んだLIFG(リビア・イスラム戦闘団)がアル・カイダ系の武装集団だということは、よほど情報力がお粗末でないかぎり、どの国の政府もメディアも事前に知っていたはず。おそらくシリアの情報が正しくないことも知った上で「反アサド体制」の雰囲気を作り出そうとしている。

LIFGとアル・カイダとの関係 は1990年代に始まる。ソ連軍がアフガニスタンから撤退した後、カブール近くの訓練施設には少なからぬリビア人が来ていたと言われているのだが、そうしたリビア人のひとりがLIFGを指揮しているアブデルハキム・ベルハジ。LIFGを組織したのもアフガニスタンにいたころで、タリバンと行動をともにするようになる。そうしたこともあり、 アメリカ政府もLIFGを「テロリスト」だとしている わけである。

 ロンドンなどヨーロッパを拠点にして活動しているシリアの反政府派は、アメリカ政府の支援を受けてきた。 国務省が資金を提供してきたことはWikiLeaksが公表したアメリカの外交文書でも明らか になっている。

 そうした団体の多くが結びついていると言われる NED (ナショナル民主主義基金)はアメリカの国務省が管理しているNPO(非営利活動法人)。ロナルド・レーガン政権が心理戦を展開するために始めた「プロジェクト・デモクラシー」に基づき、1983年に創設されている。

 権力者を疑わない人びとは「民主主義」のためのプロジェクトだと信じていたが、実際はCIAが実行する秘密工作のため、まとまった資金を動かすパイプ。ユーゴスラビアに対する軍事介入で利用され、イラン・コントラ事件(イランへの武器密輸とニカラグアの反革命ゲリラ支援工作)でも名前が出てきた。

 しかし、アメリカ政府だけがシリアの反政府派を支援しているわけではない。ロンドンを拠点とする「シリア人権観測所」の場合、イギリスの外相とも緊密な関係にある。要するに、シリア情勢に関する情報はアメリカ国務省とイギリス外務省が発信源である疑いが濃厚ということだ。ユーゴスラビアでもアフガニスタンでもイラクでもリビアでも嘘で戦争は始めた連中だ。

 現在、シリア内乱で反政府軍の中心的な存在は「SFA(シリア自由軍)」。トルコ政府の保護を受けながらシリアに越境攻撃を繰り返している武装集団で、1万5000名程度の兵力を要すると言われている。 SFAと政府軍が激しい戦闘 を繰り広げているホムズの近くでパイプラインが爆破されたと伝えられているが、この爆破にSFAが関与している可能性は小さくない。





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最終更新日  2011.12.29 02:28:16


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