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エッセイ「はみ出し銀行マンの御子様教育」(横田濱夫)を読みました。 「“偏差値七十”の世界で繰り広げられる野望と差別と根回し。学歴重視の環境にある銀行業界。はたしてそのエリート銀行マンの御子様たちは優秀なのか? 大手銀行勤務の「人事評価特A」のエリート行員が暴露した銀行員の御子様の生態!金融業界のさまざまな問題点を批評した超激辛エッセイ。」口は悪いけど、割と面白い。筆者はこんな内部告発?めいたことを言いながら、銀行を勤めあげたのかな?横田濱夫を調べたら、やはり辞めてたのですね。「1958年、東京生まれ。1981年に中央大学を主席で卒業後、横浜銀行に入行。銀行の内幕を暴露した『はみ出し銀行マンの勤番日記』を出版し40万部を超えるベストセラーとなる。銀行を退行後は専業作家として2007年ごろまで活動。」ごますり男の息子は小学生にしてごますりになるのかな?・・・そんなのを読んでると哀しくなりますね。エリートになれと強制され、脱落していくというのも淋しいしね。銀行は、東大にあらずんば人にあらずというくらい究極の学歴社会らしいから、ますます子どもにも高学歴を望んでしまうのかもしれないけど。
2017年09月23日
車中で、「ルポ14歳消える少女たち」(井田真木子)を読み終わりました。援助交際や薬物などに軽い気持ちで近づき、引き返せなくなってしまう少女たち。筆者自身、幼い頃の性的虐待からアルコール依存症になった経験があり、少女たちに寄り添った取材をしている。惹き込まれ、考えさせられてしまいました。
2017年09月15日
小説「幼児狩り・蟹」(河野多恵子)を読みました。幼児誘拐・夫婦交換に至るまでの異常心理を淡々と描いている。これが1962、3年頃に女性によって書かれているのも驚き。人間の内面にはこういう心理もあるんだよなと感じさせられた。
2017年09月04日
小説「幸福な朝食」(乃南アサ)を読みました。息苦しくなるほど濃密な狂気の心理描写。引き込まれてしまいますね。夢の為に堕胎したトラウマか、狂おしい母性が哀しいです。
2017年08月29日
明日、城崎温泉に宿泊するので、小説「城の崎にて」(志賀直哉)を読んでみました。短編で、小動物の生死の観察から、自分の生死も見つめてましたね
2017年08月21日
電車内でエッセイ「なぜ子供のままの大人が増えたのか」(曽野綾子)を読みました。「「受ける」より「与える」ほうが幸いである」(2005年刊)の改題,再編集。引用「大人になるということは、今日から、その人が受ける側ではなく与える側になった、ということだ。逆説的だが、人間としての義務に縛られてこそ、初めて凧は悠々と悲しみと愛を知って空を舞う。凧の糸は、失敗、苦労、不運、貧乏、家族に対する扶養義務、自分や家族の病気に対する精神的支援、理解されないこと、誤解されること、などのことだ。それらは確かに自由を縛るようには見えるが、その重い糸に縛られた時に、初めて凧は強風の青空に昂然と舞うのである。」私はまだまだ大人になりきれてない子供だなあと痛感してしまいました・・・戦前に戻る感じの精神論のような気もしたけど、クリスチャンとしては共感するところもある。「平和は善人の間には生まれない、とあるカトリックの司祭が説教の時に語った。しかし悪人の間には平和が可能だという。それは人間が自分の中に充分に悪の部分を認識した時だけ、謙虚にもなり、相手の心も読め、用心をし、簡単には怒らずとがめず、結果としてかろうじて平和が保たれる、という図式になるからだろう。」今の北朝鮮やアメリカは悪人だと思うけど、だからこそ平和が成り立ってほしいと思いますね。
2017年08月13日
小説「ボクの憂鬱 彼女の思惑」(堀田あけみ)を読みました。 内容:ボクは山中美奈、十八歳。四人姉妹の三番目。女の子なのに自分のことを「ボク」ってよぶのは、ボクが一卵性双生児の片割れだから。いつも隣に、同じ顔をして同じ服を着てお揃いのリボンまでつけた妹の美穂がいるという状況では、ボクが自己主張しなければボクはボクとして認めてもらえない。で、「ボク」とよぶことにしたのだが、ボクの前に予備校生の本多が現われて…。 前半は「ボク」こと美奈の独白。後半は「私」こと美穂の独白。 それぞれ、相手を羨み、コンプレックスを抱いている。 本多が現れたことで、三角関係?になるのだが、美穂は嫉妬せずに、美奈のようになろうとする。 理解し難い姉妹だけど、やはり美穂は本多に好かれたいのですよね。 確かに美奈みたいに思ってることを口に出して言え、さっぱり気にしないのは羨ましい。 ちょっと言い過ぎではないかとも思うけど、本多はマゾなのか、それでも好きだというから不思議。 私にも妹が居て、比較されると嫌だし、コンプレックスもある。 姉妹なんてそんなものだよね。 ましてや同い年で顔もそっくりな一卵性の双子なんて、嫌だろうなあ。 でも、嫌いにならないんだね。 浪人して予備校に一年行き、国立に合格する方が、私立に行くより経済的と書いてあったけど、 今は国立も高くなったから、どうなのかな。 まあ、割と面白かった。 作者の堀田あけみは、高2の時「1980アイコ十六歳」で最年少の文藝賞受賞。 ドラマや映画にもなったそう。心理学者でもあり、次男が自閉症で、 「発達障害だって大丈夫 自閉症児を育てる幸せ」という著書もある。 そう言い切れるまでにはいろいろあったとは思うけど。
2017年08月12日
