『沈没船の日本兵遺骨、ダイバーらの“観光名所”に 9月15日配信 産経新聞
世界有数のダイビングポイントとして知られるトラック環礁(ミクロネシア連
邦チューク州)で、日本兵の遺骨が見せ物にされている-。こんな情報を耳にし
た国際協力機構の職員が現地に赴き目にしたのは、現地のガイドが沈船の中に眠
る遺骨を甲板に並べ、欧米のダイバーを案内してチップを得ているという現実で
あった。
連合艦隊泊地であったトラック環礁は昭和19年2月17、18日の両日にわ
たってアメリカ軍の空襲を受け、艦船43隻が沈められた。戦後、日本政府によ
って遺骨の一部は引き揚げられたが、大半は船の中に眠ったままだ。
戦没者慰霊と遺骨収集に関心を持つ国際協力機構の井上達昭さん(41)が休
暇を取って現地に入ったのは8月末。
「私の関心は愛国丸のご遺骨の状態を確認することでした。ガイドに案内され
てたどり着いた愛国丸の上甲板には、船の名前を記したプレートが置かれ、その
前にご遺骨が並べられていました」
現地で情報を収集すると、ガイドたちがいくつかの沈船に自分だけの遺骨の隠
し場所をつくっていることがわかった。また、ホテルのポスターや沈船観光を手
配する旅行会社のホームページには、必ずといってよいほど遺骨の写真が使われ
ていた。
「ガイドたちは欧米のダイバーをそこに案内し、多めのチップを得ているそう
です。さすがに日本人とわかるとそこに誘うことはないようですが」
沈船を重要な観光資源と考え、遺骨の引き揚げを“墓あばき”と感じるミクロ
ネシア側は、遺骨の持ち出しを固く禁じている。そのため、日本政府が要請し、
相手の承認を得ないかぎり、見せ物となっている遺骨に手が出せないのが現状だ。
「トラック環礁の遺骨の収集については、厚生労働省が終結を宣言しています。
予算がつかないというのなら、ボランティアのダイバーを動員するなど、政府に
は何らかのアクションを起こしてほしい」と、井上さんは話す。そして、自身の
できることとして、世界最大のダイバー養成機関「PADI」の機関紙に戦没者
と遺族の尊厳を踏みにじる猟奇的なダイバーの趣味を告発する手記を投稿する予
定という。
「女ひとり玉砕の島を行く」の著者であるジャーナリストの笹幸恵さん(32)
はこう話す。「遺骨を見せ物にするなんて、ダイバーの良識以前に、人間として
の良識の問題。その観点から、遺骨の引き揚げを“墓あばき”と感じるミクロネ
シア側に、日本政府は粘り強く働きかけて、一刻も早く見せ物にされているご遺
骨を引き揚げるべきです」』
ということです。私はこの記事を見て、まだ戦争は終わっていないんだなぁ・
・と思いました。あれだけの戦争で多くの行方不明者が出て、全ての遺骨を帰国
させることは無理だと思いますが、船名まで分かっているわけですから遺族の方
々はそれを聞かされたらいたたまれないでしょう・・。日本政府・・いや政治家
はアホな事に奔走する前にしっかりこういうことを優先して政治課題にあげて欲
しいと思います。
一方現地の人達の暮らしぶりがこういうことを誘発するんだろうなぁ・・とも
思います。野生動物が絶滅の危機にさらされているのだってその原因の一つが現
地の人達の暮らしにあるわけで、その辺のフォローもしないと問題は解決しない
・・。しかし欧米のダイバーの品の無さ・・というよりやはり欧米人にとっては
日本人は・・、相変わらずなんですね。
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