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May 11, 2020
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カテゴリ: 今日の生き物
先日「ベイツ型擬態」を紹介しました。これは、無毒など無害な生物が、有毒など有害な生物の外観を模倣することで身を守るものです。
さて、ここで一つ質問です。
この「ベイツ型擬態」が、擬態として成立するために必要な前提条件は何でしょうか?
答えは簡単です。擬態のもととなる生物が、捕食者から見て「有害だ」とすでに認識されていることです。
例えば、「ハチの仲間は捕まえようとすると、毒がある針で刺して攻撃する」と捕食者に認識させることで、攻撃を低減させます。
しかし、たった一種類のみが有害な状況を呈したとしても、捕食者全体に有害であるという認識が定着するには時間がかかってしまうと考えられます。
ここからは単純に掛け算、割り算の考え方なのですが、それでは同じような外観・色彩をもつ有毒の生物が複数いたとするとどうでしょうか?個体数がみんな同じであれば、有毒の種が2種類いれば被害を受ける率も2倍になり、3種いれば3倍になると考えるのが普通です。
実は、自然界ではこのような状況を産み出しています。
先日紹介した「フトハチモドキバエ」と今回紹介する「キイロスズメバチ」の外観は黄色と黒の縞模様など類似している点が多く、「ベイツ型擬態」の例として挙げましたが、これは捕食者にとってハチが危険だからということと、それだけ有害な種の方が無害な種より多かったということにもなります。
スズメバチやアシナガバチの仲間は、いずれも毒性が強く、刺されるととても痛いというのはよく知られていますが、見た目もよく似ています。体形やシルエットはともかく色彩や模様に着目すると非常に多くの種がこの黄色と黒の縞模様を基調としていることがわかります。
この黄色と黒の縞模様があることで、「自分たちは有毒だ」と顕示しており、いわゆる「警戒色・警告色」と呼ばれています。
前置きが長くなりましたが、このように種類が違い、それぞれの種が有毒・有害で個別に身を守ることができるにも関わらず、互いが同じような色彩・斑紋になることを、発見者であるドイツの博物学者であるヨハン・フリードリヒ・テオドール・ミューラー(Johann Friedrich Theodor Müller)にちなんで「ミューラー型擬態」とよびます。
この擬態は、ハチの仲間の他、体に毒を持つチョウであるドクチョウの仲間やマダラチョウの仲間にも見られます。
今回例として紹介したキイロスズメバチは、ケブカスズメバチの本州以南に生息する亜種で、体長17~24mmとスズメバチの仲間ではどちらかといえば小さい部類に入ります。
しかし、性格は凶暴で警戒心が強く、神経質なうえ、敵に対して執念深いため、下手に刺激すると集団で襲われえらい目に遭います。
これから出現期・活動期に入っていきますので、ススメバチの仲間はくれぐれも刺激しないで、見かけたら静かに撤退するように心がけましょう。



キイロスズメバチ Vespa simillima zanthoptera 膜翅目(ハチ目)スズメバチ科 2017年7月25日 神奈川県川崎市宮前区初山1丁目 生田緑地





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Last updated  May 11, 2020 11:00:13 PM
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たつお@ Re:マボロシハマグリ(10/12) メキシコ西岸はカリブ海ではありませんよ
長谷川 純@ Re:モクズガニ(04/16) 昭和30年代に調布の野川でモクズガ二が取…
yago@ Re:オオコノハギス(05/26) 開張なら20センチを超えますが、頭の先か…
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