小説「愛という名のもとに」(野島伸司)を読みました。ドラマのノベライズです。あらすじ:大学のボート部で青春時代を共に過ごした男女7人の仲間。そして卒業から3年後。恩師(ボート部監督)の葬儀をきっかけに再会するが、新しい生活と年月による思想の変化を実感。同時に、不倫に悩んだ尚美の自殺未遂騒動を始め、各人の持つ様々なトラブルが浮上。そして健吾と貴子は婚約をし、皆から認められたと思ったのだが、政界の妻として働いて欲しいという健吾、教師の仕事を続けたいという貴子、そしてそれぞれの持つ家庭環境などの事情から暗礁に乗り上げる。その直後に大学生の頃、健吾と時男が自分を巡って争ったことがあると知ってしまった。それぞれの理想と現実のギャップに悩み、もがき苦しみながらも、前を向いて生きていこうとする彼らの「答え」はどこにあるのだろうか……。藤木 貴子演 - 鈴木保奈美私立高校教師。大学生の頃は、ボート部のマネージャーをしており、卒業後も6人のマネージャーを自称している。健吾からプロポーズをされるが、時男との間で揺れる。高校生の頃、父を亡くしてからは、母と妹と団地で3人暮らし。面倒見が良く、潔癖で他人にも自分にも厳しい性格で、健吾の婚約者と名乗る美和の不遜な態度に激怒した事もある。ややファザーコンプレックスの一面があり、母の再婚に賛成出来ない。高月 健吾演 - 唐沢寿明大学卒業後、商社に就職するが、いずれ政界に進出するとし代議士である父の秘書となる。潔癖で堅実な性格。篤の自殺直後、汚職事件に係わっていた父親にショックを受け、自ら告発する。神野 時男演 - 江口洋介チャランポランな面があり、大学生の頃は部費を払わず逃げ通し、卒業後は、すぐに定職につかず、交際している女性の家に居候し続ける「ヒモ」生活をしたり、怪しげなダイヤルQ2会社を始めたり、橋爪を強請ったりなどもしたが、仲間を思う気持ちは強い。貴子を好きだったが、健吾との賭に負け、大学卒業と同時にアメリカに渡航して生活していたが恩師の死後に帰国。貴子と急接近するが、思う事があった様子で、最終的には別れを告げて再び海外へ渡航して生活する事に。上記の3人はもちろんよく覚えているけど、倉田 篤も印象的だった。演 - 中野英雄証券会社に勤務するが、生真面目な性格が災いし、営業成績は最下位で上司から罵られていた。惚れ込んだフィリピン人女性・JJに騙され、横領と傷害事件を起こした直後、首吊り自殺する。チョロというあだ名を、内心では不快に思っていたらしく、あだ名で呼ばなかった健吾に感謝の言葉を伝えた事がある。実家は鹿児島県。中野英雄は太賀の父親でもある。二人とも、個性派俳優ですよね。ドラマも観たけど、小説で読むと思い出すと言うか、改めて考えさせられてしまう。仲間はいいけど、ちょっと理想論過ぎるところもあるかな。
2017年08月11日
電車で小説「若き怒涛」(井上靖)を読みました。 内容:奔放な言葉と行動で求婚してきた男性三人の真情をさぐる美しい姉。その激しくも傷ましい人生遍歴のなかに、現代的な愛の構図とは何かを問いかけて反響を呼んだ問題作。 割と面白かった。書かれたのが昭和52年で、時代背景もそれより古いようなので、現代的というほどではないけれど、不倫に悩む女性の心理はあまり変わらないのかもしれない。姉を反面教師とする堅実な妹も素敵。妹の方がある意味現代的かも。
2017年08月08日
小説「同級生」(東野圭吾)を読みました。内容:同級生の宮前由紀子は俺の子を身ごもったまま、そして俺の愛が本物だったと信じたまま事故死した。俺にできる償いは本気の関係だったと皆に告白することと事故の真相を暴くことだけだった。やがてある女教師が関わっていたことを突き止めるが、彼女の絞殺体が発見されるや、一転俺は容疑者にされてしまう。一気に読んでしまうほど割と面白い。でも、あまり読後感は良くないかな。主人公にそれほど共感できないし、あとがきにあるように教師に対しての憎しみというか反発がすごい。まあ、教師だけでなく大人全体に対してなのだろうけど、自分が大人になったら立場が反対になるよね。最初に張られた伏線が解決されていくのは興味深いけど、心がすっきりしないのは、これもイヤミスだからなのかなあ・・・昨日、重松清の「きよしこ」を読んで、なんとなく心が洗われた気がしたからかもしれないけど。
2017年08月06日
電車で小説「きよしこ」(重松清)を読み終わりました。少年は、ひとりぼっちだった。 名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。 言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。 「ほんとうに伝えたいことだったら・・・伝わるよ、きっと」 大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。著者の重松清自身も吃音があり、自伝的小説かなと思う。子どもの頃、祖父母宅に置き去りにされたトラウマによって、吃音になったのではないか。父親の転勤で転校を繰り返し、自己紹介をするたびに吃音でからかわれ、傷ついてきた。それでも、得意の作文や、好きな野球に打ち込み、友人関係の葛藤を乗り越えようとしていた。吃音の為に言いたいことも言えない。それなのに教師になろうと教育学部を受験。でも、早稲田の教育学部って、教員養成じゃないよなあ、なんて思ったりして。前の夫がそうだったのですよね。話は飛んでしまったけど・・・吃音の少年から青年までの思春期の悩みを読んでると切なくなるが、読後感は爽やかなので、やはり重松清はいいですね。
2017年08月05日
電車内で読み終わったエッセイ「家族を卒業します」(久田恵)。内容:子どもの不登校や家族介護といった、いまどきの家庭問題に右往左往しながらも、明るく乗り切ったワーキングマザーの爽やかエッセイ。いろいろ乗り越えたうえでの達観かなとも思う。ポジティブにとらえて、乗り切ったのはすごい。不登校で高校中退した息子が、週2日の塾だけで、大検・大学に合格するのも立派。まあ、うちの次女も週1の通信制高校と、週1の塾で高卒認定、専門学校だったけどね。介護はこれからだけど、こんな風に明るく乗り切れたらいいなあ。息子も介護に協力的で羨ましい。大学からは一人暮らしというのは、うちの息子と同じ。お母さんを介護するお父さんもエネルギッシュ。老々介護だけど、娘と孫と一緒に介護できて良かった。家族を卒業と言いながら、お母さんの介護が終わっても、つかず離れずにいるのが家族なのでしょうね。
2017年08月04日
電車で読んだエッセイ。「がまんしなくていい」(鎌田實)。内容:同じ境遇にあっても、幸福感を感じる人と不幸のオーラを出している人がいる。その違いは体内ホルモンの分泌量。ホルモンの秘密を解き明かし、気持ちも体調も変わってくる生き方を紹介する。感動すると“幸せホルモン"が分泌されてもっと幸せになる。思いやり行動をすると“愛情ホルモン"が出て健康を守ってくれる。脳の優れたシステムを有効に使う方法を知る1冊。(解説/さだまさし)がまんしなくていい。そう言われるとホッとしますよね。幸せホルモンが出るような考え方、生き方ができたらいいなあ。そう思えるような本でした。人の為に何かするというのは難しいけどね。
2017年08月01日
電車内で読み終わった小説「ラストプレゼント」(秦 建日子)。連続ドラマの小説化らしい。観てはいなかったけど。あらすじ:建築設計事務所「古茂口建築設計」に所属する36歳のやり手の女性一級建築士・平木明日香は、かつて結婚生活に失敗し、一人娘の歩を置いて家を出た過去があった。建築士として仕事をこなし、上司からの信頼も厚く、優秀なスタッフにも恵まれている。そんなある日、会社の健康診断で精密検査を受けた明日香は膵臓癌で余命3か月と宣告をされる。明日香は残された日々を過去に心ならずも捨ててしまった歩への贖罪に生きようと奮闘するが、そこには元夫の再婚相手・有里がいた。割と良かったですね。まあ、元妻が元夫の再婚の結婚式に出たり、元妻の関係者が大勢参列すると言うのも不自然だとは思うけど、これが最期だから許されるのかな。母を慕いながらも父や再婚相手の有里を思いやる娘の歩の気持ちが切ないです。有里があまりにも明日香や歩に優しいのが偽善的とも思ってしまうけどね。「ラストプレゼント」
2017年07月28日
行き帰りの車内で、「もしも、私があなただったら」(白石一文)を読みました。内容:会社を辞めて故郷の博多に戻り、何かに追い立てられるように暮らしてきた男、藤川啓吾。彼の前に、突然かつての同僚の妻・美奈が現れて言った。「藤川さんの子供を産みたいんです」。―啓吾は東京を離れる折にも美奈に思いを打ち明けられ、にべもなく断っていた。時を隔て再会し、やがて確かに心を通わせ共に過ごす二人。制約のない「大人の恋愛」を描く傑作。割と面白かった。結構性描写もあったけど、直接的だからか、かえっていやらしくはないかも。制約のない「大人の恋愛」もいいですね。ただ最後のどんでん返しはそれほど要らないかな・・・
2017年07月25日
『「自殺社会」から「生き心地の良い社会へ」』(清水康之、上田紀行)を読みました。内容:毎年、自殺者が3万人を超える自殺大国・日本。2004年、NPO法人「ライフリンク」を立ち上げ、「自殺対策基本法」成立の原動力となった清水康之氏と、「生きる意味」を問い続ける文化人類学者の上田紀行氏が、「自殺社会」日本の正体と、「生き心地の良い社会」への道筋を徹底対論!以前も読んだことがあった気がするけど、改めて読んで、共感してしまったあとがき(上田紀行)から引用。『そして、私は不思議な気分になった。「この社会に支えを取り戻そう!」と、私は訴え続けてきた。しかし自分自身が「自殺問題につかづくのが怖い、寝た子を起こしてはいけない」と無意識のうちに思ってしまうのは、その「支え」がまったく見えてなかったからなのだ。 これは私だけではなく、この社会全体に広がる意識なのではないのだろうか。支えなんかないんだ。だから寝た子を起こしてしまっては大変なことになる。そのことに触れないようにして生きよう・・・そうやって、自殺問題は触れてはいけないものとして無意識のうちに隠蔽され、忌み嫌われるものとして排除していく。しかしそれでは限りない悪循環である。 清水さんと出会うことで、私の「寝た子」は起こされた。しかし、たくさんの支えがあるということを知り、彼のようなエネルギーに満ちた人たちが体を張ってこの問題に取り組んでいることを知ったとき、「寝た子を起こす」ことはむしろ安心感と新たな未来への意欲をもたらすものとなる。私はこの対談を通じて、そのことを思い知らされた。』私も「寝た子を起こされる」のが怖いけど、セーフティネットがあることを信じたい。
2017年07月19日
昨日電車内で読んだ小説です。「幸福の距離」(落合恵子)。内容:結婚が愛の成就であるならば、その後は守り続けるか崩壊しかないのだろうか!?篠子は結婚を機に家庭に入り、専ら夫と娘の世話に明け暮れて7年、傍目には幸福な絵図の中にいたが…。ある日ふっと抱いた夫への煩わしさ、埋め難い距離感に気づく。初めて知る焦燥と淋しさに篠子は新しい人生を自分で切り拓く準備を考えるのだった…。人間の自由と孤独、女と男の理想的関係を問う長編小説。まあまあ面白かったかな。離婚を考えるなら、仕事を探すとか経済的自立を考えなければ離婚する資格がないという友達の忠告は的を得てる。「〇〇さんのお嬢さん」という親の陰から、「〇〇さんの奥さん」という夫の陰になり、今度は「〇〇ちゃんのお母さん」という子どもの陰になってしまう。一人立ちするには、精神的なものと経済的なもの、両方必要なのですよね・・・
2017年07月18日
行き帰りの電車の中で、「逆軍の旗」(藤沢周平)を読み終わりました。内容:「時は今あめが下しる五月哉」──明智光秀は、その日の直前こう発句した。坐して滅ぶかあるいは叛くか。天正十年六月一日、亀山城を出た光秀の軍列は本能寺へとむかう。戦国武将のなかでもひときわ異様な謎につつまれたこの人物を描き出す歴史小説。他に「上意改まる」「幻にあらず」「二人の失踪人」の三篇を収める異色歴史小説集。まあまあ面白かったかな。期待したほどではなかったけど・・・
2017年07月08日
小説「夏、19歳の肖像」(島田荘司)を電車で読みました。内容:バイク事故で入院中の青年が、病室の窓から目撃した「谷間の家」の恐るべき光景! ひそかに想いをよせる憧れの女性は、父親を刺殺し工事現場に埋めたのか? 退院後、青年はある行動を開始する--。青春の苦い彷徨、その果てに待ち受ける衝撃の結末! 青春ミステリー不朽の名作。ストーカーではないかとも思ってしまうのだけど、それでも恋は実る・・・無謀とも思える行動力にある意味感心させられる。割と面白かったですね。
2017年07月01日
「夜のピクニック」(恩田陸)を読みました。内容:高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。面白かったですね。次女ミンミがいいと言ってたのだけど、読んでなかったのです。貴子の秘密は、ネタバレになってしまうけど、同級生に異母兄弟が居るということ。でもそのわだかまりが、親友たちと歩き続けながら、解決されていく。歩くのが苦痛でも、歩行祭は羨ましいような気もする。実際に歩いたら大変だろうけどね。今、仕事が大変で苦痛だけど、歩き続ければ良かったと思える日が来るのかな・・・
2017年06月27日
「ささいなことで傷つかないと人の人間関係」(加藤諦三)を読みました。内容:自分の弱さを認められる人が、本当は強い人。困難から逃げてばかりいるとクセになる。より良い一生は健全な人間関係から生まれる。他人に自分の人生を支配されない生き方のすすめ。続きを読むナルシスト・精神年齢の幼い人の指摘は厳しい。自分にも当てはまるなと耳が痛かったです・・・繰り返しが多いけど、割と読みやすいかな。
2017年06月25日
昨夜、小説「魔笛」(野沢尚)を読み終えました。内容紹介:白昼の渋谷。 無差別爆弾テロ。犯人は女だった。 「狂気」を極限まで描き尽くす、作家・野沢尚の到達点。渾身の書下ろし。 公安と新興宗教のはざまで生み落とされ、首都を暴走する未曾有の恐怖。 警察をあざ笑うかのようにテロを仕掛け続ける女が求めるのは、罰か。救いか。 悪魔的な頭脳で日本を恐怖に陥れた彼女を、若き刑事と、その獄中の妻が追う。オウム真理教を彷彿とさせる新興宗教のテロ。犯人と爆散処理班の警察官は爆弾オタクのように詳しい。公安として潜入したのに2重スパイを疑われてしまうというので、ドラマ「CRISIS公安機動捜査隊特捜班」を思い出してしまった。公安に国家が守られてるのではなく、公安を守るためにテロも利用するというのがリアルで怖い。割と面白かったですね。犯人が最後、死にたいと思ってたのが、野沢尚の自殺に重なって思えてしまった・・・
2017年06月25日
「14歳の心理学」(香山リカ)を読みました。内容:「まじめでおとなしく、服装も地味」な子が、社会を震撼させる事件をおこす時代。思春期の子どもたちが抱える、深刻な「生きづらさ」、「現実感のなさ」。リストカットや自殺志願サイトに走る若者たち。―その“リアルな心の内”を気鋭の精神科医が読み解いていきます。子どもの気持ちを理解するためのヒントが、きっと見つかります。 父親が娘を理解したり、コミュニケーションを取りたいと思ったら、まずは妻にコミュニケーションを取るべきと書いてあったのは良かったですね。まあまあわかりやすくて読みやすいかな。
2017年06月12日
小説「愛が理由」(矢口敦子)を読みました。内容:親友・美佐子の突然の死を知らされた三十九歳の翻訳家・麻子。死因が納得できない麻子の前に現れた美少年・泉は、年上の女性を翻弄し心中に見せかけ死に追いやる「心中ゲーム」の存在を教える。彼女は若者に弄ばれ死んだのか? 泉の力を借りて真相を探る麻子に、死んだ美佐子からメールが届く……。女性の孤独と切なさが胸を打つ恋愛サスペンス。美少年・泉が魅力的的で、麻子が翻弄されている。また、美佐子と麻子の友情が微妙で興味深い。割と面白かったかな。「夜は短し、歩けよ乙女」(森見登美彦)を読み始めましたが、入り込めずに途中でギブアップ・・・内容:「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。 私には理解不能と言うか、無理でした・・・ あまりにも現実離れてしてるし、文体も好きではないなあ。
2017年06月11日
小説「いつかのきみへ」(橋本紡)を読みました。裏表紙に書いてあった「大富橋」も面白かったけど、他の短編も割といいですね。読みやすくて、一気に読んでしまいました。
2017年06月05日
越後湯沢・尾瀬旅行で、大宮から新幹線。クラブツーリズムのツアーです。車内で、小説「白き狩人」(渡辺淳一)を読み終わりました。残酷で美しい女医。遠藤周作原作のドラマを思い出してしまった。この小説の女医は、義父や義兄に犯されて、男性不信,人間不信になったのだけどね。自分でも虚しさを感じてるから、哀しいですよね。割と面白かった。
2017年06月03日
「砂場の少年」(灰谷健次郎)を読みました。内容:放送局のディレクターを辞した葛原順は、三五歳にして初めて臨時採用の中学の先生になった。受け持ったクラスは、一筋縄ではいかない生徒たちが談論風発。陳腐な価値観の押しつけ、型通りの授業などは即刻一刀両断に。周囲の教師は、「札付きですから厳しく締め付けないと…」と繰り返すばかり。あらかじめ生徒を偏見でみることだけはしないという信条を頼りに、葛原は素顔の生徒に向き合う。だが、丸刈りに反対して学校に通わない少年、一切口をきかない少女、そして神経症の闇に沈む妻透子の存在が、葛原に大きな問いを投げかけていく。子供から学ぶことの大きな可能性を伝える感動の小説。興味深く、考えさせられました。子ども達の話を聞く大切さを痛感しましたね。なかなか難しいけど。
2017年05月21日
「外食王の飢え」(城山三郎)を一気に読んでしまった。外食産業の覇者をめざした男の野望と情熱。私大卒業まぎわ、倉原礼一は卒論を破り捨てた。自分は一流の人間でなければならぬ。私大卒の資格はいらない。野望は福岡に端を発した。レストラン「レオーネ」のチェーン化に奔走する倉原。一方首都圏には沢兄弟の「サンセット」が進出。倉原は首都圏決戦を挑んだ。 やはり城山三郎は面白い。ロイヤルとすかいらーくがモデルらしい。倉原は試食をし過ぎて、胃腸を切除するほど体調を壊す・・・それでもワンマンで会社を大きくしていくが、息子は跡をつがない。自分自身も、父親の言いなりにはならなかったからね・・・
2017年05月20日
「ここは私たちのいない場所」(白石一文)を読みました。内容:芹澤は大手食品メーカーの役員。順風満帆な会社員人生を送ってきたが、三歳で命を落とした妹を哀しみ、結婚もしていない。ある日、芹澤は鴨原珠美という元部下と再会し、関係を持つ。それは珠美の策略であったのだが、彼女と会う時間は、諦観していた芹澤の人生に色彩をもたらし始めた。喪失を知るすべての人へ。光と救いに満ちた最新書き下ろし長編。 最後は落丁?かと思ったほど、唐突に終わったけど、割と面白かったかな。
2017年05月20日
小説「君を待つあいだに」(清水志穂)を読みました。抒情的だけど、いまいち物足りないかな・・・
2017年05月18日
小説「さよならの代わりに」(貫井徳郎)を一気に読みました。 面白かったですね。美女美男が出過ぎな感じもあったけど、 名倉の「美男過ぎると外見しか見てもらえない」という悩みも哀しい。 お嬢様っぽく見えた祐里が、本性?を見せるところもいい。 和希とは以前も逢っていたのか?と思ってしまった。 割と軽妙で読みやすい。智美さんが魅力的でしたね。
2017年05月15日
「『虐待』は愛から起こる」(富田富士也)を読みました。内容:虐待の多くが実は「子どもを愛する」がゆえにおこっている――この事実をあなたは、どのように受け止めますか? 本書は、虐待が愛からおこっている悲劇に目を向け、救いの手を差しのべる書。プロローグ 「虐待」は愛からおこる第1章 誰にでも「虐待」はおこりうる第2章 高学歴家庭の「見えない虐待」第3章 「虐待」を招きよせる“強迫”社会、それが現代第4章 私の親子三代「原風景」第5章 親と子の「原風景」づくり―親子関係は「ピンチがチャンス」「見えない」精神的な虐待も怖いですね。「子どもの為」と言いながら、「自分の為に」親がかなえられなかった夢や、自分と同じように勝ち組になることを押しつけている。親も自分の弱みを見せながら、子どもの逃げ場も作ってあげないと追い詰めてしまう。私は弱みばかりだから、子ども達は気楽だったのかな?・・・
2017年05月14日
読書。「ドラママチ」(角田光代)。短編集で途中まで読んだけど、あまり面白くないのでやめてしまった、、、「『心が凹んだ時に』に読む本」(心屋任之助)。仕事がなかなか上手くいかず、凹んでいるのですが、少し気が楽になったかな。「贖罪」(湊かなえ)。今日、図書館に返すので、一気に読んでしまいました。やはりイヤミスですね。面白いけど、あまり後味はよくない。犯人の動機が良くわからなかった・・・図書館に行き、読んだ5冊は返却。まだ読んでない5冊はまた借り、もう5冊借りてきました。
2017年05月07日
「花の鎖」(湊かなえ)も、昼から一気に読んでしまった。以前ドラマで観たけど、忘れかけてたのでちょうど良かったかも。ちょっとイヤミスを期待してたのですが、それほどではなかったなあ・・でも一気読みするほど面白かったですね。「雪」「月」「花」の字を名前に持つ3人の女性、美雪・紗月・梨花を主人公に、それぞれの「花の記憶」と共にその生き様が描かれた物語になっている。また、その3人の女性の人生に影を落とす謎の男を巡るミステリでもある。あらすじ「両親を亡くし祖母と2人暮らしの梨花は、祖母の胃癌の手術費に困窮し、生前の母に年に1度豪勢な花束を送り続け、両親が亡くなった後に資金援助を申し出てくれた名も知らぬ「K」という人物に助けを求める。伯父が役員を務める建設会社の同僚・和弥と結婚した美雪の目下の悩みは、結婚して3年経つのに子供ができないことだった。設計士を夢見ていた和弥が、美雪のいとこ・陽介が立ち上げた建築事務所に転職することになるが、任せられたのはまたしても営業職だった。大学時代、山岳部に所属していたイラストレーターの紗月は、当時の仲間・希美子から夫・浩一を助けて欲しいと頼まれる。浩一とはかつて互いに想い合っていたが、理由があって離別していた。希美子の願いをきくべきかどうか葛藤する紗月は、水彩画教室を開く公民館の職員・前田に誘われ、過去の因縁を断ち切るために八ヶ岳に登る決意をする。」
2017年04月23日
図書館に行き、読み途中だった本はまた借り、新しい本も。「切り裂きジャック、百年の孤独」(島田荘司)。朝から昼間で一気に読みきりました。百年前のロンドンの切り裂きジャック事件から連想して書いたのでしょうか。面白い発想ですよね。残虐な事件だけど、後半のなぞ解きでは少しユーモアもあって楽しめた。日本の昔のトイレから物を探すたとえも分かりやすい。
2017年04月23日
小説「ぼくのメジャースプーン」(辻村深月)を読み終わりました。面白くて一気に読んでしまいましたね。小4の男子がここまで深く考えられるのかな?とも思ってしまったけど、ふみちゃんを心から思う気持ちに感動しました。不思議な力をどう使うべきなのか、「先生」に教えられながら、悩んだ末に出した答え・・・一緒にいろいろ考えさせられました。私も同じ大学・学部なので、素晴らしい小説を書く後輩が居るのは誇らしいです!
