里の種

里の種

2021/10/25
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テーマ: 思い出(60)
カテゴリ: 記憶

駄菓子屋があった
幼い頃
駄菓子屋のことを
そこの家の子の
名前の
ふみたかちゃん
と呼んでいた

子ども同士でも
家を出る時も
その駄菓子屋に行くときは
ふみたかちゃんに
行って来る
と言って出掛けていた

自分達より大人で
既に田舎を出ていたのか
早くに亡くなって
しまったのか
ふみたかちゃんの
姿を見たことは
一度も無かった

ただその駄菓子屋のことを
大人達も
ふみたかちゃん
と呼んでいた記憶がある

橋のたもとに
その駄菓子屋はあって
老夫婦が
二人だけで
ひっそりと暮らしていた

子供達の
応対には
いつもお婆さんが
出て来た

川沿いの
その家と川の間には
細い道があって
暑い時期に
そこを通ると
窓が開いていて

家の中には
油絵が
沢山置かれていた

絵の良し悪しは
分からないけれど
チラッと見ただけでも
綺麗な絵ばかりだと
思った

貧相な
瘦せたお爺さんが
画家だったのか
それとも
ふみたかちゃんが
描いた絵だったのか
分からない

それでも
その絵たちは
とてもキラキラ見えて
大切にされている
のがよく分かった





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最終更新日  2021/10/25 07:20:04 PM
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