Fastest Lap

Fastest Lap

July 29, 2008
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カテゴリ: Super GT
 またしても文字数オーヴァーなので2つに区切ります。
 いつもこんな長文ものばかりで申し訳ございません。

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 今季のNSXは厳しいですね。
 18号車TAKATA童夢NSX以外はノー・ウェイトに近い状態にも関わらず2007年モデルのような切れ味は見せられずにいます。一方、今回ポール・トゥ・ウィンを果たした18号車が50kgというウェイトを積んだ状態でここまで走れたのはなぜなのか?理由は案外単純なものです。
 NSXは元々07モデルがライヴァル陣営よりも抜きん出ていたので08年当初から50kgの性能調整を積まされることが決定していました。ところが蓋を開けてみるとGT-Rがことのほか速くレースが成立しないためNSXとSCの性能調整をさらに調整して軽減しました。これによってNSXは物理的には軽くなったものの積む予定だった50kgを含めてパッケージングやレイアウトのアジャストを行って組み上げられたため、それを下ろして良いですよと言われるとバランスが崩れ総体的にはパフォーマンスが落ちるというジレンマに陥っています。
 小暮君がポールを叩き出し、ラルフのプッシュを凌げたのも18号車は50kgを積んでいて、1号車は積んでいなかったからに他なりません。ここまで書いてもピンと来ない方がいらっしゃるかもしれませんのでクラリファイすると要するにNSXは50kgのウェイトを積んだときに理想的な運動性能を発揮するように作られているということです。ですから18号車のほうが安定していたわけです。
 今回のSUGOの結果だけでNSXがウェイト積んでいても速いなどと思われて再度性能調整される事態になるともうレースはできなくなります。NSXが50kg積んでもそこそこ走れたのはこういった理由によるものです。一方でウェイト0kgや10kgっというNSX勢が情けないほど低迷しています。これは積んでいた性能調整を下ろし重量バランスが崩れたことでマスが変化し、ロールセンターなど重心位置変化に伴う弊害が克服できていないことを示しています。
 これはGT-Rにもいえることです。GT-Rも積まされた性能調整を技術的な部分で消化できずに低迷しています。もともとGTの歴史の中でNSX以外のクルマで速すぎるからという理由で性能調整を課されたのはマクラーレンF1ぐらいでトヨタやニッサンは庇護されたレギュレーション下でぬくぬくとやってきたほうなのでウェイト対応策や技術に関してはホンダより遅れているでしょう。
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 速いマシンを作ることはできてもウェイト積むとヘロヘロになるのは何も今回のGT-Rに限ったことではありません。R34GT-Rの後期モデルから前面投影面積の削減や、フロント・フード位置を下げる工夫を施し低重心化やロールセンターの最適化のアジャストなどに尽力していますが毎年NISMOのマシンを見ていると思うのが低重心化とマスのバランスや落としどころをどのように決めているのか疑問に感じる点が多々あります。
 例えばマスにしろロールセンターにしろエアロ・エフェクトが80%以上の領域と50%未満の領域では運動性能に及ぼす影響が変動します。さらにGTの場合はウェイトを積むので積んだウェイトに応じても可変します。そのなかで最適化、あるいは落としどころを探らねばならないのですが昨年のZにしても今季のGT-Rにしても一番いいところのパフォーマンスと、厳しいところのパフォーマンスに開きがありすぎるきらいがあります。このあたりに関してはトヨタも似たような傾向にありますがトヨタのマシンの場合はドライヴァーのスタイルとのマッチングがより重要になるだけにニッサンと同じ尺度で評価はできません。
 ドライヴァーのマシンへの順応性が高くなればなるほどSCのポテンシャルを引き出せるようになりますがドライヴァーの間口が狭かったり、奥行きが十分ではないと立ち上がりや直線オンリーのマシンになってしまって十分な速さを発揮できずに終わります。こういった部分から、今季では38号車の立川君やリチャード、36号車の脇坂君やアンドレは他のSCとは違ったパフォーマンスを見せることができていると考えられます。他の陣営は救済が得られたときのチャンスを活かさないと勝負にならないほどSCのピーキーな性格を克服できていません。

