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ウチで飼っているウェルシュコーギーのポー部長は、毎朝6時になると、ハハに散歩に連れて行ってもらうのが習慣となっている。コースも決まっていて、ウチから歩いて5分くらいの場所にある海岸線に出て、波打ち際を延々と歩き、30~40分くらいかけて帰ってくる。 昨日のように嵐で海が時化ると、翌日は、海岸に色々なものが打ち上げられている。本来なら少し沖の砂の中にいるはずの貝とか、小さな魚とか、カニとか、韓国からの漂流物とか。地元の人はそういうことをよく知っていて、だから台風の次の日は、朝早くから、海岸線が貝拾いの客でにぎわう。 そこで今朝、ハハはちょっと変わったものを見つけた。大きな鳥の雛だ。長いくちばしに、ニワトリほどもある茶色い体。結構ぐったりしていたが、近寄ると威嚇してよろよろと逃げる。側には他の人も結構たくさんいたが、みんな目先の貝を拾う事に必死で、明らかに怪我をしていると思しき謎の鳥には知らん顔である。結局、ポー部長の散歩中だったこともあり、ハハはその場を後にした。 それから数時間後のこと。思い出したように、ハハがその話をした。「みんなぜんぜん構ってあげなくてねえ。あの子は大丈夫だったかしら」「はああ!?(-"-;)」おいおい、どうしてそんな大事なことを早く言わないの!ヽ(`Д´)ノ だいいち、自分だってほったらかしてきたんだから、人を非難する言われはないっつーの! 福岡は台風一過の晴天で、外は焼け付く暑さである。ハハが朝方の砂浜でその鳥を見つけてから、すでに4時間が経過している。遮る物のない砂浜は、フライパンそのものだ。だいたい、その鳥はどこかの巣から風で飛ばされたのであろうから、それを計算に入れると、おそらく昨日の昼に地面に叩きつけられてからずっと風雨に晒され、一晩たって、今度は炎天下に放置されていた事になる。衰弱している事は間違いない。 はたして今から行って間に合うかどうか。内心ちょっと諦め気味になりながら車を飛ばして海岸に向かった。ハハが言っていた場所に、鳥はいなかった。自力でどこかへ行ったか、あるいは誰かに拾われたか。死骸が転がっていることを覚悟していた僕は、最悪のケースは免れたので、少しホッとして車に戻ることにした。が、その時視界の端に、海岸の駐車場わきで、青いプラスティックのバスケットの中にうずくまっている、鳥の雛が入ってきた。いた!ハハが言っていたのは、こいつに違いない。 慌てて走っていくと、バスケットの横には見知らぬ老夫婦が立っていて、ご主人の方が携帯でどこかに連絡を取ろうとしていたところだった。 「あら、この鳥、お宅で飼われていたのですか?」奥さんが声をかけてくる。違うって( ̄▽ ̄;)、こりゃどっから見ても野生のトンビの雛である。「いえ、違います。ただ、ウチのハハが朝ここで見かけたといっていたので、気になって来てみたんですが…」「そうなんですか。なんだか弱ってたんで、可哀想になって拾ったんですけど、どうすればいいか分からなくて、いま警察に電話しようとしていたところなんです」得体の知れないデッカイ鳥の雛を、あのカンカン照りの砂浜から救出してくれただけでも、十分善い人たちである。むしろ、早朝から今までの数時間、誰も手を差し伸べてくれなかった事が、この雛にとっては不運だった。 雛の様子を見ると、もはや手を出されても威嚇すら出来ず、今にも目をつぶりそうだ。いかん、さっき聞いた話とはだいぶ様子が違うではないか。衰弱が激しい。脱水で完全に死に掛けている。はっきり言って、ここで警察が出て来たって何の解決にもならないので、とりあえず引き取る事にした。 野生動物の保護と言うのは、なかなか厄介である。まず、ある程度まで育ってしまった動物は、人間の与えるものを食べようとしない。警戒心を剥き出しにして威嚇し、下手に近寄ろうものなら噛み付かれてひどい目に遭う。それに、病原体や寄生虫を持っているのが常なので、仏心を出してうかつに触ると、後々良くないことが起こることも多い。アリゾナで野生のリスを捕まえた人が、その身体に寄生していたダニに噛まれ、数日後に高熱を出して死亡した例だってある。ナウシカは運が良かったに過ぎない。 傷ついた野生動物が助かるケースというのは、だから意外と少ない。1.発見が早く、2.怪我や衰弱が致命的ではなく、3.幼い固体であれば、命を永らえる可能性がある。 今回のように野鳥の場合は、極端にストレスに弱く、心因性のショック死を起こし易い事も注意しなければならない。さっきまでバタバタしていたのに、動物病院に着いたとたんに、ぽっくり逝ってしまうことも珍しくない。傷ついた野鳥を保護したときは、あくまでも鳥にとっては人間に触られる事そのものが異常事態で、高いストレスになるという事をわきまえた上で、急激な血圧の降下を防ぐために、とりあえず砂糖水を作ってスポイトで飲ませ、血糖値を上げてやった上で、暗い箱の中に入れて落ち着かせ、急いで動物病院に連れて行くのが良い。動物病院が近所にない、あるいは費用を負担したくない場合は、一番良いのが動物園に持っていくことである。動物園には、鳥獣保護センターが併設されている事がほとんどなので、野生動物の保護にはむしろうってつけである。これなら、後々の面倒に気を煩わせる事もない。 さて、家に連れて帰ってきたとき、トンビの雛はほとんど死に掛けていた。とりあえずマニュアル通りに糖分の高い液体を作って飲ませ、入れている箱を暗くした。しかし、衰弱の仕方はただ事ではなく、やはり状況は厳しかった。気になったのは、ダニのような寄生虫が羽根の表面に浮いてきていた事だ。野生動物に寄生するこれらの虫は、宿主が瀕死の状態になると、その体温の低下を敏感に察知して、離脱を始める。彼らにとって、宿主の死はそのまま自分たちの死でもあるので、一刻も早く次の宿主を見つけなければならない。 そこで、彼らは死に行く動物の表面に上ってきて、毛の先で思い切り前足を天に突き出して、次の動物がやってくるのを待つ。死肉に近寄ってきた動物に、素早く取り付くためだ。 今、このトンビの雛は、まさにダニたちに見捨てられようとしていた。この状態になってしまうと、もはや治療法というものはなく、後は奇跡的な回復を待つだけだ。30年以上色々な動物と付き合ってきたが、ここから蘇った例は、残念ながら今まで一度しか見たことがない。 出来るだけのことはして職場に戻ったが、今も気になって仕方がない。今日、何とか持ち直してくれれば、明日は鳥獣保護センターに連れて行ってやれるのだが… 今回ばかりは、つくづく、ハハの初動の悪さを恨んでしまうのであった。これでは、助かる命も助からない。
2004.08.31
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本日の走行距離 19.7km 積算距離 629.6km エンゾーまたまたやらかしました。ライカにプロビア100Fを詰めておいて、ISO400設定で全部撮りきりました。意図せずして増感する羽目に。DXコードの自動読み取りに慣れてしまうと、こういうチョンボをしでかします( ̄▽ ̄;)。 いつも行くカメラのキタムラの窓口で、増感をお願いしようとして、一瞬何段分増感すれば良いのか分らなくなり、店員さんと「えーと、100を400で撮ったってことは・・・」「2段増感・・・で、いいんすよね・・・たぶん」二人そろって自信なさげなトーク(^_^;。 すると奥からベテランの店員さんがやってきて、「そういう時は、そのまま『100を400で撮りました』と指示書に書き込んだほうが、下手に『2段増感』とか書くより正確ですよ。慣れた人ほど間違いますので」と教えてくれました。なーるほど。 つーか、暗い室内でも1/500が使えていた段階で気づけよ、俺…あ、でも一度撮り始めたら、最後まで全部間違った方がまだマシなのか?
2005.06.13
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なんだかんだ言って、もう4ヶ月もギャラリーを更新していません。そろそろストレスが高まってきました。いえ、カメラで写真は撮っているのですが、ここ何ヶ月か、メモ的なものばかり撮っていて、ストリートスナップからはとんと遠ざかっています。 ここのところプライベートな写真が多かったこと、週末が結婚の準備で忙しくなってしまったこと、病気がちで自転車にも乗れないことなど、それなりに理由はあるのですが、山のように機材を持ち腐っている男にとって、やはりギャラリーを更新できないのはツライです・・・(-"-;)いろんな意味で。薬疹や風邪が全快して、グーワタナベからENZZOバッグが届いたら、思いっきりポタリング&スナップしてやる(T-T)!と心密かに誓っているエンゾーなのでした。つーか、早く治ってくれ。まったく。筋トレも出来んわ。そうそう、ポタリングと言えば、前からやるやると言っておいて一向に始まらない「ポタリングマップ」。ついつい通勤路の往復ばかりになってしまい、なかなか目的の場所にいけないままズルスル先延ばしになっていましたが、最近になって、だんだんやりたいコンセプトが明確になって来ました。どうも、福岡市内の雑貨屋さん&飲食店巡りになりそうです。 相方が自転車に上手に乗れるようになったら、週末はぶらぶらしようかな。
2006.01.21
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今日は、式の会場に選んでいるホテルでブライダルフェアがあり、引き出物屋さんや貸衣装屋さんから会場を彩る花屋さんまで、ありとあらゆるウエディング系の業者が一堂に会し、式が目前に迫ったカップルたちと大商談会を繰り広げていました。 エンゾーと相方もあちこち奔走したのですが、例えば装花の見積もりを取るだけでも打ち合わせに2時間を要し、まさに体力勝負の持久戦となりました。その中で、印刷業者の綺麗なおねいさんと配席表のデザイン選定を行っている時のこと。「お式はいつですか?」「4月8日です」「はい、土曜日ですね」えっ、カレンダーもないのになんで分るんだ?(-"-;)。日にちしか言っていないのに、曜日まで即答され、内心びっくりしました。さては、素数を1000桁までそらんじるような天才か!?不思議に思い、そのことをつい口に出して尋ねたところ、おねいさんは照れ臭そうに笑って、小声でこう言いました。「実はですね・・・ここだけの話、わたしも同じ日に結婚するもので(^_^;」その後、詳しい話になるにつれ、共通点が多くて驚くことになります。結婚するお相手の年齢がエンゾーと同い年だったこと、飼っている犬がエンゾーと同じウェルシュ・コーギーだったこと。いやあ、世の中狭いですねえ( ̄▽ ̄;)。 あまりに話が盛り上がったので、おねいさんのサービスで、配席表にポー部長の写真を小さく入れてもらえることになりました(^_^;
2006.01.22
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ここのところ、ヤフオクでFM3Aの出品が激増しています。少し前までなら、シルバーが4~5万円台、ブラックなら5~6万円台が相場でしたが、FM3Aディスコン・ニコンの銀塩縮小・ZFマウントの登場などなど、FM3Aが値上がりする要件が次々に発表され、「今が売り」と判断したユーザーが一斉に出品している模様です。現に、落札価格をチェックしてみると、人気のブラックに至っては8万円前後で取引されていて、その加熱ぶりがうかがえます。 しかし、このタイミングでFM3Aを入手しようとするユーザーって、どういう写真歴の持ち主なんでしょうかね。ちょっと興味があります( ̄▽ ̄)。 1.今まで気になりつつも、表向きは全く興味のないフリをしてきたツァイスの レンズが、なんと我がFマウントで出ると聞いて魂を売りそうになっている、 生粋のニコンユーザー。 2.レンズに惚れ込んで長年ツァイスを使い続けてきたが、しょっちゅう壊れる ボディに業を煮やしていたコンタックスユーザー。ニコン&コシナコンビなら、 メンテは当面安心そうだし。 3.あのニコンとツァイスが同じボディで使えることに隔世の感を感じる、往年の カメラファン。銀塩時代の終末に咲いた仇花を、記念に買っておきたい。 4.ブランド信奉は筋金入り、ツァイスと聞けば入れ食いのエンゾー系マニア。他にはどんなパターンがあります?( ̄▽ ̄;) ところでZFマウントへの期待感は、先に出たZMマウントの品質の高さに、かなり影響を受けている気がします。好みの分かれる外観はともかく(笑)、こと描写に関しては、ZMマウントの各レンズで悪い評価をほとんど耳にしません。後は、コシナが作っていることに対する心理的な割り切りをどうつけるか。ZMにしろZFにしろ、コシナツァイスに手を出すかどうかは、その辺にかかっているような気がします。 お前はどうなんだって?エンゾーは好きですよ、コシナ( ̄▽ ̄)。
2006.01.23
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