たるちゃん、早速お祝いのコメントありがとう!!
ほんと、支えになってました^^ 日記の更新、楽しみにしてるよ!(*゚□゚)/
六話
デパートの正面の喫茶店に入ることにした。
空いている席に着くと俺はコーヒーを、 斉藤は紅茶を注文した。
「実はな斉藤・・・」
同じ時間を暗い部屋のなか二人で過ごした事で俺自身、何か心の変化があったのかもしれない。
俺は斉藤に昨日から今日にかけての「さくら」について話した。
一緒に帰ったこと、おばさんのこと、そしてあのさくらが泣いたこと。
斉藤とさくらは真面目な性格同士だから、本当に仲が良い。
授業のあとは、みんなが騒ぐ中、二人で復習してるんだ。ちょっと真面目すぎ。。
すべてを話し終えると、ちょうどコーヒーと紅茶が来た。
「そうだったんだ・・・」
斉藤はショックを隠せないでいた。こんなに辛い顔をするこいつを見るのは初めてかもしれない。
「ねぇ高橋君、高橋君はさくらのこと好き?」
一瞬コーヒーを飲む俺の動作が完全に止まった。不意をつかれたのだ。
斉藤の目をチラッと見た。やばい。マジだ。
「お、おい。いきなりにもほどがあるぞ。ホントお前ってとうとつ・・・」
「どうなの!?」
「・・・さくらのことは、好きだよ。 でも」
「でも?」
「好きって言っても恋愛対象としてじゃない。友達、いや親友として尊敬してるんだ。」
「つまり、loveじゃなくてlikeってこと?」
「まぁ・・・そうかな。」
「そっか・・・」
この気持ちをはっきり自分で知る機会がなかったから良かったのかもしれない。
さくらは恋人じゃなくて、友達なんだ。
今、自分の気持ちをようやくはっきりと理解した気がした。
「さくらはね・・・ずっと前から高橋君のことが好きなんだよ。」
・・・え?
「でもあの子、変なとこで臆病っていうか、今の関係を壊したくない気持ちもあってなかなか想いを伝えられなかった。私にも何度も相談してきたよ?どうやったら気持ちが伝えられるんだろうって。」
俺はコーヒーのおかわりを頼んだ。
「でも、伝えなくて良かったのかもしれない。高橋君はさくらとは付き合う気はないんだよね?私、あの子の傷つく顔、見たくないから・・・」
俺らは話し終えると別れた。
まだもうちょっとブラブラしたかった俺は、川沿いの道を歩くことにした。
しばらく歩いた後、川原の土手の一番上に座り、楽しそうに野球をしている少年たちを見る。
空はちょうど夕焼けがきれいだ。
俺は斉藤の言葉を振り返った。
さくら・・・
俺にはどうしようもない。
ちょっとでもさくらを救えるならと思った。
おばさんの代わりに俺がついてるから、と胸を張って言いたかった。
だけど・・・
そうすることはいっそうさくらにとって辛いはずなんだ。
好きな人がどんどん近づく一方で、どんどん遠ざかっても行く。
そんな気持ち、耐えられる訳がない。
さくらの気持ちを俺は全然わかっていなかったんだ。
ふっ・・・ 情けない・・・
俺は・・・最低だ。
川の緩やかな流れと同様に静かに時間は流れていく。
キャッチボールをする少年。
沈んでいく夕日。
ふがいない俺の頬の水滴が、夕焼けと混ざり合った。
つづく
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