《櫻井ジャーナル》

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2014.10.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 報道内容の根本が誤りだったと判明したならば、訂正して謝罪しなければならない。とするならば、2003年にイラクを先制攻撃する前、アメリカ政府が偽情報を世界に広める手助けをしたメディアは全ての報道を取り消し、謝罪する必要がある。勿論、国民のカネで情報を集めている政府の責任はさらに重い。ちなみに、その当時の総理大臣は小泉純一郎。

 この嘘で始められた戦争によって中東から北アフリカにかけての地域は破壊され、多くの人びとが殺されている。医学雑誌ランセットに発表されたジョンズ・ホプキンズ大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、開戦から2006年7月までにイラクでは約65万人が死亡したという。また、イギリスのORB(オピニオン・リサーチ・ビジネス)は2007年夏までに約100万人が殺されたという調査結果を公表している。

 イラクだけで100万人を殺した嘘を垂れ流し、多くの国を破壊し、多くの人びとを殺傷する原因を作ったという自覚を日本では政府だけでなく、テレビも、新聞も、雑誌も、そして出版も持っていない。頬被りを決め込んでいる。訂正もせず、謝罪もせず、ましてマスコミの社長や編集責任者が辞意を表明するなどということもない。

 日本の政府やマスコミの嘘はこれに留まらない。例えば、東電福島第一原発の事故に関するもの。事故が起これば国どころか人類の存続すら危うくするのが原発。それを安全だと宣伝し続け、「安全神話」を作り上げた。福島第一原発の場合も、運が悪ければ東日本は壊滅、日本全域が生活に適さない場所になっても不思議ではなかったのだ。そうした事実をきちんと報道しているとは到底、言えない。

 最悪の事態が避けられたのは、奇跡的な幸運が重なったため。まず、事故直後の風が太平洋に向かっていたこと、定期点検中の第一原発4号機で炉内の使用済み核燃料プールの水が存在していた(大型構造物の取り替え工事でミスのためだとされている)こと、福島第二、女川、東海第二も紙一重のところでメルトダウンにならなかったことなどだ。もっとも、こうした好運も4号機の使用済み核燃料プールが何らかの原因、例えば地震で崩壊すれば終わる。

 奇跡的な好運が重なって事故の規模は抑えられたというものの、大事故だという事実に変化はない。東電は事故に伴う放射性物質の放出総量をチェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表しているが、その算出方法に問題があるとも指摘されている。

 計算の前提では、圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっているが、今回は水が沸騰していたとみられ、ほとんどの放射性物質が環境中に漏れ出たと考えるべき状況。トーラスへの爆発的な噴出で除去できないとする指摘もある。

 圧力容器内の放射性物質がストレートに外部へ出た可能性が高いと言うことであり、原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンは、少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

 鼻血がよく出る、あるいは口内炎が同時にいくつもできるといった話は事故後、間もない頃から言われていたが、その後、甲状腺の異常が多発していると指摘され、少なからぬ子どもがリンパ節転移などのため、甲状腺の手術を受ける事態になっている。

 これに対し、原発事故の影響を否定したい立場の人びとからは「過剰診療」という批判がでているのだが、手術を行っている福島県立医大の鈴木真一教授は「とらなくても良いものはとっていない」と反論している。

 もし、「健診」によって手術すべきケースが見つかっているだけだとするならば、これまで手術すべき人が手術を受けずにきたことになり、年を経てから身体に異常が現れていなければならない。が、そうした報告はないわけで、「健診説」は説得力がない。すでに福島では異常が現れていると考えなければならない。

 健康被害に関してはアメリカでも問題になっている。 米海軍の空母ロナルド・レーガンに水兵たちが東京電力を相手に集団訴訟を起こしている のだ。東電は事故で破壊された原子炉から放出された放射性物質に関する正しい情報をアメリカ政府に提供せず、結果として乗組員が深刻な被曝を強いられたとしている。元乗組員によると、被曝後に甲状腺癌、睾丸癌、白血病、脳腫瘍といった症状が出ている。

 それだけでなく、事故の処理作業で少なからぬ犠牲者が出ていて、その処理に全国の大学医学部が巻き込まれているという噂は早い段階から流れている。原発の敷地内で死亡しなければ事故と死との因果関係はないとするのが原発推進派の基本姿勢であり、ホームレスの人びとなら闇から闇に葬り去ることは容易だろう。作業員の募集や管理に広域暴力団が関与する必然性はここにある。

 「特定秘密保護法案」や「国家安全保障基本法案」は霞ヶ関の官僚や一部政治家などが情報を独占、支配システムを強化し、自分たちの特権的な地位をまもるための仕組み。彼らはTPPなどで日本をアメリカの支配層に売り飛ばし、自分たちはその傀儡になることで支配者の仲間になり、欲望を満足させてくれる生活を送ろうとしている。そうした法律で守ろうとしている秘密に戦争や原発事故に関するものが含まれていることは確実だ。





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最終更新日  2014.10.13 19:26:02


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