ウクライナにおける戦闘のため、NATOはポーランド、スロバキア、ルーマニアに大きな軍事基地を建設しようとしているとハンガリーのビクトル・オルバン首相は語っている。兵站拠点、訓練基地、あるいはミサイルの発射基地が欲しいのかもしれない。
すでにNATO諸国は兵器が枯渇している。これまでウクライナへ供給してこなかった兵器を渡すことになるだろうが、そうした兵器を扱える兵士が十分に存在しているとは思えない。新しい軍事基地を建設するためには新基地に見合ったインフラが必要であり、時間が必要だとも指摘されている。
すでに書いたことだが、アングロ・サクソンの支配者は19世紀からロシア征服を計画している。第1次世界大戦や第2次世界大戦にもそうした背景がある。ソ連消滅後にアメリカを中心とする西側勢力はユーゴスラビアをまず攻撃、2004年にはウクライナを属国化するため、「オレンジ革命」を仕掛けた。アメリカへの従属度が低いビクトル・ヤヌコビッチがを排除し、金融資本と結びついた新自由主義者のビクトル・ユシチェンコを大統領に据え他のである。
そして2008年8月、北京で夏季オリンピックが開かれるタイミングでイスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃し、ロシア軍の反撃で完膚なきまで叩きのめされた。この南オセチア攻撃はロシア侵略の序章だった可能性が高い。
そのユシチェンコの政策が国民の大半を貧困化させるものだったことからウクライナの有権者は2010年の大統領選挙で再びヤヌコビッチを選ぶ。そこで、アメリカのバラク・オバマ政権はヤヌコビッチ政権を倒すため、ナチズムを信奉するグループを使ったクーデターを2013年11月から14年2月に実行してヤヌコビッチ排除に成功した。
それに対し、ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の住民はクーデターを拒否、クリミアはロシアの保護下に入り、ドンバスでは内戦が始まったのである。これはクーデター体制と反クーデター派の戦いである。
この戦いでアメリカやイギリスはクーデター体制を支援、EU諸国は米英政府に従った。ヨーロッパでは市民からの信頼を失うことよりアメリカ政府からの支持を失うことを恐れる政治家や官僚が主導権を握っているようだ。この構図は日本も同じだ。そうした政治家や官僚を操るため、買収、脅迫、暗殺、クーデターといった手段が使われてきた。
イスラエルの情報機関AMAN(イスラエル参謀本部諜報局)のために働いていたジェフリー・エプスタインは世界の有力者に未成年の女性を提供、行為の様子を隠し撮りしておどしの材料に使っていた。勿論、彼だけがこうしたことを行なっているわけではないだろう。