2011年09月22日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
わたくしの家は、親戚に乗っ取られかけたこともございますが、隣人に乗っ取られかけたこともゴザイマス。

ちなみに、たいした資産価値はございません。都内の庶民的な地域にある、庶民的な家でございます。
しかし、どんな些細なものに対しても、他者のものに食指を動かし、乗っ取ることに全く持って良心の呵責も悪気も感じない人間が、この世に確かに存在するのだということと、乗っ取りを画策する対象にどのように相対すべきかということを、経験からお話ししたいと思います。


正当な所有権を持つ親戚の場合は、土地や家を守るのは極めて複雑となります。
わたくしの家の場合は、父の姉(異父姉)に極めて強欲な叔母がおりました。宝塚にいた娘達を使い、金持ちの第一級設計士の家を乗っ取ることに成功していたのですが(その前には、某有名芸能人の妾の子と娘を結婚させ、某有名人が亡くなった際には財産を要求し、週刊誌の記事になったくらい強欲です)、関西に住んでいるために東京の仮宿が欲しい程度の気持ちで、わたくしたちを排除して家を乗っ取ろうとしていたのです。
しかし、わたくしの父が亡くなる少し前に、子供の頃はシスコンだったにもかかわらず一蹴してくれたお陰で、我々は今現在も今の家に住んでいられるのです。

余談ですが、わたくしの父は父親としては大変に問題のある人でした。仕事は定年退職まで勤め上げた人でしたが、重度のマザコン、アルコール中毒と酒乱とDVという崩壊家庭を作る条件の揃った人でしたが、しかし一家の主としての最低限のラインをギリギリ保った人でした。真っ当な企業を定年まで勤め上げ、金銭感覚がしっかりとしておりギャンブルや借金とは無縁、愛人など不道徳な行いを忌み嫌っておりました。そのため、父の生前はわれわれ家族は苦労をしましたが、亡くなった今となっては感謝を感じることも多いのです。
良い父親の定義からは離れておりますが、父親としての義務はきっちり果たした人だと思います。

完璧な親など、この世に存在しないのですから、ある程度年齢になったときに、自分の両親のことを客観的に「彼らも自分と同じ人間なのだ。」と認識することと、自己憐憫を棄てて「してくれなかったことではなく、してくれたことに目を向ける」ことが出来れば、年齢を重ねるごとに親への感謝は深まるものだと思います。そのほうが生きてて楽です。

私の父と母のことを見下し、いかに自分の夫が素晴らしいかを、母親に言い続けていた女性が母親の知り合いにおりました。
確かに彼女の夫はハンサムで優しくて、理想的な父親像でした。しかし彼の死後、莫大な借金が見つかり、生命保険すら解約していたのです。そのため彼女は自己破産を余儀なくされ、子供達は出て行き一家離散。今ではひっそりと暮らしております。生前この男性は、人が良すぎてお人よしで頼まれると断れず、家族に内緒で知り合いの借金の保証人を掛け持ったりしていたのです。
わたくしは、こう言った人のほうが、父親としては無責任だと思います。


さてさて。
隣人についてです。

隣人家族は、最初は理想的な家庭のようでした。
金融系大企業に勤める夫、元スチュワーデスの妻、私立校に通う子供達。
隣人として接していても、妻は庶民ばかりの近所とは意図的に付き合わず、隣人達を見下しまくっておりました。当然、わたくしの家も見下されきっておりました。
ただ、わたくしの居住地域は都心の庶民的住宅街なので、「隣人と付き合わない家」を気にしたりはしません。宗教の勧誘(エホバとか創価とか)すらも失敗するほど、「人は人、自分は自分」という気風。なので、「エリート感覚なんだなー。」とかくらいしか思わないでおりました。

しかしある日、突然そんなエリート様の家に家宅捜索が。

わたくしは子供だったので「わー、凄い。エリートになると警察の人いっぱい来るんだ。かっこいい!」とか思いました。
私の母は噂話が嫌いで、人の不幸は「明日はわが身」と考える人だったので、私や私の姉には大人の事情は何も説明しませんでした。なので家宅捜索のあとも私は気にせず、隣の家の子と遊んでおりましたし、母はその後も隣人に対して態度を変えることもありませんでした。
大人になってから、家宅捜索のあと書類送検されて会社を首になったと聞きました。金融関係の会社にいる人間としては、法律に引っかかることをしてしまったらしいです。

