《櫻井ジャーナル》

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2013.04.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ボストン・マラソンのゴールライン近くで引き起こされた爆破事件の容疑者とされているのはタメルラン・ツァルナエフとジョハル・ツァルナエフの兄弟だが、その母親、ズベイダ・ツァルナエバは一貫して息子たちは無実だと叫んでいる。

 この叫びは無駄になっていない。彼女の証言によって、事前にロシア政府からFBIへ兄弟についての警告があったことも判明した。自らの利益を度外に置く人は権力者でもコントロールが難しい。ズベイダもそうした種類の人間かもしれない。

 それに対し、兄弟のオジにあたるルスラン・ツァルニは爆破事件の真犯人だという前提で話をしている。アルメニア人の「ミーシャ」なる人物が兄弟を洗脳し、イスラムに改宗させたというのだ。タメルランの義理の兄弟だったエルミルザ・ホズゴフも同じ話をしているのだが、「ミーシャ」が何者かは不明。しかも、アルメニアはキリスト教社会。イスラム教徒はきわめて珍しい存在で、この証言に首を傾げる人も少なくない。

 この「ミーシャ」よりも興味深い人物はルスラン自身だ。1992年から2年の間、CIAがしばしば隠れ蓑に使う USAID (米国国際開発庁)の「顧問」としてカザフスタンで働いている。日本の核ビジネスが関係を深めている国としても有名だ。

 このカザフスタンでルスランは2005年4月に石油会社で役員になる。前にも書いたことだが、この会社を経営していたS.A.セフスバログルはハリーバートンの経営者だった。リチャード・チェイニーが2000年までCEOを務めていた、あのハリーバートンだ。

 しかも、フロリダ州を拠点に活動しているジャーナリストのダニエル・ホップスティッカーによると、ルスランが結婚した相手はCIAの幹部だった グラハム・フラーの娘、サマンサ 。その後、ふたりは離婚している。

 CIA時代、フラーはトルコ、レバノン、サウジアラビア、イエメン、アフガニスタン、香港を担当し、1982年には近東・南アジア担当の国家情報オフィサーとなり、1986年には国家情報会議の副議長に就任した。1988年に国防総省系のシンクタンク、RANDコーポレーションへ移っている。

 前にも書いたが、 タメルラン は2012年の夏にコーカサス地方の若者を対象としたワークショップ/セミナーに参加している。主催したNGOのコーカサス基金はCIA系のジェームズタウン基金と協力関係にある。ジェームスタウン基金は1984年にソ連の反体制派を支援するために創設されたが、その際にウィリアム・ケイシーCIA長官が支援している。

 ツァルアエバ母子の周辺にはCIAのネットワークが存在、しかもFBIの監視下にあった。そうした環境の中にいたツァルナエフ兄弟が爆破事件を起こせばCIAやFBIの存在が浮上してくるのは当然。ズベイダ・ツァルナエバの言うように兄弟が無実なら、実際に爆破事件を引き起こした人物/組織にとってふたりは恰好の「防御装置」になり、アメリカ政府を揺さぶることができると言える。





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最終更新日  2013.04.29 01:32:52


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