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『驚異のバクテリア』
<『驚異のバクテリア』>
図書館で『驚異のバクテリア』という本を手にしたのです。
ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智博士が、常に細菌採取用のビニール袋を準備して出歩いているとか・・・また、発酵食品は麹菌のおかげとか・・・
このニュートンムックは興味深いのでおます♪
【驚異のバクテリア】
ムック、ニュートンプレス、2016年刊
<商品の説明>より
大腸菌やビフィズス菌などの「細菌」,細菌によく似て極限環境に暮らす「アーキア」,酵母やこうじ菌などの「菌類」など,顕微鏡を使わなければ見えない小さな生き物「微生物」たちの驚異の生存能力や,それらが私たち人間の健康や産業にあたえる影響などについて,あますところなく紹介した一冊。
<読む前の大使寸評>
ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智博士が、常に細菌採取用のビニール袋を準備して出歩いているとか・・・また、発酵食品は麹菌のおかげとか・・・
このニュートンムックは興味深いのでおます♪
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驚異のバクテリア
日本の味に欠かせない麹菌を見てみましょう。
<味噌や醤油、酒の醸造に欠かせない麹とは?>よりp144~145
日本食の味を決める、味噌や醤油、日本酒や酢にみりん。これら食卓に欠かせない調味料には、かくれた共通点がある。それは、必ず「麹」が使われていることだ。
また最近、食材のうまみや甘みを引き出す「万能調味料」として注目を浴びている「塩麹」は、漬け物の「浸け床」として昔から使われてきたものだ。このような伝統的な発酵食品に欠かせない麹とはどんなものだろうか。
■麹とは、カビが生えた穀物
麹とは、蒸した穀物に、酒などの醸造に役立つカビ(糸状菌)を生やしたものだ。そのカビは「麹菌」、あるいは「コウジカビ」と呼ばれている。
麹は、麹菌を生やした穀物の種類によって、米麹、麦麹、豆麹などと呼びわけられている。
■穀物を溶かす酵素の宝庫
麹には、穀物を分解するさまざまな種類の酵素(タンパク質の一種)が、数多く含まれている。酵素によって、穀物の成分であるデンプンは糖に、タンパク質は、うまみ成分であるグルタミン酸などのアミノ酸に、脂質は脂肪酸とグリセリンに分解される。
この酵素は、麹菌の菌糸(糸状の細胞)の先から出したものだ。麹菌はみずからの繁殖のために酵素を出して穀物を分解し、そこからでてきた成分を栄養源とするのだ。
■麹が「おいしさ」のかなめ
(中略)
■東洋の文化、麹
麹の文化は、東アジア特有のものだ。たとえば中国では紹興酒や老酒、韓国ではマッコリが、麹を使ってつくられている。一方、西洋では、穀物の分解に微生物を用いず、大麦の種子を発芽させた「麦芽」が使われている。麦芽が酵素をつくり、デンプンなどを分解するのだ。この麦芽からつくられるのがビールだ。
麹は、穀物だけでなく肉や魚介類もやわらかくし、うまみのもととなるアミノ酸をつくる。また、麹からつくられた糖分はすっきりとやわらかな甘みでおいしい。麹からつくる甘酒は、消化によい栄養補給源としてもおすすめだという。
日々の食卓で麹を使ったおいしい食材をいただきながら、大事に育まれてきた麹菌に思いをはせるのもよいだろう。
(追って記入予定)
照葉樹林帯といえば、発酵食品の一大産地として知られていますね。
納豆系、乳酸系など発酵食品も大使の大好物でんがな♪
東アジアの食文化探検
より
<納豆・発酵酒・ナレズシ>
p117~122