その後、その家の人々は全く家の外に出てこなくなってしまいました。ひっそりと隠れるように住み、出かけるときも日が暮れてからになりました。

そんなある日のことです。
突然隣の父親が、私の母になれなれしく話しかけてくるようになったのです。
「奥さんは品があるなぁ」とか「感じがいいなぁ」とか。
ちなみに隣の父親は、ものすごいハンサムでございました。そんな彼が、突然私の母に媚び、持ち上げまくってきたのです。
母は言いました。
「外見が良くてエリートだった男の人が、私みたいなのを持ち上げるわけがない。その必要がない。あるとすれば、詐欺をしようとしているのだ。」

母は現実主義です。
気が弱くおっとりした人ですが、上辺だけの甘い部分に流されるほど愚かではありません。
「甘い言葉には裏がある」が信念です。
媚びや持ち上げには適当に合わせてましたが、そのうち「今日も詐欺師に声をかけられた。」とか言い出すまでになって行きました(笑)。

やがて数ヵ月後、隣人は遂に言ってきました。
「旦那さんと一度お話がしたいんですよ。」

「来たな。」
母は思ったそうです。

「一緒にお酒でも飲みながら。」
と言ってきたそうです。

「正気か!!??」
これが、母とわたくしたちの反応。
「あの人、アル中/酒乱と酒を飲むってことがどう言うことか、分かってないよね。」
「まぁ、飲みたいってんだから、飲ませてあげればいいんじゃない?」

父に伝えると、快諾。
この人は酒飲めれば、何だって良いわけですから。
ちなみにうちの父は、某巨大自動車メーカーの営業マンでございました。
つまり、

「元巨大自動車メーカーの営業マン対元大手金融マンのバトル」

となるわけです。
胸が熱くなります。
「どっちが勝つか、ちょっと楽しみ」とか言いながら、われわれは呑気にヘラヘラ笑っておりました。だって正に「狐と狸の化かしあい」。
「詐欺をかます元金融マン程度に、父は騙されんだろう」という信頼もあったんですね。そう言う意味では、父はアル中で酒乱でしたがいい大黒柱でした。


と言うわけで、当日。

美味しいお酒と寿司を囲み、乾杯。
戦いの火蓋を切って落としたのは金融マンだった。
「いやあ、旦那さんは本当にいい男だ。前から思ってたんですよ。」
金融マンの先制ヨイショ攻撃。だが自動車メーカー営業マンはひるまない。なぜなら私の父は「俺がいい男なのは当たり前。」と思ってるから。「どこからその自信が?」と思うほど、無意味に自信満々な父でした。

「大学はどちらで?私は慶応でね。」
さりげなく「自分が上」アピールをする金融マン。その金融マンに、父は平然と応えた。
「明治大学ですよ。」
ここで母、絶句。
後に母は私に言いました。

「あんな堂々と嘘をつく人をはじめてみた。」

さすが自動車メーカー営業マン。そこに痺れる憧れるゥ!

父は青山大学出身です。


「元巨大自動車メーカーの営業マン対元大手金融マンの戦い・後半」に
続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年04月01日 07時33分13秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

dynasty2399

dynasty2399

コメント新着

びっくりしすぎて@ Re:クソ映画がやってくる!!>スカイライン。(06/05) スカイライン で検索…笑 終始「なんじゃこ…
Nokaze@ Re:春山茂雄先生の恵比寿ブエナヴィスタクリニックで脳ドック。(05/29) はじめまして。 春山先生の本を今読んで…
まちまち@ Re[40]:クソ映画がやってくる!!>スカイライン。(06/05) サキララさんへ 最後まで見た君が悪い。
しんご@ 懐かしい作品です 制作費が10億ドルで興業収入が70億ドル近…
ひろぽん@ Re:クソ映画がやってくる!!>スカイライン。(06/05) ようやく6年越しでみさせていただきました…

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: