《櫻井ジャーナル》

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2012.06.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 NATOや湾岸の独裁産油国の支援を受けたシリアの反政府軍だが、いまだに体制転覆に成功していない。アメリカのヒラリー・クリントン国務長官だけでなく、最近は潘基文国連事務総長もシリア政府を声高に批判、「西側」のメディアも必死に反アサド宣伝を繰り返している。が、このところプロパガンダは裏目に出ている。

 先日、イギリス外務省と緊密な関係にある「シリア人権観測所」など反政府派は、シリア西部の都市、ハマから20キロメートルほど離れた場所にあるアル・クベイルで数十名が殺されたと発表、 潘事務局長はシリア軍が停戦監視団の行動を妨害、発砲していると非難 していたのだが、 現地に入った監視団やメディアの人間は、虐殺を確認することができなかった ようだ。死体を政府軍が運び去ったと反政府軍は主張しているようだが、これまでも嘘、偽情報を流していただけに、説得力はない。

 数ある「西側」の中で、政府軍と反政府軍、双方を取材しているのがイギリスのテレビ局、チャンネル4。 ホムスで取材していたそのチームを反政府軍の兵士は交戦地帯へと導き、政府軍に銃撃させるように仕向けたことが発覚 した。反政府軍側のプロパガンダに協力的でないチャンネル4を処分したいという気持ちもあったかもしれない。

 ともかく、政府軍がジャーナリストを射殺したとなると、バシャール・アル・アサド政権にとっては厳しいことになっただろう。あのクリントン長官の叫び声が聞こえてくるようだ。が、チームは何とか脱出に成功、反政府軍としては逆の目に出てしまった。

 シリアを訪れた ギリシャ正教のフィリップ修道院長も報告 しているように、アラウィー派(大統領を含め、党や軍の幹部に多い)の住民が犠牲になっているようで、虐殺の実行者はスンニ派のサラフィ主義者や反政府軍に参加している外国人傭兵の可能性が高い。

 アメリカのメディアはジョージ・W・ブッシュ政権の戦争に協力、一般庶民からも信頼されなくなった。リビアやシリアでのプロパガンダでは「西側」、特にイギリスのメディアが醜態をさらしている。カタールのアル・ジャジーラは、カタール政府の政策に反対しない限り「報道の自由」はあると言われていたが、リビアやシリアの体制転覆作戦にはカタール政府も中心的な役割を果たしているわけで、今回は単なるプロパガンダ機関。言うまでもなく、日本のマスコミは核問題以外でも支配層の御用をつとめている。





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最終更新日  2012.06.10 03:09:05


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