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2026.02.16
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 ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領がアメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォースによって拉致されたのは今年1月3日のことだった。アメリカ政府は事前にベネズエラの政府や軍の幹部を買収していた可能性が高く、作戦を実行する際には指向性エネルギー兵器を使って敵兵士の方向感覚を失わせ、混乱させたとも言われている。そうした中、買収されていなかった警護担当のキューバ兵は皆殺しになった。防空システムが機能しなかったのは、電磁波兵器云々という以前に、買収が効果的だったのだろう。

 では、誰が買収されたのかということが問題になるが、拉致後の展開を見ると、大統領代行を務めているデルシー・ロドリゲス副大統領やその周辺が怪しいと推測する人が少なくない。彼女はアメリカの指示に従うつもりはないと発言していたが、行動がその発言を否定している。




 ラトクリフCIA長官がロドリゲスと会談した翌日の1月16日、アメリカ石油協会(API)が石油業界のリーダーやロビイストを集めた「アメリカエネルギーの現状」サミットを開催したが、その参加者はドナルド・トランプ大統領の強引なやり方に不満を抱いていたという。

 石油業界が抱いている懸念は、大統領が簡単に原油を手に入れられると考えているらしいこと。ベネズエラへ乗り込んで蛇口をひねれば日量300万バレルの原油が出てくると大統領は信じていたらしいのだが、そうしたことにはならないと業界サイドは認識しているのだ。そうした石油業界の否定的な発言にトランプ大統領は苛立っている。欧米のエネルギー企業は原油より天然ガスに興味を持っているのだという。

 トランプ政権の中でベネズエラ侵略を最も強く望んでいたと言われているキューバ系のマルコ・ルビオ国務長官はキューバの政権転覆も望んでいる。そうした目論見に立ちはだかっているのがロシア、中国、イランだ。ベネズエラでは裏切り行為があり、国民の意思を無視してアメリカの支配下に入ったようだが、キューバではそうした展開にならないだろう。この3カ国が1月29日に調印した戦略協定は、外交、経済、安全保障における包括的な連携の枠組みを定めている。

 アメリカはキューバ革命の直後に軍事侵攻を試みて失敗、その後は経済戦争を続けてきた。そうした中、キューバを支援したのがウゴ・チャベスにほかならない。チャベスは1998年に実施されたベネズエラの選挙で勝利、99年2月から大統領を務めている。それに対し、 ジョージ・W・ブッシュ政権は2002年からチャベス政権を倒すための秘密工作を開始した。

 秘密工作

 ホンジュラス駐在大使時代、ネグロポンテはニカラグアの革命政権に対するCIAの秘密工作に協力、死の部隊(アメリカの巨大企業にとって都合の悪い人たちを暗殺する組織)にも関係している。

 アメリカの支配層はベネズエラの体制を転覆させるため、2007年に「2007年世代」を創設、09年には挑発的な反政府運動を行った。こうしたベネズエラの反政府組織に対し、NEDやUSAIDといったCIAの資金を流す組織は毎年40004万ドルから5000万ドルを提供していた。

 その2年前、つまり2005年にアメリカの支配層は配下のベネズエラ人学生5名をセルビアへ送り込んでいる。そこにはCIAから資金の提供を受けているCANVASと呼ばれる組織が存在、そこで学生は体制転覆の訓練を受けている。このCANVASを生み出したのは1998年に組織されたオトポール!なる運動だ。

 この運動の背後にはCIAの別働隊であるIRIが存在した。このIRIは20名ほどのリーダーをブダペストのヒルトン・ホテルへ集め、レクチャーする。講師の中心的な存在だったのは元DIA(国防情報局)分析官のロバート・ヘルビー大佐だ。

 抗議活動はヒット・エンド・ラン方式が採用された。アメリカの政府機関がGPS衛星を使って対象国の治安部隊がどのように動いているかを監視、その情報を配下の活動家へ伝えている。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)同じ手法がウクライナでも香港でもとられている。こうしたクーデター/カラー革命工作による政権転覆には失敗したものの、チャベスは2013年3月、58歳の若さで死亡した。発癌性ウイルスが利用されたという噂がある。そしてトランプ政権はチャベスの後継者であるマドゥロを拉致することに成功した。

 そして次にアメリカはキューバを狙っているのだが、キューバ駐在ロシア大使のビクトル・コロネリは、ロシアがキューバを見捨てることはないと述べている。キューバへ原油、石油製品、食糧を含む物資を送るだけでなく、軍事支援の準備。中国もロシアと協調して支援し、緊急プログラムに基づいて3万トンの米を供与したほか、太陽光発電プロジェクトも支援している。ロシアや中国は新たな金融や安全保障のインフラを構築しつつあるが、これは世界各国を惹きつけることになりそうだ。

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最終更新日  2026.02.16 00:00:06


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