2017年04月09日
父の特養ホームへ行く途中に読み終えた小説「海と毒薬」(遠藤周作)。罪の意識、罪悪感を感じない戸田が印象に残った。戸田は、罪の呵責を求めているのに得られない。同じ遠藤周作原作のドラマ「真昼の悪魔」の殺人者の女医の心情に似てると思った。罪の意識を求めて、罪を犯し続けてしまう。一方、罪悪感や神を畏れる勝呂もいる。死産で子宮を摘出し、身体も心もがらんどうになってしまった看護婦も。どの人物も一部は理解でき、共感できてしまうところが怖い。先日、遠藤周作原作の映画「沈黙」も観たけれど、それぞれ考えさせられますね。
2017年04月04日
小説「シューカツ」(石田衣良)を1日で読み切ってしまった。息子カズも大学3年だし、私も明日臨時教員の面接なので、他人事ではない・・・「内容:仕事も会社も、わからない。でも今、闘うしかないんだ。水越千晴、鷲田大学三年生。仲間七人で『シューカツプロジェクトチーム』を結成した。目標は全員で、最難関マスコミ合格。」面白くて、切なくて一気に読んでしまいました。まあ、設定は早稲田ならぬ鷲田大学のマスコミ志望の優秀な学生達で、氷河期ほど厳しい時期でもないし、現実の就活はもっと大変なのだろうけど、青春小説としては楽しめました。圧迫面接とか、本当はもっときついのでしょうが、読んでるだけでも嫌になりますね。ひきこもりや、フリーターの話など、切なくなります。就活の不安もひしひしと感じる。それでも、読後感は割と爽やか。カズの就活もどうなるか心配だけど、なんとか乗り越えられるといいなあ・・・ドラマ「就活家族」を見てると、もっと厳しいと言うか、きつい感じがするしね・・・
2017年01月29日
湯沢からの帰りの車内で「ルポいじめ社会・あえぐ子どもたち」という本を読み終わりました。「内容情報:「もう学校には行きたくない」。学校という“檻”の中でがんじがらめにされた子どもたちのSOSが、聞こえないだろうか。いじめに耐えきれず自ら死を選ぶ子どもたちの叫びは、体罰、校則ずくめの生活の中に埋もめてしまっているのではないか。ジャーナリストによる渾身のルポ。【目次】(「BOOK」データベースより) 1 死者たちの言葉/2 あえぐ子どもたち/3 教師たちの憂欝/4 不良少女たち」1995年5月刊行と時代が古いので、校内暴力後の管理教育の体罰などが問題。「校内暴力は、1985年頃を境に沈静したが、代わって学級崩壊やこれまでなかったタイプのいじめの急増など、新たな問題が見られるようになっている。ただし、沈静の裏側には、徹底的な管理教育による生徒への抑圧が行われており、校内暴力の嵐が吹き荒れていた時とは逆に、教師(主に体育会系出身者)による生徒への暴力が行われた背景もある(東京都教育委員会の調査結果によると、1985年度 教師による暴力での生徒の怪我が都内全体で43件発生。1980年度の調査では3件だった)。沈静の過程にかけては歴史的な研究も行われている。1990年代においては、各学校での授業(学級)が崩壊するにつれて児童・生徒の学力の差が問題視されるようになり、現在盛んに議論されているゆとり教育に通じる教育論を生じさせた。ただ、生徒全体の学力の低下、無気力化と、賛否両論の意見が取りざたされている。」いじめや体罰で学校に行きたくないと自殺を選ぶくらいなら、登校拒否になってもいいと思う。教師としてはあまり言いにくいが、中学・高校で不登校だった次女の母親としては、そう言いたい。次女は普通高校を不登校で休学したけど、通信制高校・専門学校を卒業して働き、結婚もしました。今は夫婦で世界旅行中。遠回り・寄り道しても構わないと思う。学校しか居場所が無いと思い込んで、追い詰められないように。と言いながらも、小学校では、母親も一緒に登校して付き添ってたりする。母親から離れられるように、私が代わりにその子に付いていたりするからなあ・・・それで、不登校でなくなればいいのですが。保健室登校や、通級教室にだけ登校する子も居る。教師にも親にも余裕がない大人が多いのかもしれない。私もだけどね。大人社会のシワ寄せが子ども社会にも及んでるのかな。いじめは大人社会でもあるし・・・そういうことは、書かれた20年前と変わってないのかもしれませんね。
2017年01月28日
今日車中で、読み終わった本です。「電子メディアは子どもの脳を破壊するか」(金澤治)。近年増えている発達障がいの子ども達も、IT・ゲームなどと関係あるのではないか?また、発達障がいの子ども達はゲームにハマりやすいということもあるらしい。犯罪と暴力的なゲームとの関連は証明出来ないけど、3Dのリアルな画像が、現実との境目を無くしているのかも。映画で4DX・3Dを観ると、確かにどんどん現実に近づいてきている。触感まで研究されているらしいから、どこまでが現実かわからなくなりそうですね。子どもの脳は可塑性があり、影響を受けても戻れるが、それも限界がある。いろんな意味で、参考になりました。
2017年01月02日
エッセイ「人はみな心病んで生きる」(大原健士郎)を読みました。内容:人は純粋ゆえに悩み、やさしさゆえに迷い、傷つけて心病んでしまう。自分に正直すぎるゆえに、まじめすぎるゆえに心の傷は大きい。自分の生きる道を見失ったとき、どうすればいいのか。生きることにつまずいたとき、生きることがわからなくなったとき、勇気づけてくれる1冊。まあまあ面白かったかな。
