《櫻井ジャーナル》

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2012.06.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 トルコ軍の戦闘機、F-4を1機、シリア軍が撃墜した。シリア側の発表によると、2 機のF-4が低空でシリア領内に侵入、そのうち1機を海岸線から約1キロメートルの地点で撃ち落とした という。 トルコ側も撃墜された戦闘機が国境線を越えたかもしれないと認めている

 昨年春、シリア国内でFSA(シリア自由軍)がバシャール・アル・アサド体制の打倒を目指して武装蜂起しているが、その頃からトルコを含むNATOや湾岸の独裁産油国が反政府軍を支援している、要するにこの外部勢力が黒幕だとする情報がある。基本的な青写真は1991年にできていて、ジョージ・W・ブッシュ政権の時代から資金援助を開始、今ではプロパガンダのほか、武器の提供や兵士の訓練を実施している。

 蜂起の当初、訓練はトルコの米空軍インシルリク基地で行われた。最近、コソボの軍事施設でゲリラ戦の訓練を本格化させるとも言われ、その一方、リビアでNATOと手を組んだアル・カイダ系の武装集団がシリアへ移動しているとも伝えられている。

 反政府軍を使うだけでなく、自国の特殊部隊を潜入させている国もあるようだ。 イスラエルの報道ではカタールとイギリス が、 ウィキリークスが公表した民間情報会社のストラトフォーの電子メールでは、アメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、トルコといった国の名前 が挙がっている。

 インシルリク基地に関する情報を早い段階で紹介していた人物がFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズ。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントン郡にある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、この出来事を口実にしてジョージ・W・ブッシュ政権はアフガニスタンやイラクを先制攻撃しているが、この件に関し、FBIは事前に情報を持っていたと内部告発している。

 CIAはアル・カイダがアメリカで破壊工作を計画しているという情報をFBIに伝えていなかったことが知られている(調査ジャーナリストのジェームズ・バムフォードらが報告)が、FBIも独自にテロ情報を入手していたというのだ。つまり、エドモンズによると2001年4月にFBIはイラン情報機関の協力者からオサマ・ビン・ラディンの攻撃計画を知らされていたという。この内部告発をした結果、彼女はFBIを解雇されることになった。アメリカに対するテロ計画があると警告していたイラクやイランをアメリカ支配層は敵視、イラクの場合は軍事侵攻で体制を転覆させたわけだが、これとエドモンズに対する処遇には似た背景を感じる。

 ところで、今回の撃墜事件ではトルコ政府がまごついている印象がある。トルコ軍の現場が暴走したのか、撃墜が予想外だったのか、といったところではないだろうか。本格的な軍事侵攻を睨み、トルコ(NATO)軍がシリア軍の防空能力を調べていた可能性もある。撃墜が予想外だったとするならば、軍事作戦は練り直しだろう。

ローマ教皇庁の通信社 ドイツの有力紙 など、ここにきて反政府軍が住民を虐殺しているとする「西側」の報告があり、アメリカやサウジアラビアなどによる軍事支援や破壊/テロ活動の実態も隠しきれなくなっている。それにつれ、日本のマスコミはシリアの扱いが小さくなっているようだ。今後、ロシアがシリア軍の防空能力を高めるようなことがあると、ますます軍事侵攻/制圧が難しくなるわけで、NATOや湾岸産油国は焦っているのかもしれない。





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最終更新日  2012.06.23 21:47:17


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