ぱわきちレポート

ぱわきちレポート

2007.05.10
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カテゴリ: 充電の日々
運転手さん、これは、家出なんですよ、「え~!?」

私が介護タクシードライバーをしていた時、実際にあった話しです。

夜7時頃、飛び込み(予約外)の送迎依頼があり、依頼主宅へ、そこは、立派なマンションで、階段下に、おじいさんが立っている。「妻を病院まで、連れていきたいんだが、車椅子なので、玄関の中にいるからお願いします。」玄関の中には、車椅子に乗ったおばあちゃん、「どちらの病院までですか?」「・・・・・・・」(耳が遠いのかな)もう一度、「どちらの病院までですか」それでも「・・・・・・・」、まいったなと思いながら、老夫婦二人をタクシーに乗せると、孫娘らしい中学生くらいの娘さんが、「うちのおじいちゃんとおばあちゃん、どうしたのですか?」と声をかけてきた、「これからおばあちゃんを病院まで連れて行くところですよ」「そうですか」、それを無視する様に、旦那さんは、「運転手さん、早く出てください!」、「じゃあ、どちらの方角にいきますか?」「○○市方面に向かってほしい」言われるままに、発車。しばらく行ったところで、

「運転手さん、これは家出なんですよ」「え~!?」どうみても80歳以上の老夫婦だ、「お父さん、家出って言ったって、どこへ行くの?」「○○市に娘がいるのでそこに行く」「娘さん、知ってるの?」「行くとは行ってないが、居るのは電話で確認した」「大丈夫かなあ・・・・」「もし、ダメだったら、どこかホテルに泊まるから、金は持ってきてる」(オイオイ、こんな老夫婦だけで泊めてくれるとこあるかな)「じゃあ、お父さん、娘さんの家には連れていくけど、中に入るまで確認しないと私も、困るから、玄関まで付いていくよ、いいね」「大丈夫、運転手さんには迷惑かけないから」

しばらくすると、何故、家出したのかを、旦那さんは語りだす。

「私は90歳、妻は85歳、○○市で二人とも、生まれ育って、この歳になって、息子夫婦の所に住む事になったが、あそこは、私達の棲家ではない、妻とも前々から話し合って、○○市に戻ろうと計画していたんだ」

私から見れば、バリアフリーの立派なマンションであったし、おそらく、息子さんとしても、最高の 親孝行をしたはずである。

やがて、我が介護タクシーは、○○市内へ、

「あら、おとうさん、◆◆さんの家、このあたりですよ、なつかしいわあ、◆◆さんどうしているかしら?」「あの人はもう、10年前に亡くなったじゃないか」「この当たりで●●さんがお店やってたのよね」「●●さんも3年前に亡くなってるよ、お互い、長生きしすぎて、仲間がみんないなくなってしまった」「ほんとに、寂しいですねえ」

私は、この会話を聞いていて、もう、何も話しかけられなくなってしまった

娘さんの家へ到着、奥さんは、私に向かって「ありがとう、ありがとう」と、手をあわせ、拝んでくる、私は。自分の名刺を渡し、「もし、今夜、帰る事になったら、すぐ、きてあげるから、ここに電話してね」というのが精一杯であった。

念のため、もし、息子さんから問い合わせがあったらまずいので、配車係に送り届けた住所を伝え、その場を後にしたが、何やら、非常に考えさせられる仕事であった。

ご夫婦は、息子さんの親孝行も充分、分かっている事であろうし、かといって、生まれ育った土地を離れる寂しさにも耐える事にも限界を感じての行動だったのであろう。

親孝行とは何ぞや、と考えさせられる夜でした。










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最終更新日  2007.09.23 18:11:42
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