2016年12月24日
小説「シャイロックの子供たち」(池井戸潤)を読み終わりました。面白かったですね。オムニバスと思いきや、最後で急につながってくる。ネットで調べたら、関連したサイトが見つかったので、リンクしてみました。自著を語る死んでも銀行に就職しないそういえば、息子カズもドラマ「半沢直樹」を見て、銀行には就職したくないと言ってた。まあ、しようと思っても出来ないだろうけどね。
2016年12月23日
味の素合唱団かがり火の集いの会に行き、帰りの電車で「ペルザー家虐待の連鎖」(リチャード・ペルザー)を読み終わりました。兄の虐待を目撃した実弟による魂の告白 「母さんの次の標的は……ぼくだった」 1970年、カリフォルニア州デイリーシティ。あの悲劇の家は、二人目の犠牲者を産み出していた……。五人兄弟の四番目に生まれたリチャードは、物心ついた時から兄弟のなかにひとりだけ“のけ者”がいることに気づいていた。だが、幼い彼は、母の愛情を得たいがために虐待に加担し、実の兄を死の一歩手前まで追いつめる。しかし、法の手によって兄が保護されたあと、事態は急変する——母親の新たな標的となったのは、他ならぬ彼自身だった! 児童虐待の嵐が吹き荒れる家庭で育ち、苦悩のなかで強く生き抜いた少年の告白の書。読んでるのも辛くなるほど、残虐な虐待・・・4男のリチャードは虐待の加害者(加担者)と被害者の両方を経験し、それだからこそまた罪の意識を満ちながら虐待から逃れられない。次男のデイブ・ペイザーは「It(それ)と呼ばれた子」の著者だそう。「ガスコンロで焼かれる。塩酸入り洗剤で掃除をさせられる。赤ん坊の汚物を食べさせられる。児童虐待を生き抜いた著書がはじめて明かした、壮絶な日々の記録 「なぜ、ぼくだけがこんな目に?」———母親に名前さえ呼んでもらえない。“That Boy(あの子)”から、ついには“It(それ)”と呼ばれるようになる。食べ物も与えられず、奴隷のように働かされる。身の回りの世話はおろか、暴力をふるわれ、命の危険にさらされ、かばってくれた父親も姿を消してしまう———児童虐待の体験者がその記憶をたどることは、きわめて苦痛と困難をともなうのだ。本書は、米国カリフォルニア州史上最悪といわれた虐待を生き抜いた著者が、幼児期のトラウマを乗り越えて自らつづった、貴重な真実の記録である。」長男のロイだけはリチャードを助けられなくとも、温かく接してくれたのがせめてもの救いだったが、ロイもこの家から逃れたかったので、志願兵として家を出てしまい、見捨てられたと思ってしまう。デイブが保護され、リチャードが虐待されるようになってからは、3男のスコットがリチャードの代わりに密告者・加担者になっていく。このスコットの心も心配になってしまう。それにしても、なぜリチャードは母親に反抗できる体格になっても反抗しなかったのだろう。怒りをぶつけたら母親を殺してしまいそうで怖くなってしまったのか・・・教師やカウンセラー、警察官に訊かれても決して母親の虐待を知らせなかった。逃げたくも逃げられなかった。何をしても無駄だという無力感。それでも、15才で目覚めてからどうなったのかも知りたい。結婚して、妻に目を開けて寝ることを気付かれ、妻に理由を訊かれて初めて虐待のことを話すことが出来た。それを理解し、執筆も手伝ってくれたと言う妻。家庭に恵まれなかった著者がいい家庭を築けて良かった。虐待は親から子へ連鎖するというが、リチャードやデイブは止められたのだろうと信じたい。今は、周りも虐待に目を光らせ、救い出されてる子どもも多くいると思うが、アメリカはともかく、日本ではまだまだなんだろうなあ。早くそんな酷い親から引き離して保護してあげて欲しい。親も精神的に病気だから虐待を止められないのだろう。なぜデイブが保護されて、リチャードが保護されなかったのが分からないが・・・
2016年12月10日
味の素のOG同期で、鎌倉へ紅葉狩りに行く途中、電車内で小説「薄闇シルエット」(角田光代)を読み終わりました。裏表紙のあらすじ。37歳のハナは淡々としながらも、自分のやりたくないこと、やりたいことを見つめている。自分探しは、年齢に関係なく続くものなのかもしれない。私もまだ見つからないけど、それでいいのかな?そんな風に思えました。
2016年12月06日
「虐待~沈黙を破った母親たち」(保坂渉)「内容:なぜ母たちは,暴力への衝動に抗うことができなかったのか.いつから母たちの心は殺されていったのか.本書は痛苦の思いでわが虐待を語り始めた4人の母の心の軌跡,家族の闇を丹念な取材で描き出した衝撃のルポルタージュ.日本社会に潜行する「子どもの虐待」を「加害者」の側から初めて照らし出し,識者の助言も紹介する」 昨日、「ありさの虐待日記」を読み、ありさは虐待しても罪悪感がないと言っていたが、 この「虐待〜沈黙を破った母親たち」の母親は、罪悪感にさいなまれ、話し始めた。 母親自身も、子どもの頃に親から受容されず、心身共に虐待をされてきたと告白している。 一見愛され、期待されていたように見えても、 親の自己実現の為に利用され、いい子で居なくてはと強迫観念に囚われ自由ではなく、 「魂の殺人」をされていたという母親もいた。 自分が愛されたことがないから、我がままを許されたことがないから、子どもの我がままも許せない。 愛される子どもへの嫉妬があると言う。 