《櫻井ジャーナル》

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2012.08.06
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアのリアド・ヒジャブ首相が解任された。つまり反政府軍側に寝返ったと伝えられている。家族とヨルダンへ逃げ、そこからカタールへ移動するとも報じられているが、ヨルダン政府はヒジャブが国内にいることを否定しているという。

 湾岸の産油国はシリアの反政府軍に武器を提供するだけでなく、特殊部隊を派遣したり傭兵に給料を出している。シリアの要人に多額のカネを提供したとしても驚きではない。

 ただ不思議なのは、なぜ亡命してしまったのか、ということ。敵対国の要人が亡命を求めてきたなら、通常は思いとどまらせ、情報を提供させたり工作に利用させたりするものである。かつて、こんな出来事があった:

 第2次世界大戦が終わって間もない頃、ポーランドの秘密警察、UBの幹部、ヨゼフ・スビアトロがイギリスの情報機関MI6へ亡命を打診してきた。この幹部はポーランド政府や共産党を監視する部署の次長。その部署はソ連の秘密警察、NKVD(内務人民委員部)を統括していたラブレンチ・ベリヤが直接、指揮していたと言われている。

 この亡命打診をイギリスはアメリカのアレン・ダレスに伝える。言うまでもなく、ダレスはウォール街の弁護士で、大戦中は破壊工作を指揮していたのだが、戦後は「民間人」に戻っていた・・・ことになっていた。アメリカの情報/破壊活動をこの民間人が指揮していることををイギリス側は承知していたわけだ。

 ダレスは亡命を思いとどまらせ、ソ連圏の内部にダメージを与える工作に協力させようとした。彼を使い、東ヨーロッパの共産党幹部を「アメリカのスパイ」にでっち上げ、国民に支持されそうなコミュニストの指導者を潰していったと言われている。いわゆる「スプリンター・ファクター作戦」だ。

 この工作がはじまる1948年にアメリカでは破壊工作(テロ工作)を目的とする極秘組織、OPC(政策調整局)が創設されている。その局長に就任したのはダレスの腹心で、やはりウォール街の弁護士だったフランク・ウィズナー。この組織の母体は、大戦中にイギリスのSOE(特殊作戦執行部)とアメリカのOSS(戦略事務局)が共同で組織していた破壊工作部隊、ジェドバラだった。

 1953年3月、この「スパイ狩り」はヨシフ・スターリンの死によって終わる。7月にはベリアが解任され、12月には処刑された。ベリアの処刑を横目に見ながらスビアトロはアメリカへ亡命する。

 どの国の政府でも、首相と言えば機密情報に接することのできる人物。シリア国内では反政府軍の破壊工作が頻発している。亡命の宣伝効果ということもあるだろうが、NATO/アメリカ、湾岸産油国に情報を提供したり秘密工作、例えばシリア政府の要人暗殺に協力せず、ヒジャブは単純に亡命したのだろうか?あるいは・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.08.07 03:21:37


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: