《櫻井ジャーナル》

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2020.07.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 自民党の内部で「敵基地攻撃能力」が議論されていることを懸念する声が挙がっている。そうした能力の保有を求めた自民党国防部会などによる提言について、安倍晋三首相が6月18日に行った記者会見で「受け止めていかなければいけない」と口にしたことが切っ掛けのようだ。

 安倍首相はその記者会見で地上配備型迎撃システム、イージス・アショアの配備計画を停止すると発表、それを受けてのことだというが、すでに自衛隊はそうした能力を獲得する方向に向かっている。

 例えば、本ブログでは何度か書いたことだが、「ヘリコプター搭載護衛艦」もそうした動きの中から出てきたと言えるだろう。そうした艦船である「いずも」は艦首から艦尾まで平らな「全通甲板」を有して多数のヘリコプターを運用できる一方、艦砲、対艦ミサイル、対空ミサイルを持っていない。「いずも」に続いて「かが」も就航した。いずれも外観はアメリカ海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」を連想させる。MV22オスプレイやF-35Bの購入などともリンクしていると言えるだろう。

イージス・アショアにも攻撃的な側面 ​がある。アメリカの防空システムは能力が低いこともあり、その配備が実現してもミサイルを撃ち落とすことは容易でない。

 以前にも書いたことだが、弾道システム防衛システムは先制核攻撃とセットになっているという考え方がある。破壊を免れた相手の報復攻撃を迎え撃つということだ。

 しかし、イージス・アショアの場合、別の批判もある。このシステムではSM-3というミサイルが使用されることになっているが、その発射装置は射程距離が2500キロメートルという巡航ミサイルのトマホークも使えると言われているのだ。イージス・アショアをポーランドやルーマニアに配備するというアメリカの計画にロシアが反発しているのはそのためである。

 アメリカ軍と韓国軍はTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムを韓国へ導入することを決めていたが、2013年に大統領となった朴槿恵が反対、配備は遅れる。実際に配備されたのは朴槿恵大統領がスキャンダルで身動きできない状況になっていた2017年だ。

 朴槿恵が失脚する直前に国軍機務司令部が戒厳令を計画、合同参謀本部議長の命令ではなく陸軍参謀総長の指示で陸軍を動かそうとしていたと伝えられている。実際は治安機関が朴大統領を排除したのだが、権限を持たない国軍機務司令部が戒厳令を計画したとする話が事実なら、これはクーデター計画にほかならない。

 そもそも、アメリカ軍が日本列島に居座っているのは彼らの長期戦略に基づいている。その戦略はイギリスから引き継いだもので、ユーラシア大陸の周辺部を支配して物資や人の輸送をコントロール、内陸部の国を締め上げるというもの。

 締め上げ、弱体化させた上で軍事侵略ということになるが、イギリスはそれだけの戦力がなかった。それは2度のアヘン戦争で明確。イギリスが日本を「近代化」させ、軍事力を強化させた理由はそこにあるだろう。イギリスは日本人を傭兵として使うことにしたように見える。その後、日本はイギリスの戦略に則る形でアジア侵略を始めた。

 イギリスの長期戦略をまとめたのが地政学の父とも呼ばれているハルフォード・マッキンダー。1904年に論文を発表している。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。

 朝鮮戦争やベトナム戦争もその戦略の中で行われたのであり、朝鮮戦争の最中、1951年4月に約2000名の国民党軍がCIAの軍事顧問団とともに中国領内に侵入して一時は片馬を占領、翌年の8月にも中国へ侵攻していることもアメリカの真のターゲットが中国だったことを示している。

 朝鮮戦争が終わる頃にはアメリカでソ連に対する先制核攻撃の準備が始まり、それにともなって沖縄が基地化されていく。沖縄で建設された基地の目的は中国やソ連に対する核戦争の準備だったのだ。これは本ブログでも繰り返し説明してきた。「敵基地攻撃能力」はアングロ・サクソンの支配者やその手下である日本人の本音だろう。

 安倍首相は2015年6月1日、赤坂にある赤坂飯店で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたというが、自衛隊をアメリカの戦略のために使うという意味にほかならない。アメリカ軍は先制攻撃を想定しているのだ。沖縄の基地問題を「防衛」という視点で議論するのは正しくないということでもある。






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最終更新日  2020.07.28 13:06:13


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