夫に母親のような愛情を求め、得られずに子どもに当たってしまう。 虐待は、母親自身が救われないと終わらない。 母親は加害者であると共に親からの被害者でもある。 虐待しながらも、やめられずに苦しんでいる。 虐待の通報は、母子共に救う為のものだから、躊躇しないで欲しいとも書かれていた。 自助グループでの告白や慰めが、救いになったという母親が多い。 そこからカウンセラーになった母親もいた。 自分の体験に基づいてるから、専門家の援助者より、寄り添えるのかもしれない。 日本もアメリカのように、分離の後、母親や父親のケアをしてから、 家庭に戻すとかすれば、虐待の再発を防止できるのではないかな。 父親の協力なしには育児は出来ないから、父親にも自覚を持って欲しいですよね。 母子カプセルの中で傷つけ合うのを防いでもらいたい。 読んでて、そう思ってしまいました。
2016年11月06日
「ありさの『虐待日記』」(白石宏一)を読みました。内容:「傷口に塩をすりこんだらパニックのように暴れ出した」衝撃の『虐待日記』がインターネット上に公開されたのは1999年10月のことだった。このHPを見たひとが神戸市児童相談所に通報、大騒ぎとなる。結局、日記の真偽は判明しないまま、反響の大きさだけが残った。虐待防止に努めているソーシャルワーカー、臨床心理士、小児科医、弁護士、国会議員、厚生省児童福祉専門官、セラピストは何を思い、語ったか。なぜ、幼児虐待が起こるのか?『ありさの虐待日記』を巡る児童福祉関係者のさまざまな反応を探りながら、孤立無援の母親たちの心に迫る。 虐待しても罪悪感は無いと言い放つありさ。でも、それは自己防衛からではないかとも推測されてる。非難されることや、罪悪感に苦しまないために、開き直ってそう自分に言い聞かせてるのではないかとも。そう思いたいけどね。このHPも一種のSOSだったのでは?誰かに自分の苦しみを知って止めてもらいたかったのかも。仕事を育児で辞めざるを得なくて、子どものせいだから許さないと言う。夫も親も協力してくれず、孤立無援で、子どもと二人の母子カプセル。虐待が本当かどうかはわからないけど、その気持ちだけは本当だろうから、見つけて母子共救って欲しかった。子どもは自分の思い通りにはならない。その苛立ちは分かるけど、虐待になる前になんとかならないかな・・・
2016年11月05日
「アダルトチルドレンからの手紙」(西山明)を読みました。「内容:家族関係がうまく機能しない家庭で育った人々を、アダルト・チルドレン(AC)と呼ぶ。本書では、5人のACへのインタヴューをもとに、AC体験の克服の過程を描き出す。厳格な親、暴力的な恋人との暮らしを捨て、オウムに入信したあかり、アルコール依存症の父を持つシズカと摂食障害の妹ユメ、共依存に陥った結婚生活を捨て前向きに生きる秋央。 」親や家族との関係のまずさを大人になっても引きずってしまう。ACは自己申告で診断されない。私も少しACかな?と思うこともあるけど・・・夜明け前が一番暗い。あともう少しで夜明けだというのが印象に残った。底について、ACを自覚するところから、始まっていくのだろうなあ・・・
2016年11月04日
小説「ゴールデンスランバー」(伊坂幸太郎)を読みました。「内容説明:衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。 」「ケネディ大統領暗殺の犯人オズワルドにされるぞ」と友達に言われ、必死に逃げる青柳だけど、元恋人や、大学時代のサークル仲間など、青柳を助けてくれる人が居て救われますね。また、あとがきに「話(伏線)を畳まないまま楽しんでもらえるか、にはじめて挑戦した」と書いてありましたが、何が畳まない伏線だったのか、よく分からない私・・・井ノ原小梅がそうかとも思ったけど、2部では殺されてたという描写があったから、関与してたのでしょうね。追われてる中でも、ユーモアを忘れない青柳もいいなあ。面白くて、一気に読んでしまいましたね。
2016年10月28日
小説「魔王」(伊坂幸太郎)を読みました。魔王「魔王」のあらすじ「内容説明:魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。」「魔王」自分の超能力に気づき、ファシズムの独裁者になりつつある政治家に立ち向かおうとした兄。憲法改正で自衛隊を軍隊にする国民投票を前にという設定が、まさに現実になりそうで怖い・・・重いテーマでだけど、話は軽妙で惹きこまれ、「呼吸」も含め、一気に読んでしまいました。
2016年10月20日
小説「心まで盗んで」(赤川次郎)を読みました。「内容:その夜の淳一はツイていなかった。富豪の坂西の邸宅に侵入したものの、その一家が心中を図っていたのだ。思わず救急車を呼んで助けてしまった淳一は、坂西が新興宗教団体“闇と光の教団”に騙され、破産していたことを知る。しかも、坂西の愛人宅では、刺殺死体が発見されていた…。大人気「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、波瀾の第十五弾。」読みやすく、社会派っぽいけど、そこまで深くはないなあ・・・
2016年10月15日
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