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スティーブン・オカザキ監督
試写会の前にレセプションがあり、そこにはメディアが詰め掛けるのと同時に国連関係の方々やジャーナリスト、そして日本・NYで活躍する兵藤ユキさんや画家・イラストレーターの黒田征太郎さんがいらしていた。黒田さんは 『ピカドンプロジェクト』 を立ち上げ、アーティストたちとのコラボをしながら世界中を歩いているという。そんな方とは知らずに、結構長い時間お話を伺う事が出来た。そして彼もこの映画に出演している一人だった。
私がヒロシマ・ナガサキのことを始めたきっかけとなった 国連で出会った被爆者の方 とはその後ご縁があってメールのやりとりをするようになった。そして、タイミングよくこの夏に企画しているイベント開催時にニューヨークにいることがわかり、参加して頂く事を承諾して下さったのだけれど、その方が『今までに見た映画で一番良かった映画』と推薦して下さった映画がこの『White Light / Black Rain(白い光・黒い雨)』だった。
今年4月にナガサキ訪問した際、少しだけお会いした被爆者の方も出演していた。戦後62年経った今でも彼らの戦いは続いていると痛感するばかり。けれど世の中は戦後生まれが75%となり、8月6日、8月9日、8月15日が何の日か知る日本人がだんだん減っている。それを日本に住んでいない人々が危険信号だとばかりにメッセージを送っているのにも日本人は気づいていないようにも思う。
横浜生まれの私がヒロシマ・ナガサキについて調べ始めて感じるのは、自分があまりにも無知であること。とても恥ずかしく思う。そんな中、最近知ったのは『原爆乙女』と呼ばれる25人の女性たちの話だった。
戦後10年足らずのアメリカにケロイドのある女性たち25人が渡り、整形手術を受けたのだ。作家のノーマン・カズンズ氏が資金調達の運動を行い、実現された。原爆乙女たちの整形手術の数は30回以上にも及んだという。その1人でカズンズ氏の養女になった笹岡恵子さんも映画に出演、そして上映後のパネルディスカッションのパネリストの1人として参加されていた。
米国在住被爆者、笹森恵子(しげこ)さん
そのパネルディスカッションで彼女の隣に座っていたのはヒロシマに原爆投下したB29爆撃機エノラ・ゲイの元搭乗員セオドア・バン・カーク氏だった。彼は原爆投下は「戦争終結させた。よって沢山の人々の命を救ったのだ。この考えは当時も今も変わらない」と強く主張する。その横で首を横に振る笹森さん。彼のことは以前日本のテレビ番組でも見た事があり、同じようなことを述べているのを見て米国軍人魂の人なのかと思っていた。けれど彼はこんなことを口にした。
「沢山の人々、それは中国人でありカンボジアなど日本軍が侵略し虐殺していた人々だ。」
原爆投下後、悪夢にうなされる事もなく生きているというバン・カーク氏は戦争そのものがいけないのだとも主張した。
(左から)スティーブン・オカザキ監督、笹森恵子さん、セオドア・バン・カーク氏
観客からの質問は憲法第9条にも触れ、アメリカの知識人の間では関心が高いことを感じた。そして新たな核の問題としての北朝鮮の存在がアメリカで関心を高めているのかもしれない。もしかしたらミサイルが届いてしまう日本よりも。
私が浦上天主堂を訪れた時、マリア様の前で 祈っていた3人の女性 祈っていた3人の女性のうち2人もこの映画に出演しているように思う。
この映画『白い光・黒い雨』はアメリカは8月6日にHBOで放映、日本では邦題
『ヒロシマナガサキ』
として7月下旬から公開予定。 http://www.zaziefilms.com/hiroshimanagasaki/
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