アメリカの上院で950億ドルの対外援助法案が2月13日に可決した。その中にはウクライナに対する600億ドル、イスラエルに対する140億ドル、台湾への兵器補充に19億ドルが含まれている。
ウクライナにおける戦闘でアメリカ/NATOに操られたウォロディミル・ゼレンスキーの軍隊がロシア軍に敗れたことは間違いない。ガザでの戦闘でイスラエル軍は苦戦する一方、パレスチナ人を虐殺し続けている。
私的権力はソ連が消滅した1991年、この最終目標をほぼ達成できたと考え、詰めの戦略を始動させる。ネオコンが1992年2月に国防総省の「DPG(国防計画指針)草案」という形で作成した計画だ。ディック・チェイニー国防長官の下、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官が中心になって書き上げられた。
そこからNATOを東へ拡大させるが、これは「バルバロッサ作戦」の準備。作戦の開始は2013年11月から14年2月にかけてのウクライナにおけるクーデターだ。このクーデターに危機感を持ったクリミアがロシアの保護下に入り、ドンバスでは反クーデター軍の抵抗が始まる。その反クーデター軍にクーデター軍は勝てないと判断した西側の支配層は8年かけてクーデター体制の戦力を増強した。
クーデター当時、ウクライナは経済的に破綻していた。そこでビクトル・ヤヌコビッチ大統領は良い条件を出していたロシアに接近、それを阻止するためにアメリカのバラク・オバマ政権はクーデターを実行したわけだ。
クーデターが始まった直後、ビクトリア・ヌランド国務次官補は米国ウクライナ基金の大会で、アメリカは1991年からウクライナを支援するために50億ドルを投資したと演説 している。資源、食糧生産、生産設備を手に入れようとしたのだ。
それだけでなく、私的権力の手先はクーデター直後の 3月7日深夜、ポリスポリ空港に4輌のトラックと2輌の貨物用のミニバスで乗り付け、40個以上の箱をマークのない航空機へ運び込んだ と伝えられている。
車両はいずれもナンバー・プレートが外され、黒い制服を着て武装した15名が警戒する中での作業だった。作業が終わるとすぐに航空機は飛び立ち、車両も走り去ったという。その箱の中身は金塊だという情報がある。当時、ウクライナ政府が保有していた金塊は42.3トンだとされている。
その一方、相場が下落したウクライナ国債をロスチャイルドのファンド、フランクリン・テンプルトンが買い占めていた。安値で国債を買いあさり、満額で買い取らせようとしたと見られている。買い取るための資金はIMFが融資する。これまで私的権力が使ってきた手口だ。 破綻国家にIMFがルールを無視して融資 するのはそのためだ。
しかし、2022年2月にロシア軍が介入、ウクライナ軍が敗走するだけでなくアメリカ/NATOが敗北してしまった。アメリカやヨーロッパが投入している資金はどこへ消えるのだろうか?