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ほぼ2ヶ月ぶりの書き込みです。ありゃりゃぁ。ここ数日、沖縄の友人が来広するのに合わせたかのように沖縄出身の作家、池上永一さんの本を2册続けて読みました。「ぼくのキャノン」と「シャングリ・ラ」。どちらも面白かったのですが、印象に残ったのは「シャングリ・ラ」の方。ものすごいボリュームの本なので、3日位かかりましたが、池上パワー爆発、という感じの本でした。あらすじを紹介しようかと思ったのですが、あまりにも展開が広いし、登場人物も強烈なので、無理…ですね。ただ、話に地球の温暖化が関わっていたり、今の東京のありえないほどの人口集中が関わっていたりするので、意外と近い将来、こんな発想が現実になるのでは…と思ったりします。ぜひ、時間と体力のある方はどうぞ。で、余談ですが、体力といえば、最近自分でも情けなくなるほどバテています。8月に通常の倍近く働いて、でもそのかわり9月は休みが多いので結構休息をとっているハズなのですが、普通に休んだ次の日に体調が悪くなったりしています…。ただ単に仕事が嫌なだけなのか???そうそう、薬屋のおじちゃんに注意されたのですが、この時期、冷え性&疲れで体調崩す女性が多いそうです。みなさま、ご注意を。
2006.09.21
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毎日湿気がすごくてへたれ気味です。そんな気候のせいなのか、約3ヶ月久々に働き過ぎたのかここのところちょっとブルーに仕事をしています。元々自分にも他人にも厳しすぎるところのあるのが私のいけないとこなのですが…。何気ない職場の会話にも敏感になっているようで。今日、「わぁ、これって聞きたくなかったな~」と思ったこと。来月からアルバイトに来る人が面接に来ていたのですが、まったくの新人さんだったので、皆それとなく興味津々の様子。で、やってきたのはちょっとお嬢さんっぽい雰囲気のいい感じの女性でした。で、帰ってすぐに、「綺麗な人だったねぇ」「真面目そうだねぇ」なんて話になって、まぁここまではよし、と。ところがその後、「何歳なんかね?」という話になった時にあろうことか、プロパーの職員がわざわざ履歴書を見て「2△歳らしいよ」と答えてるではないですか。その人は職員なので、履歴書のあり場所を知ってはいるけど別に採用担当なわけでもないし、これってあり得ないのでは???しかも誰もその行動をとがめないし。まぁ、なんとなくわかります。そんな気軽に年齢をばらすのは、彼女がまだ年齢を言われても支障が無いと全体に思われるぐらいの若さだったからだとは思います。でもね…。これだけ個人情報が騒がれていて、そのことに厳格でないといけないと思われる職場でこれでは、その浅さがうかがわれようというものではないですか。っていうかその前に、そんなことが話題になる職場にいる自分が嫌になるというか…。こんなことを気にしてる自分も、正直嫌なんですけどねぇ。
2006.07.25
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久々に実家でゴロゴロ。実家に帰ると、地元の新鮮なお刺身や野菜がたんまり食べれてたっぷり栄養補給して帰ってきます。で、偶然実家にDVDがあったので観たのがこの映画。まぁ、暇なので観てみるか…という感じで観たのですが、不覚にも(失礼!)結構泣けてしまいました。話は東京タワーが建設真っ最中の昭和30年代の東京下町。小さな町で楽しく哀しく明るく生きてる人々の人情物語。まぁ、正直ストーリーはありがちな感じなのですが、笑いや泣かせどころのツボをはずさない感じで、見ていて安心という感じです。で、意外と良かった(これも失礼!)のが、鈴木オートの社長役を演じる堤真一とその妻役の薬師丸ひろ子。堤真一の場合は、へぇ~、こんな気っ風のいい親父役ができるんだぁ、と感心。薬師丸ひろ子は、何気な~い感じなんだけど、ちょっとサザエさんのフネさんみたいな、渡る世間は鬼ばかりの故山岡久乃さんみたいな存在で、いい感じの演技でした。あと、タバコ屋のばあさん役のもたいまさこや、氷屋のピエール滝、医者役の(個人的に大ファン)三浦友和などなど結構いい味を出してる人もいるのですが、なんとなく、出演者全体が、この時代への郷愁や憧れを共有して熱心に演じ過ぎてる気がしてちょっとうざったかったというか…。なので堤&薬師丸の普通の感じが良かったのかも。(いかん、また辛口になってしまった)ちなみに私の周りでこの映画を賞賛していたのは50代後半以上の人が多かったなぁ。そうだろうな、って感じでした。
2006.07.09
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図書館で予約していたのも忘れてしまうぐらい待たされてようやく読んだのがこの本。今、奥田さんて人気ですもんね~。突拍子もないキャラのお父さんが出てくるということと沖縄が舞台という前知識だけで読み始めたのですが、いやぁ、面白かった。小学校6年生の男の子二郎が主人公。父は自称フリーライターだが、いつも家でゴロゴロしていて、何かと言うと、国はいらない、学校にも行く必要はない、なんて言っている。実は父親は元過激派で、しかも伝説的な存在になる程有名人だったことや、母にも色々な過去があったらしいことが徐々に二郎にもわかってくるのだけど、そういう大人の事情を少年なりに少しずつ理解したり、受け止めたり、拒否したりする感じがすごく上手く描かれてるなぁって感じ。で、ある事件がきっかけで、一家は沖縄の西表島に引っ越すことになるんだけど、この島では父がさらにパワーアップ。本当に自分の夢に向かって進み始めることになってしまいます。私のちょっと年上のお友達には、ちょうどこの父親一郎と同世代かちょい下ぐらいの学生運動真っ盛りの頃に青春時代を過ごした人が多いので議論のふっかけ方や考え方もなじみがあってあぁ、そうそうこんな事言うなぁ、なんて思いながら読みました。そうは言っても出会った頃には、普通の会話の中で「うちは公安に盗聴されてるから」なんて言われてびっくりしたっけ。なんだか島って幻想を抱かせる存在でもあるようで(私的には両親が島出身で、色々知っているのであまり思わないけど)この父親一郎みたいに生きてみたいと思う人も多いんだろうなぁと思う一方で、こういう人ってどこまで島で暮らせるのかな?と思ったりもしたけど、その反面、一郎みたいな人を抱くことができない国っていうのも寂しいな、と思ったりしました。
2006.07.07
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今、沖縄を舞台の作品を描く作家さんで好きなのが池上永一さん。沖縄の伝承的な部分と、若者の感覚がうま~くミックスされてるストーリーは、読んでて飽きることがない、って感じです。かなり奇抜なストーリー展開も面白い。この「夏化粧」は、自分の取り上げた赤ん坊に様々な呪いをかけ続けた産婆のオバァの呪いによって、自分の息子を「見えない」存在にされたシングルマザーの津奈美が、息子を取り戻すために活躍する物語。オバァの呪いをとくためには「陰」の世界に入り、七つの「願い」を集めなければならない。パワフルな津奈美の機転と行動力で、「願い」集めは進んでいくがそこには苦悩と、星見石の秘密が待ち受けていた…。池上作品に必ず登場するのが、たくましい&ものすご~く意地の悪いオバァ。今回は産婆のオバァがその役回りのようです。もう、かなわない位性格悪いです(笑)。で、導入部はそのオバァの滅茶苦茶ぶりや、話の展開に面白く展開していくのですが、最後はなんと涙ものの話となっていくのです。「風車祭」や「レキオス」でもラストに向けてものすごくスピードアップでパワフルな展開をしていく話が多かった気がするけどこんなに哀しい展開になっていく話は池上作品でも初めてなのでは?でもものすごく読みごたえがあった気がします。舞台は多分石垣島なのですが、キーポイントとなる星見石は実在するのかな?あるなら見てみたいなぁ。
2006.06.25
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いやはや、久々の日記です。以前ほどのペースではないものの、本は読んでるんだけど感想を書く習慣が抜けてしまっていました。でも、はたと気付くと、読んだ本の内容を憶えていない…。やっぱり感想を形にするのって大事なんだなぁ。ということで、なるべく更新しようと思います。最近仕事モードが長いせいか、読んでいたのはこんな本。微妙に経済の流れを知りたいという気持ちが現れている選択です。といっても小説です。タイトル通り、団塊世代が主人公。銀行員の坂本龍生は56歳。支店長、新規産業部長などを歴任したが、今は早期退職を勧められている。ある日、高校の同級生・木戸ここ路が訪ねてきて、経営するそば屋のある「梅之園ハッピー通り商店街」の窮状を訴えた。坂本は知り合いの建築家、コンサルタントら、知識と経験を備えた団塊世代の「エキスペリエンツ」に呼びかけ、商店街再生のために立ち上がる。話は、さびれてきた商店街の復興物語です。どこの町でも思い当たる感じなんじゃないかなぁ。私も昔ちょっとだけ商店街の人たちと関わってイベントをした経験があるので、地元の商店街の中でのしがらみやら、いろんな難しさやら懐かしいものがありました。この物語は銀行や不動産が絡む大規模プロジェクトと、地元商店街とのかけひきといった大きい話に展開していくのですが、その裏には、金融界の思惑があったり、当時の金融政策の問題が関係していて、このあたりはさすが元経済企画庁長官、という詳しさなのですが…。正直、詳しすぎて、???と読み飛ばしてしまった部分も多々ありました。でも、このぐらいの話の内容は知っていたいなぁ、と思ったのも確か。日々のニュースではトピックスという形になってしまうけれどそれが身近な世界でどういう形になって、どういう流れを作っていくことになるのか、というのはなかなかイメージできてないんだなぁ、と思ったり。いやぁ、勉強不足だわ。
2006.06.10
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乙川優三郎さんの時代小説は初めて「霧の橋」を読んで以来すごく好きで、読んだことのない作品を図書館で見つけると必ず読んでいる。この長編作品は、「霧の橋」で時代小説大賞を受賞後第一作。これまでの乙川作品の中では一番好きだった。主人公の小太郎は祐筆頭の跡継ぎ。権力争いと財政難に揺れる東北の小藩で、それでも恵まれた家庭に暮らしている。彼の友、台助と猪平は同じ塾に通う仲間だが家柄も立場もそれぞれ違う。それでも、そこは男の子同士、立場を越えての友情で結ばれている。しかし猪平の父親が農民一揆を抑えに行った場所で何者かに暗殺されてしまう。この事件をきっかけに3人の生き方は違う方向に動き始める。次第に藩政改革への道に志を高くする小太郎や、友情に厚い台助の存在、そして、小太郎の心の支えとなる妹の喜知次。話は小太郎の少年時代から、やがて執政を司る存在になるまでの長~い設定だけど、少年が青年になり、やがて老いていくまでの話がとても丁寧に描かれていてこの分量でこの満足感が得られるのは、作者の文章力のすごさとしか言い様がないです。泣きどころは色々とあるのですが、特に小太郎と台助が猪平に別れを告げるシーンは恥ずかしながら号泣でした。この男の友情物語とは別の大筋で、喜知次(これは妹花哉のニックネームです)と小太郎の関係があって、こちらもかなり切ないお話なのですが、時代小説の中で描かれる女の生き方に魅かれる私でもこの作品だけはこちらがどうも魅力薄と思ってしまうぐらい男の友情&生き様が魅力的です。乙川さんは、書評でも藤沢周平さんと比べられることが多くて、それは、剣客ものを描いても、何かプラスを感じさせるものがあるからだと思うのですがこの作品を読んで、初めて、乙川ワールドを感じた気がしました。いやぁ、時代小説は奥が深い。ちなみに私は乙川作品の装幀もすごく好きです。この「喜知次」は菱田春草の「秋野美人」が使われていますが、他の作品もすごく綺麗。そういえば、私が初めて乙川さんの作品を手にとったのも、装幀の牡丹の絵に魅かれたからでした。
2006.05.08
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昔から好きな池澤夏樹さんの去年出た作品。こどもが主人公の作品は久しぶりなんじゃないかな?設定はちょっとファンタジー風。JRでキップを無くしてしまったイタル。そこへ女の子が現れて、「キップをなくしたら駅から出られないのよ」と彼を仲間のところへ連れて行く。そこには、イタルと同じようにキップをなくして出られなくなったステーション・キッズたちが集まって生活していた。彼らは駅の中で仕事を与えられ、駅の中では何不自由なく生活をしている。だけどその中で一人だけちょっと違う存在の女の子ミンちゃん。彼女はなぜステーション・キッズになったのか?そしてステーション・キッズたちはどうなっていくのか?ステーション・キッズの存在は不思議なことがたくさんあるけどその生活はなんだか楽しそう。キオスクのお菓子はなんでもタダ、駅員の食堂も出入り自由、ちょっと奮発すれば、郊外の駅まで出かけて行って、ご当地の駅弁を手に入れて帰ってくることもOK。こどもなりにちゃんとルールを作って、キチンと生活を送るこどもたちの順応性もうまく描かれてる感じ。ただ、同じくこどもが主人公の「南の島のティオ」と比べるとちょっと物足りない感じがするかなぁ。最後は「死とはどういうことなのか?」という大切な疑問に答える話になってるんだけど、その部分が、大人がこどもに語る形になってるからかもしれない。私の中で池澤さんてどこか宮沢賢治とつながるものを感じる作家さんで、特にこどもに対する視点にそれを感じる人。これからの作品にも期待しちゃうな。
2006.05.07
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仕事柄GWとは縁がないのですが、たまたま連休が取れたので久々に実家へ。母が花を愛する人なので、実家の庭は花盛りでした。私の大好きなクリスマスローズも満開。母はどちらかというと可憐な花が好きな人なので、忘れな草やワイルドベリーなどが庭のあちこちに散らばっていて他にも私には名前を覚えられない小さい花があちこちに咲きほこっていました。そんな中、艶やかに咲いていたのが写真の牡丹。綺麗でした~。で、フラワーつながりでもう一つ。広島ではGW観客動員数で毎年上位にランクされるフラワーフェスティバルが開催されるのですが、この3日間仕事だった私はその会場となる平和大通りをつっ切る形で出勤しないといけませんでした。で、ちょうど歩行者天国が始まる端の所から自転車で斜に横切ろうとしたところ、警備員の人に「自転車は押して歩いてください」と言われました。はぁ…、と曖昧に返事をしつつ、たった50mの橋を一本渡るぐらいだし、そのままいっちゃえ!と行こうとしたら、後ろからわざわざ拡声器を使って「はい、自転車は押して~!!」と。はい、もちろん素直に降りました。ものすごい恥ずかしかったし。(ちょっと舌打ちはしたけど)ただその私の横を、逆方向から中学生の男の子たちがチャリで走ってきたのに、それには注意もしないのには納得いかなかった。で、納得いかないつながりでもう一つ。フラワーフェスティバルのメインはパレードと複数のステージなのですが、今年の3日目はYOSAKOIスペシャルだったらしい。私ねぇ、このYOSAKOIって嫌いなんですよねぇ。今や祭りといえばどこでもYOSAKOIが出てくるし。ある意味地方の祭りつぶしですよね。あっ、その無法ぶりがヤンキー魂をゆさぶるんだったりして。とにかく今日は昔懐かしい竹の子族風の衣裳の人たちがあちこちでウロウロしていて、妙に納得いかなかったのでした。
2006.05.05
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奥田英朗氏の「空中ブランコ」を読みました。「イン ザ プール」「空中ブランコ」そして最近出た「町長選挙」と精神科医の伊良部さんが主人公のシリーズものなんですね。私的にはこのシリーズは直木賞を受賞したこの作品が初めて。まぁ、単純に面白かったです。尖端恐怖症になったヤクザ、スローイングができなくなったプロ野球選手、義父のヅラを取りたいという強迫観念に取り付かれた精神科医などなどそれぞれの患者を主人公とした短編集なのですが、それを通り越して圧倒的にとんでもないキャラクターを発揮している伊良部先生がおもしろすぎる。やることなすこと子どものまま、というか天然というか。時々ちらっと医者らしい診断もするけれど、どうも人が注射されるのを見るフェチらしく、来た患者にはとりあえずビタミン剤を注射しちゃえ~みたいなことを平気でしちゃう。悩んでる患者が「へっ?」と思うようなことを平気でしてのけるのが面白くって、読んでて楽しくなる。特に「義父のヅラ」(タイトルもこのまま)は、タイトルを読んだだけで笑ってしまったけど、その絶妙さがわかるだけに、最高でした。前作の「イン ザ プール」は松尾スズキが伊良部役で映画になってるらしくて、これも観てみた~い!
2006.05.03
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久々の予定のない休日。一日家にいようかとも思ったけれど、天気もまぁまぁだし、なんとなくダラダラするとかえって疲れそうな気がして出かけることにした。で、ふと思いついて、ひろしま美術館で開催中の「鴨居玲展」へ。初めて鴨居氏の描く酔っぱらいの絵を観たのはいつだったんだろう?もしかしたら、同じひろしま美術館でだったかもしれない。まさにアル中、としか言い様のない年季の入った酔っ払いたちの絵にものすごく惹かれたのを憶えている。今回は作家の没後20年ということで、初期の作品から、晩年まで、充実した展示でした。結構重い作品が多いので、観終わった後はちょっと疲れたけどすごく集中できたので、気分転換には最適。買い物も、帰ってからの家事もすいすいこなせて充実した休日でした。久々に図書館にも立ち寄って本をまとめ借りしてきたので本の感想も書くぞ~。
2006.04.27
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気付けば4月も終わろうとしてるのですね。なんと自宅でパソコンを見ることができたのは2週間ぶり。なんだかず~っと追われるように仕事をしていて、自分の時間を忘れてる日々です。バタバタしている職場とはいえ、周りが徐々に落ち着き始めてるのになぜ私の周りのメンバーだけ落ち着いていないのか?と考えてみると、結局雑用を引き受けている率が高いことが一番なのでは、と。「○○はどこにありますか?」「××はどうしたらいいんですか?」という質問は、新しいメンバーが多い職場なので仕方ないとして、探していた○○だけ手に入れて、少なくなってるから補充しとこう、とか整理できてないからまとめとこう、という人があまりにも少ない。ひどい人になると、出納簿を付ける必要のある切手なんかでもフセンで○枚取りましたって貼付けて持って行ってしまってる。「お前は重役か?(タカ&トシ風)」という台詞が喉元まで出るのをぐっとこらえる…。結局、私らが出納簿を整理するまでほったらかしで、後から説明して回ることになる。う~ん、ベテランに付いてる若手に、あなたは若手なんだから、雑用もこなす必要があるんだよ、というのを伝えるのは難しい。しかも相手がそういう気がないと、さらに難しい。と、こんなことばかり気にして仕事をしているので私にしては珍しく夢の中でも仕事のことばっかり出てきます。気にしすぎなんだよねぇ、多分。でも、できる人だけができるようになって気付かない人はそのままでほっとかれる、というのは私的には納得がいかない。皆ができるようになって、楽になりたいし、今の職場でそういうところに気が付く社会人になって他の所でも活躍できるメンバーになってほしい。これって思い上がりなんかなぁ。
2006.04.26
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昨日は元の職場の歓送迎会。今日がお休みだったので、安心してたせいか、えらく飲んでしまいました。家に帰って、ちゃんと寝たのは覚えてるのですが、帰りのタクシーの記憶がすっぽり抜け落ちてます(涙)。4年間お世話になった前職場は、こじんまりとした人数で、まぁそれはそれで悩むこともあったけどいいメンバーだったなぁと再認識。多分、それぞれのメンバーの責任感の強さと互いに気を遣って助け合う雰囲気があったんだなぁ、と。新しい職場でも、そんな雰囲気を作っていけたらいいな。
2006.04.11
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新しい職場に異動してはや10日。まだペースがつかめずにいます(涙)。前の職場は、結構忙しい時でも、時間が限られている中でこなさないといけなかったので、ある意味無理矢理「はい、ここでやめて!」というストップがかかっていたけど新職場はそういう縛りがないので、自分でストップをかけないとエンドレスになってしまいます。今のところは、働いた分は残業代となるので収入アップにはなるんだけどそれとは別のところで、自分で仕事の時間管理をしないといけないという新たなプレッシャーが発生しています。ダラダラと仕事をするのが嫌いなので、能率的に仕事をこなしたい!という気持ちがかえって自分にプレッシャーを与えてるのかも。なので、最近、眠れません(結構、ストレスに弱い自分も再認識)。それで思い出したのが、先輩に教えてもらった方法。それは、朝一番にその日の目標を3つたてる、というもの。これは、その日の「朝」というのが大事なポイントです。というのも、夜に考えるとその日の反省につながって、かえって気持ちが落ち込んでしまうからだそう。教えてもらったばかりの頃、しばらく実践していてその効果にびっくりしていたのに、最近おこたっていたので、こういう時期だからこそ復活させようと思います。あぁ~、本も読みたいし、映画も観たい!そんな余裕を作るためにも、がんばるぞ~。
2006.04.09
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10日振りの休日。でも仕事に出ないといけないかなぁ、と思っていたけど体の方が拒否。結局一日ちゃんと休むことにしました。で、ゴロゴロ~っと過ごしててNHKのこの番組を初めてちゃんと見ました。元々、夫人の正子さんが好きで、彼女の著書はよく読んでました。次郎さんは前に雑誌の「サライ」で特集を組まれていて、その表紙の写真のあまりの格好良さにひかれて買ったのですがその経歴を知って、さらにかっこいい~と。で、今回の番組はその白州次郎が、戦後日本国憲法が作られた時に果たした役割と、その後旧通産商を立ち上げた時に関わった経歴を主に紹介。戦後日本が敗戦色にそまっていた時代に、体格的にもひけをとらず、英語に堪能で、マッカーサー相手に物おじせず物を言った彼の存在が、当時の吉田首相はじめ、様々な人たちに頼られたのもさもありなん。「サライ」では他にも、彼のイギリス仕込みのスタイリッシュな生活や趣味も取り上げられていて、さらに面白かったです。あぁ~、だからあんなさらっとジーンズをはきこなした写真が残っていたりするんだなぁ、と。正子さんと夫婦だったというのも納得というか。次郎さんは外交官の息子、正子さんは伯爵家の令嬢という、今でいうセレブな結婚だったようですが、二人ともその後、その人柄でさらに様々な人との交流を深め、次郎さんは経済界、正子さんは文化面でそれぞれ一流の道を極めていてホント憧れてしまいます。お二人の住まいだった「無相荘」が記念館になってると知り、東京に行った時行ってみたかったのですが、思っていた以上に郊外で、時間が足りず断念。次にチャンスがあれば行ってみたいなぁ。正子さんが大切にしていた骨董品なんかも展示してあるみたいです。
2006.04.05
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え~、久々に漫画です。しかも思いっきり少年マンガです。この間、友人といい感じで飲んだ後、優しいお店のご主人に車で送ってもらったのですが、その車の中に発見したのが「軽井沢シンドロームSPROUT(スプラウト)」。大喜びで、早速(無理矢理?)借りて帰っちゃいました。兄がいたせいか、小さい頃からジャンプとかサンデーとか少年ものの漫画を普通に読んでいて、逆に少女マンガはほとんど知らない私なのですが、「軽井沢シンドローム」は大人になってから読みました。タイトル通り、軽井沢が舞台のお話で、大の女好き、車好き、ちゃらんぽらんな様で、不思議な魅力を持つ相沢耕平が主人公の青春ものが20年前くらいに出てた前作。今回読んだ「…スプラウト」は、その子どもたちの世代のお話です。若い頃の父親そっくりの息子薫平が、これまた父親そっくりの様々な問題を起こすんですねぇ。すっかり落ち着いた前作メンバーも色々出てくるので、懐かしかったなぁ。少年マンガらしく、Hなシーンも多いし、ふ~男の人ってねぇ…と思うことも多いのですが、なんだか、こういう漫画って嫌いじゃないんですよねぇ。自分でも時々感じる私の中の男らしさって、こういう漫画で育まれてしまったんじゃないかと思ったり。さてさて、新しい職場も3日目。いやぁ、思っていた以上にパニック中です。なにしろ引き継ぎもほとんど無し、立つ鳥あとをにごさず、が正反対になっている状態での仕事スタートなので皆が???でなんとかこなしてる感じというか。まぁでもね、私なんかより大変な気分で仕事をこなしてる人もいると思うと、早く仕事を覚えて、自分でこなせる量を増やしていくしかないですよね。これまでの経験でいうと、忙しい職場ほど淡々と仕事をこなすのが大事、と思っているので、ちゃんと体調管理して、がんばるぞ~。
2006.04.03
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ぼちぼちと読み進んだ恩田さん作品。作品ごとに雰囲気の違う作家さんなので、今度はどんな風なのかぁ?というのも楽しみ。で、今回は失踪、自殺、確執…とストーリーはミステリー風な感じだけど、私的には、旅ものを読んだ気分でした。失踪した一人の男を捜して、奈良を旅する二人の女。その旅の過程で、それぞれの思惑、関係、過去が少しずつ明らかにされていく話なのですが、全編通して、奈良の名所を訪れていて、その土地の持っている雰囲気が登場人物の心象風景と重ねて描かれいます。話そのものの流れはちょっともどかしい感じもするんだけど、それぞれの場所を知ってると、もっと楽しめるのかなぁ、と。奈良のお寺は高校の修学旅行で行ったことしかないけど、同じ旅行で回った京都のお寺と違って、素朴な感じと、土地くささを感じたのが印象に残っていて、この本を読んで、またゆっくり回ってみたいなぁと思いました。さて、明日からは新しい職場です。今日、ちょろっと様子を見に行った感じでは、「パニック」の一言のような状態だったので、ちと不安ではありますが…。それはそれで頑張れるかな、と。こういう状態での持久力にはなぜか自信があるので、意外と仕事も遊びも充実した時期になるのかもしれません。がんばるぞ~。
2006.03.31
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「…ものがたり」シリーズになってるらしい作品のまず一作目です。いろんな作品でなんとなくは知っていた西原さんの売れっ子漫画家になるまでのお話。今まで読んだ作品の中で、全編通して切ない感じが漂ってたのは初めてだったかも。東京に憧れていた田舎の女の子が、お金もなくて、仕事もなくて、どれだけ切ない思いをしていたのかも伝わってくるし、なんか、頑張らなくちゃなぁ、という気にもなりました。年度末ということで、人事異動に職場の人たちの気もそぞろだったこの頃。それどころじゃないぐらいやることはあるのに、正社員の人たちは異動の話ばかりして、仕事にならなくて、残される契約社員の私ともう一人だけが必死に仕事をこなしてる状態で悲鳴をあげてる感じだったんだけど…。今日発表になった人事異動、なんと私も異動に…。全然考えていなかったので、しばしパニックに。っていうか、異動した後、残されるメンバーが大丈夫かなぁ、という感じ。っていうか、なんで契約社員が後をよろしくね~的になんでも任される状態になってるの?と思うけど。残されたあと数日、めぇいっぱい片付けていかないといけない、と気持ちを引き締め直しているところです。
2006.03.28
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広島市現代美術館で開催されている「I-TOON CAFE」展を観てきました。伊藤有壱さんの展覧会、といっても、アニメーション好きでないとピンとこないかもしれませんが、NHK教育テレビの《プチプチ・アニメ》「ニャッキ!」の制作者です。「ニャッキ!」放送当時から大好きで、録画までして観ていた私としては、伊藤さんの初の展覧会が広島で開催されたことがとっても嬉しい!広島で今年夏開催されるアニメーションフェスティバルでもお馴染みで審査員になったこともあるんですよねぇ。私はこのフェスティバルにスタッフとして参加したことがあるのですが「ニャッキ!」は話題になりつつも、本人はまだそんなにメディアには出てなくて一参加者という感じで広島の会場に来られていた伊藤さんを発見!サインをお願いするなんて初体験だったのですがドキドキしながら頼んだところ、ものすご~く喜んでくださって、Tシャツにサインと、ニャッキのイラストを書いてもらいました。今でも私の宝物です。その後、デジスタのキュレーターや数々のCM、プロモーション・ビデオの制作者として大活躍の伊藤さんですが、そのお人柄は変わらず、ファンとして嬉しい限りです。さて、展覧会ですが、大人、こどもにかかわらず、会場に入ると「キャ~!!!」とおおはしゃぎしてしまいたくなるような楽しさです。ニャッキの制作過程の紹介をはじめ、これまで制作したアニメーションのモデルや、スケッチ、セットがたくさん展示してあります。特にニャッキはいたるところに。箱の中にずら~っと並べられたニャッキには感動すら覚えます(笑)あらためて、アニメーターの地道な作業に頭が下がる思い。会場でそれらの作品を使った映像も流れているので、一緒に観られるのも楽しい。それに会場のディスプレイもすごくキュートです。いやぁ、伊藤さんが広島に縁のある人で良かった。開催は4月9日までなので、あと少しですが、春休みに広島近辺に来る予定のある方、必見です!
2006.03.26
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もう定番という感じで読んでる宮部さんの作品。今回は、いわゆる物の怪といわれるものが随所に現れる短編集。宮部さんの時代劇もの作品の中でもちょっと異色なのでは。お店に奉公に出た人たちが、そのお店に現れる物の怪に翻弄される話が多いのですが、様々なパターンで、色々な怨念があるのだなぁと思わされる作品。決してハッピーエンドではなく、この怨念は一体どこへ…と思わされる結末が多いのも印象的でした。にしても、物の怪になるのは、女性が圧倒的に多いのはなんでなんでしょうね。それだけ女性の方が怨念が強いということなのかしらん?なんとなくわからないでもないけど。宮部さんの作品の中では重すぎるものでもなく読み物として軽く読めるものではある気がしますが実は、“鬼”になる恐さを秘めてる女性の怨念を感じて恐い作品でもあるような気がします。
2006.03.19
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ここのところ、仕事中はず~っと全力疾走のような状態。職場に着いて、コーヒーをカップに注いだまま、一口目を飲んだのは3時間後、みたいな感じ。ふ~。でも幸か不幸か残業はない(できない)職場なので、帰ってぼ~っと読書。久しぶりに海外の作家さん。ウクライナの方だそうです。寺田順三氏のイラストがとってもキュートな装丁ですが、話は全然違います。孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。ヴィクトル本人の身辺にも不可解な出来事が起こるが、新たな住人ソーニャとニーナを加えた3人と1匹の生活を続けるヴィクトル。淡々とした日常と、すぐそばにある不安。その生活が最後に迎える結末は…。欧米各国でも翻訳され人気を得た作品だそうです。あとがきで、翻訳者が村上春樹氏の作品を出されていてあ~なるほどな、という感じでした。最近ストーリー性の高い作品を読むことが多かったのでこういう一種不条理ものがなんだか新鮮だった。「ペンギンの憂鬱」というタイトル通り、もちろんペンギンが登場します。しかも、動物園から譲り受けたという本物(?)のペンギン。名前はミーシャ。で、大事な役回りは演じるんだけど、作品の中では普通にペンギンとして飼われていています。そこがまた不思議な感じで面白い。ペンギンて独特な有り様があるなぁ、と。元々集団で暮らしている生き物なので、生活の中に普通に溶け込んでいて、甘えてきたりもする。でも、犬や猫ほど自分のキャラをアピールする訳でもなくて一人憂鬱症になっていたりする。そういうペンギンの存在がこの作品の中で果たしている役割は大きい。それとこの小説は街や生活に、土地の雰囲気をすごく感じる作品。舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。行ったことはないし、これからも行くことはないかもな、という土地だけどポテトとコニャックが日常にあるとこなんだな、というのは覚えました。(作品中、ず~っと出てくるので)さしずめ日本だと、豆腐と焼酎、枝豆とビールみたいな感じなんかな。食べ物の表現て、日常を感じさせる大事なポイントだよね~。
2006.03.18
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珍しくニュースのことなど。ここのところニュースを見て怒っています。というのも、岩国基地の問題について。今日のニュースは岩国市長の井原さんが、防衛庁など国の機関に住民投票の結果を伝えにまわった、というものでした。しかし、国の反応は、まず国の方針として決定していることに対して住民投票を行ったことに不快感を示し、住民投票の結果に関わらず移転は行い、説明をしていく、というもの。え~と、“民意”というのは、力が無いものなんでしょうかね???堂々と、国が決めたことに対して反対をするな!的なごう慢な発言をしている議員もいたし、小泉さんは「地方の問題と国の問題は難しい」と、何の意味もない発言をしてるし、なんのこっちゃ、という感じです。私の実家は春に岩国市に合併される町なのですが、井原さんの今回の行動は、合併前のパフォーマンスだとか言われてるらしい。でも、このパフォーマンスのどこがおかしいんでしょう?基地が地元にある不便さというのは、経験しないとわからないものでしょうが、実家は知らない人が泊まりに来るとびっくりするぐらいの音がします。窓は震えるし、テレビの音はまったく聞こえなくなるぐらいの音です。最近はまだ少しマシになってきたとはいえ、米兵に車をぶつけられたら、諦めるしかない、というのは常識です。基地のある土地に住む人たちは、そういうことを、しょうがない、と受け入れてきている訳です。でも、だからといって、何もない所に新しく作るのは大変だから、今ある所の人に、もう少し我慢してもらおう、というのはおかしいでしょ?でも、わざわざ住民投票という“正式”な形をとって抗議しても聞いてもらえないのであれば、結局、押し付けられるのでしょう。そうならば、せめてこの決定に関わっている“国”の人は「国のために犠牲にしてしまって申し訳ない」ぐらいの発言をしてみろよ!と思うのですが。日本のためにすることであって、この決定は自分のせいではない、といった風な態度をしている政治家は、自分の地元に基地を持って来てみろ、と言ってやりたいですねぇ。
2006.03.16
