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2005年07月11日
日本産果物の対中輸出の戦略(4)
テーマ:
中国&台湾(3305)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
第2章 中国の果物の生産と貿易現状
2.1 中国の果物の生産・消費現状
中国では果物の生産が急速に伸びており、特に1990年代は高成長を遂げた。1994年から中国の果物の生産量は世界一となった。2003年、中国の果樹園面積は943.7万ヘクタールで、生産総量は7,600万トンに達している。中国の果樹園面積は大体世界の果樹園面積の5分の1を占めている。果物生産量は世界一で、世界生産総量の14%を占めている。そのうち、リンゴと梨の生産量は世界各国を大きくリードしている。柑橘類の生産量はブラジルとアメリカに次いで、世界第3位である。中国の果物産業の生産額は1000億元余りで、中国の栽培業で食糧と野菜に次ぐ第3番目の産業となっている。
図2.1 中国の果物生産量が増加(1990年-2003年) 略
代表的な果物で2003年と1993年の生産量を比較すると、温帯果物であるリンゴ2110.2万トン(1993年比2.3倍。主産地は山東、陝西、河南、河北、山西)、柑橘類が1345.4万トン(2.1倍。主産地は福建、四川、浙江、湖南、広西、広東)、梨が979.8万トン(3.0倍。主産地は河北、山東、安徽)、ブドウが517.6万トン(3.8倍。主産地は新疆、河北、山東、遼寧)。熱帯果物であるバナナが590.3万トン(2.2倍。主産地は広東、広西、海南、福建、雲南)と10年間で軒並み倍増以上を記録している。その他の熱帯果物、例えばレイシ(112.3万トン。主産地は広東、広西、福建)、パイナップル(82.1万トン。主産地は広東、海南)、龍眼(94.1万トン。主産地は広東、広西、福建)、マンゴー(2000年63.9万トン。主産地は広東、広西、海南、雲南)等も大きく生産量が伸びている。
農家がここまで生産を増やしている背景には、消費者の生活水準が向上しているのに伴い、果物消費が拡大していることがある。果物の用途は、生食だけでなく、ジュース、缶詰、ジャム、菓子、酒等の加工食品へと広がっており、加工技術が進歩したことで、消費者は多様でおいしい果物関連製品を口にすることができるようになった。熱帯果物の加工品は、従来は缶詰が多かったが、近年はジュースの需要が著しく伸び、特に椰子ジュースとパイナップルジュースは全国的に有名になっている。ブドウはワイン消費の伸びに後押しされて生産増を果たしている。
また、果物に対する鮮度保持や貯蔵技術の発達並びに流通ルートの改善により、市場が全国に拡大したことも見逃せない。かつて北方では温帯果物を好み、南方では熱帯果物を好むといわれていたが、これは互いに遠いため産地からの供給が少なく、価格も高いために食べられなかったからであり、最近はこうした地方差はなくなっている。収穫期の関係で季節によって供給量や品質に波があったが、それも緩和された。消費者は好きなときに好きな果物を食べることができるようになってきた。
2.2 中国の果物の貿易現状
2.2.1 果物の輸出
近年、中国政府が対外交渉に力を入れたこと、そして、企業が積極的に参与したことと、検査検疫部門が合理的にWTO規則を利用したことによって、中国のリンゴや梨などはアメリカ、カナダ、オーストラリア等の検疫要求が非常に厳しい国まで輸出することに成功した。現在のところ、中国は20数カ国へ果物を輸出している。2004年中国の果物輸出量(加工品含め)312.59万トン、2003年比17.18%増、輸出額が16.47億ドル、2003年比20.08%増。1995年(輸出量63.63万トン、輸出額4.72億ドル)と比べて、それぞれ391.26%、248.94%増加した。
輸出総量の中、生鮮果物と加工品の比率は大体それぞれ半分を占めている。種類別から見ると、りんご、りんごジュース、かんきつ類の輸出量が依然として圧倒的に多い。
中国の果物輸出の主要な貿易相手はアメリカ、日本、ロシア、インドネシアである。2004年、4国に対して果物の輸出量がそれぞれ輸出総量の14.8%、11.1%、9.3%、6%を占めている。2004年以来、中国はアメリカ、インドネシアに輸出量の大幅増が目立ち、2004年、アメリカへの輸出量が46.22万トン、2003年と比べて31.77%増加;日本に34.69万トン、16.14%増加;ロシアに29.11万トン、19.26%増加;インドネシアに18.71万トン、63.69%増加した。
2.2.2 果物の輸入
2004年、中国の果物の輸入量(加工品含め)106.19万トン、2003年と比べて4.22%増、輸入額5.86億ドル、2003年と比べて17.39%増。1995年(輸出量22.45万トン、輸出額0.75億ドル)と比べて、それぞれ373.00%、681.33%増加した。
輸入量が多い種類はバナナ(38.09万トン、0.93億ドル)、かんきつ類(6.69万トン、0.4843億ドル)、ジュース(2.87万トン、0.31億ドル)、りんご(2.09万トン、0.16億ドル)である。
輸入の中:タイから27.41万トン、2003年と比べて98.8%増加;チリから5.52万トン、16.68%増加;フィリピンから29.59万トン、6.6%減少;米国から10.11万トン、1 .52%減少;ブラジルから3.91万トン、25.01%増加した。日本からの輸入量はわずか0.23万トンであったが、2003年と比べて84.86%増加した。2005年1月から3月が0.11万トン、前年同期と比べて、131.58%増加した。他の国に比べてその増加速度は急激である。
他に、2004年、ASEANに対して輸出量が90.63万トン、輸出総量の29%を占め、2003年と比べると17.38%増加している、輸出額では3.15億ドル、輸出総額の19%を占め、2003年と比べて22.6%増加した。一方、ASEANからの果物の輸入量は75.32万トン、輸入総量の70.09%を占め、2003年と比べて8.15%上昇し;輸入額では3.04億ドル、輸出総額の51.9%を占め、2003年と比べて26.38%増加している。
中国はASEANとのFTA枠組み協定に沿い、タイとの間でアーリーハーベストとして2003年10月から果物(80品目)と野菜(108品目)の関税を撤廃した。これにより中国からの温帯果物輸出にとっては有利になったものの、熱帯果物がタイから入りやすくなったことで、中国内の主産地である広東、広西、福建、海南等の農家は厳しい競争に直面することになった。
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最終更新日 2005年07月12日 20時27分29秒
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