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November 1, 2008
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カテゴリ: 本・CD

吉村貫一郎 愛するもののために壮絶に生き、そして散った・・・異色の新撰組隊士

壬生義士伝.jpgだんだん秋も深まってきました・・・秋といえば食欲の秋、読書の秋ですね。というわけで今週も本の話でいきます。

今読んでいるのは、泣かせ屋の異名を持つ浅田次郎が書いた時代小説「 壬生義士伝 」。たしか3、4年前に一度読んだことがあるのですが、久しぶりにまた読んでみたくなり手に取りました。

この「壬生義士伝」は、新選組の話ですが、主役は誰かというと、近藤勇、土方歳三、沖田総司・・・など、誰でも知っているお馴染のお歴々ではなくて吉村貫一郎という隊士です。

わたしが、この壬生義士伝を知ったきっかけは小説ではなく映画でした。盛岡藩を脱藩し新撰組に入隊した吉村貫一郎役は中井貴一。南部訛りでちょっと間の抜けた田舎者。しかし剣の腕前はピカイチで、映画の冒頭で永倉新八(新撰組二番隊組長、撃剣師範)を打ち負かす寸前まで追い込むシーンは圧巻でした。

学問もでき、剣は北辰一刀流免許皆伝の腕前。しかし、朴訥とした田舎者丸出しの言動には大きなギャップがあり・・・さらに、守銭奴、出稼ぎ浪人と陰口をたたかれるほどお金に執着する吉村貫一郎。脱藩し新選組に入隊したのも攘夷忠国の志などではなく「貧乏から抜け出すために銭こ稼ぐため」。その理由は、自らはボロを纏いながらも、盛岡・雫石に残してきた恋女房と3人の子供へ"しこたま銭こ"を仕送るためだったのです。

「妻には正月ぐれえはきれいな晴着の一枚も・・・、せがれにも元服の袴ば着せ、立派な刀ば持たしてやりてえ、赤ん坊にもあったけえ真綿のべべを、着せてやりてえす。」
「脱藩は罪でござんす。んだどもわしの剣の腕前と学問ばもって江戸に上れば、銭この稼げねえはずはねえ・・・」

これは壬生浪と恐れられた新撰組の中でも異色のキャラ、異色の時代小説です。しかし、幕末の激動の時代に生きた非業の愛戦士・吉村貫一郎の生涯は、家族を養う立場にある方には、なおさら共感を得る部分が多くあるのではないでしょうか。下巻を読む頃には、きっと涙なくしては読み進めることができなくなるかも!?・・・そんな浅田次郎の傑作時代小説と言えるでしょう。

さて、この時代のおすすめ小説としては、新撰組が生まれるきっかけを作った庄内藩郷士・清河八郎の太く短い人生を綴った、藤沢周平の「 回天の門 」もありますね。変節漢・策士としてのイメージが強い清河八郎ですが、この小説を読むと"草莽の士"として生きた彼の生きざまに感じ入る部分が多々あって、読後には八郎の印象が変わってしまいました。他におすすめとしては定番ものですが、司馬遼太郎の「 燃えよ剣 」や、短編集 新選組血風録 」もやはり面白いですね。





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Last updated  April 4, 2009 10:06:44 AM
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