思えば遠くへ来た私

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兎遊月子

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January 3, 2007

最近うちのチチが不良化している。

これまでやったことのない悪事に次々と手を染めているのだ。

リビングのテーブルに上ったり

キッチンの流し台に入り込んだり

娘や息子のベッドの上で飛び跳ねたり

その悪行は目を覆うほど。

一体なんでこんなことに！？

なんて考えるまでもない。

隣のアルチュールのせいである。

隣のデブ猫アルチュールの影響で

うちのトラ猫チチがこんないたずらをするようになってしまったのだ。

そしてついに今日

うちのチチが、

台所の流しの下にあるドアを開けて

中に置いてあるゴミ箱をひっくり返すと言う惨事が起きた。

見つけてすぐに追いかけて蹴っ飛ばそうとしたが

さすがの私も猫の素早さにはかなわず。

復讐を遂げることなくゴミを集めるこのむなしさ。

実際これまでのチチは

こんな悪さはしたことがなかった。

夕食時に食べ物の匂いにつられて

テーブルに前足を伸ばして来ることはあっても

テーブルに上がるなんて行儀の悪いことはしたことがなかった。

が、

隣のデブ猫は違う。

奴は自分の家でもないのに

うちではやりたい放題やってくれる。

ゴミ箱をひっくり返すなんて朝飯前。

食事の用意をしている時にキッチンから離れた隙に

まな板の上の鶏肉に食らいつこうとしていたこともあった。

その時は未遂に終わったので

それ以来、

奴の好きそうな食材を扱っているときは

出来るだけ目を離さないようにしている。

どうしてもやむを得ない場合は

フタをしたり冷蔵庫に戻したり

色々努力をするはめになり

それも結構うっとおしい。

奴さえいなければこんなことはしないで済むのに！！

と思っていた矢先

うちのチチまで不良猫アルチュールの真似をするようになってしまった。

現行犯で見つけたときは

出来るだけ罰を与えるようにしているが

やはりのろまな私と違って

猫は敏速なので

私の怒鳴り声がむなしく部屋に響き渡ることもしばしば・・・。

動物に罰を与える時には

その場で怒らないと効果はないと言う。

後になって怒ったって

彼らにはなんで怒られているのかわからないらしい。

なので、

ほとぼりが冷めた頃戻って来たチチに恨みを晴らすこともできず

そのため猫達も一向に学ぶことなく

毎日がむなしく過ぎていっている今日この頃。

やはり

付き合う友達って大事だな。

子供はもちろんだけど

まさか猫の友達の心配までするようになるなんて

これまで思った事もなかったわ。

アルチュールは一人暮らしのおばさんに飼われていて

一人息子のようなので

飼い主の家では好き放題やらせてもらっているようだ。

まさかそのおばさんに

「お宅の猫が不良で

　うちの猫に悪さを教えて困る」

なんて文句を言う訳にもいかないし。

もうホントに

どうやってこの猫達に対処して良い物やら・・・。

今日は家を開ける時には

ゴミ箱が入っているドアの前に

イモを入れてる重い籠を置いて

猫達の悪さを阻止したが

これが毎日続くと思うと

もう本当に困ってしまう。

・・・一体どうしたら良いものでしょうか？

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