人間とは、勝手な動物で、同じ微生物によるエネルギー獲得手段を、その産出物が有用な場合には「発酵」と呼び、有害な場合には「腐敗」と呼んでいる。また、同じ人間であっても、かつての日本人は、欧米のチーズを食べられないとし、欧米の人たちは、味噌や塩辛を食べられないとした。発酵食品の価値や好みは、文化によって異なるといえよう。
納豆は、断るまでもなく日本にはあるが、インドネシアのジャワにも「テンペ」というものがあり、朝鮮半島にも、「チョンクッジャン」という日本の糸引き納豆と同じようなものがある。
中国では、かつては今以上に広域に分布していたと思われるが、現在では、西南中国の照葉樹林文化色が、まだ濃厚にある地域ぐらいにしかみられない。納豆菌によるのでなく、カビで発酵させる、日本の浜納豆に近い「豆鼓」なら、漢族の多くも親しんでおり、広域に分布している。
ちなみに、先に述べたジャワの「テンペ」も、カビによるものであった。しかし、雲南のタイ族の納豆は、納豆菌によって作られているけれども、糸を引かない納豆だという意見がある。だが、それは、西双版納の納豆だけしか知らない者の意見である。同じ雲南でも、徳宏のタイ族の納豆は、隣接するビルマの糸引き納豆と同じように、糸を引いているのである。
ところで、微生物の発酵による酒は、世界のあちらこちらにあるけれども、カビによる発酵酒は、東アジアのものである。かつての朝鮮半島には、さまざまな酒があったけれども、日本の植民地時代になると、いわゆるドブロクの「濁酒」と「薬酒」のような庶民の酒を除き、もっぱら日本人の好むビールや日本の清酒だけが有利な税率となったので、他の伝統的な酒類は、今となっては口伝によって知られるのみになったそうである(鄭大〇氏による)。
(中略)
次は、アルコール発酵から離れ、乳酸発酵のナレズシに言及しよう。
日本では、現在あまり知られていないナレズシであるが、滋賀県の「フナズシ」は、まだ健在である。ニゴロブナと呼ぶフナの内臓を除去しただけの、まるのままのフナを、4,5月ごろ、塩漬けにし、土用に入ってから、米のご飯と交互に桶に入れ重石をして数ヶ月置き、乳酸発酵させたものである。
このスシの源流であるナレズシは、日本では、フナズシと、ナマズやドジョウのそれがあるぐらいになってしまった。しかし、西南中国や華南の少数民族間では、淡水魚類のナレズシだけでなく、ニワトリや豚、あるいは野生鳥類のそれもあり、植物性食品にまでも応用されているのである。
雲南省のタイ族の魚のナレズシ、貴州省のミャオ族の魚と豚のナレズシ、広西チワン族自治区のヤオ族の野生鳥類のナレズシなどがあるが、広西の三江トン族自治県は、魚、ニワトリ、アヒル、豚から、さまざまな野菜にいたるまでのナレズシを作っている。
日本人が育てた塩麹はいろんな歴史的食材を生んだが、その中で京都で食べられた塩鯖を見てみましょう。
鯖街道マップ
より
鯖街道
若狭から京都へ至る多数の街道や峠道には、本来それぞれ固有の呼び名がありますが、近年、運ばれた物資の中で「鯖」が特に注目され有名になったことから、これらの道を総称して「鯖街道」と呼ぶようになりました。
若狭から運ばれた鯖が京の都に着く頃には、ちょうどよい塩加減になったと言われ、京都の食文化の中に今も若狭の魚が生きています。なお、若狭の鯖は遠く兵庫県の篠山までも運ばれていました。
マルコメのサイトで「味噌の種類と地域性」を見てみましょう。
味噌の種類と地域性
より
南北に長いその地形や、気候によって日本全国各地で味噌の種類も様々です。
北海道では赤い色の中辛口味噌が主流で、仙台では仙台味噌と呼ばれる伊達政宗時代より引き継がれている赤色辛口味噌が有名です。
味噌の原料となる穀物も全国的に「米」が使われることが多いものの、中部地方では「豆」、九州や四国の一部の地域では「麦」が使われています。
ところで、小泉武夫著『発酵する夜』という本が面白いのでお奨めです。
発酵する夜1
発酵する夜2
発酵する夜3
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