NHK のプロフェッショナル仕事の流儀で藤原竜也さんが取り上げられていました。かつて中学生だった時に今は亡き蜷川幸雄さんに見出されて初舞台を踏んで以来、ずっと舞台人であり続ける人材、小栗旬さんとまた違う存在感です。蜷川幸雄さんが彼に常に言っていたのが今に満足するなかれ、自分を破壊して再生を繰り返して行くことだそうです。厳しい指導を受けてきて、その存在が無くなった今、さて解放感があるのか、心配なのか?実際は両方のようです。師弟関係とは一生続くもので、弟子が一人前になってもやっぱりその行く末を案じるし、弟子もいざ本番の前にやっぱりアドバイスが欲しいと足を運んでいくこともあります。独り立ちしたいと思ってもできないともがくこともあり、呪縛のように縛られていているように感じることもあり、師匠は自分でやれとあえて突き放して行くタイミングを図ると思われます。私も亡き恩師からどこで独り立ちしたか?というととりあえず自分の生徒を持って発表会をするようになり、リサイタルを開催できるようになってからかもしれません。でも頭の片隅に、先生ならどんな風に弾くか、どんな音を出すか?と思うことがあります。だからきっと師弟関係は一生続くのでしょう。