 こんな状況ですので今季のタイトル争いは混沌としています。ですが敢えて僕なりの展望を書かせていただければGT-Rのタイトル獲得は厳しくなったような気がします。
 残っているラウンドでGT-Rとの相性が良いのは次戦鈴鹿ぐらいです。もてぎ、オートポリスは現在GT-Rが抱えている課題を全てクリアできたとしてもギリギリでスーパーラップに進出できるような状態にしかならないでしょう。最終戦の富士は昨年と今年のGWの第3戦を見ても解るように圧倒的にトヨタ勢が有利ですからいくらGT-Rといえどウェイト積んだ状態でガチンコ勝負すれば富士での勝ち目は乏しいと言わざるを得ません。
 次戦鈴鹿は1000kmという距離で争いますから勝ってウェイトを積んでいる状態の22号車、23号車、24号車は鈴鹿では目がないといっても過言ではありません。あとは比較的軽い3号車か12号車が援護するために鈴鹿を獲るという選択肢です。しかしながら、今回SUGOを見て感じたのはこの傾向だと昨年の1000kmのZと同じように路面温度がカンカンに上がったときのGT-Rのパフォーマンスは期待できないような気がします。確かにマレーシアでは22号車と24号車が首位争いを展開していますがそれはライヴァル陣営の不手際やミスに助けられた側面も少なくありません。ADVANを履いた24号車は暑い中でも走る可能性が高いですが岡山国際の涼しい頃と違って真夏の鈴鹿は誤魔化しがききませんから、ライヴァルが自滅してくれない限りウェイト積んだ重いままでの連勝はGT-Rにはないでしょう。
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 続いてトヨタ勢。38号車は今回3位表彰台を獲得したのでウェイト増えますがドライヴァーは2人とも折り紙つき。マシン・トラブルさえなければ最終的にはポイントを獲得すると思いますがGT-Rと同じように軽いクルマがトラブルで消えない限り表彰台は微妙でしょう。ただ昨年の36号車のバクチのようなこともあるので1000kmは読みきれないでしょう。
 続くもてぎ、オートポリスは旋回性能やブレーキ性能などの能力が高いクルマが有利になるのでNSXがかなり有利になります。特に鈴鹿の1000kmで入賞し、ウェイトを積んでくるティームはさらに有利になるのでもてぎ、オートポリスは1号車、100号車、32号車の奪い合いになることが予測されます。
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 そこにトヨタ、ニッサンがどこまで食い込めるか?ですがトヨタは38号車が本命。36号車は1000kmの出来次第でしょう。36号車が1000kmで38号車よりも順位で下回ることになれば積極的にオーダーを出すトヨタの中ではチャンピオン争いの権利を弱めることになると思います。
 ニッサンは前半勝ちすぎたウェイトを効果的に下ろすことができないばかりか調子に乗りすぎて?開発が立ち遅れている感が拭えません。これ以上のヴァージョン・アップは今季は不可能だと思われます。これはニッサンがやってないという意味ではなく、効果が期待できるヴァージョン・アップを短時間で的確にこなしすべてで狙ったとおりの効果が出せるわけもないので今季は頭打ちの状態に近いという意味です。今季投入した新型車両ですから尚更です。
 だからといってホンダ勢が有利かといえばそれも違います。18号車のTAKATAはもう正直なところ、よほどのツキや運がなければ優勝争いは無理です。ポディウムならば狙えると思いますが・・・。
 もし1号車や32号車、100号車が1000kmをフルマークし、もてぎで運を味方につけて連勝するようなことがあればタイトル争いはまだまだ解りません。特にもてぎをホームコースのように得意としている100号車などは侮れません。
 というわけで僕が予想する今季スーパーGTのタイトル候補は第5戦終了時点では本命18号車。対抗は38号車と36号車でホンダ勢ではありません。大穴に挙げるのは22号車、23号車のGT-Rではなく、鈴鹿1000kmのウィナーを挙げます。ここの勝者がもしNSX勢の1台ならタイトル争いの主導権を握る可能性さえあります。無論ここでGT-R勢やSC勢が獲る可能性もありますが暑くなったらFRは不利。雨が降ったら36号車濃厚ですが時折チョンボもあるので鉄板とは言えないでしょう。
 いずれにせよタイトル争いでのNSXの強力なライヴァルはGT-Rではなく36号車と38号車です。この2ティームはドライヴァーはもちろんのこと総合力の高さが侮れません。この2台は間違いなく最終戦までタイトル争いに残るでしょう。


~2~に続く







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Last updated  July 29, 2008 03:19:12 PM
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