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よくお邪魔させてもらっているmicky-momoさんがお奨めされていて、初めて若竹さんの本を読んでみました。「悪いうさぎ」と「依頼人は死んだ」の2冊。でも…ちょうど図書館で借りた順に読んだので、シリーズものとしては逆から読んでしまったようで。あともう1冊「プレゼント」が第一作であるようですね。ただ、シリーズものとはいえ、それまでの話がきちんと紹介されているのでどれから読んでも大丈夫だったみたいです。このシリーズ、フリーの女探偵・葉村晶のお話なのですが、「依頼人は死んだ」は短編物、「悪いうさぎ」は長編物で、私的には「悪いうさぎ」の方が好きだったかな。葉村女史のキャラクターがよ~く描かれているのでじっくり味わった感じ。いやぁ、たくましい女性です。ただ、どれも話の結末は、結構恐い…です。可愛い装丁に惹かれて読んだりすると、びっくりするかも。
2006.03.14
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久々に好みの映画に出会いました。ウルグアイ発のヒューマン・コメディ映画「ウィスキー」。各国の映画祭で評価された映画らしいです。<ストーリー>ウルグアイの町、父親から譲り受けた小さな靴下工場を細々と経営するハコボ 。毎朝決まった時間に工場へ行き、シャッターを開ける。その工場で働く控えめでまじめな中年女性マルタ。長年仕事をしていても、必要以上の会話を交わすことのなかった二人。そこに1年前に亡くなったハコボの母親の墓石建立式のため、ブラジルで同じく靴下工場を営む彼の弟・エルマンが来ることになる。ハコボは弟が滞在する間、マルタに夫婦のふりをしてほしいと頼む。意外にもその申し出をすんなり受け入れるマルタ。そして偽装夫婦の準備をはじめる二人。結婚指輪をはめ、一緒に写真を撮りに行き、部屋も片付けて。そしてエルマンがウルグアイにやって来た。いかにもブラジル人らしく陽気なエルマンと、微妙な夫婦を演じ続けるハコボとマルタ。一緒の時間を過ごすうちに、初めてそれぞれのことを知りはじめる3人に訪れる結末とは…。タイトルになっている“ウィスキー”は、日本で言う“はい、チーズ”という写真を撮る時の台詞です。陽気なエルマンは別として、ほとんど無表情(どちらかというとむっつりしてる感じ)のハコボとマルタが、この台詞で写真を撮る時だけは作り笑いをするのが妙におかしい。妻役と頼むハコボと、それを頼まれて実はまんざらでもない様子のマルタ。それまで、ただのおとなしい従業員の一人としか思っていなかったマルタが、意外に妻役をうまくこなす様子に微妙に心が揺れつつも、頑固に演技を続けるハコボ。陽気で優しいエルマンと過ごすうちに、見えてくるマルタの女性の部分。劇的な展開はない映画ですが、ある程度年を老って、それぞれが自分なりの生活を作っている男女が繰り広げる物語には、それなりの味が出てくるものだと感じさせます。映画の批評では、ジム・ジャームッシュとかアナ・カウリスマキ監督作品なんかが感想であがっていましたが、私的には小津監督作品なんかにも似たような雰囲気を感じました。女性的には、ここまで面倒を見てくれるマルタを今までと同じように一従業員として扱おうとするハコボの意気地の無さと頑固さに憤りを感じてしまったのですがそこは、マルタがやってくれます。やっぱり女性の方が潔いのかも。ウルグアイって、ブラジルとアルゼンチンの間にある小さい国で映画産業もそれほどでもなく、年間60本位しか映画が作られない国らしいです。そんな国で、若い監督二人が作ったのがこの作品らしいのですが、独自の視点と、うまさがあれば、いい作品が作れるんだなぁと感心しました。
2006.03.12
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ここのところ、映画鑑賞も読書もハイペースであれやこれや書きためていることがあるにもかかわらず、今日は思いがけず見てしまったTBSの「青木家大家族スペシャル」について。何を隠そう(?)、私は大家族ものに弱い。この青木家シリーズも、前にも見ていた。大家族ものというと、とにかく元気な子どもが飛び跳ねていて、洗濯物に追われる肝っ玉かあちゃんと、どこか隅に追いやられてる風のとうちゃんが登場するものが定番な気がするけど、この青木家はちょっと違う。兄妹は8人(9人だったか?)いるんだけど、両親は離婚していて、お父さんが育てている。そして、長女のあざみちゃん(17歳)が15歳位から家族のお母さん役となって、家事を切り盛りしている。このドキュメントの主役は彼女。前回は、家族の皆が頼りにしている彼女が、妊娠していることがわかり、シングルマザーとなって、家族に可愛い仲間ができるまでが追っかけてあった。今回はその続編で、成長した愛娘さとみちゃんや、娘の成長を見守りつつ、これからのことに悩むあざみちゃんやお父さんの様子が映っていた。あざみちゃんがすごく綺麗な子で、しっかりしていて、でも、年相応の不安定さも持っていて、それだけでテレビが追っかけるのもさもありなん、という感じなんだけど私がこの家族を見て常々感心するのは、その躾の良さ。大家族で見かける、おもちゃ箱をひっくり返したような家の中や兄妹同士の大喧嘩、といったものは、この家族では見られない。子ども全員を温かく見守るお父さんと、家事をてきぱきこなすあざみちゃんと、それを手伝う兄妹たちの絆がそうさせているのかな?うちは、両親ともまぁまぁ兄妹が多くて小さい頃から、盆正月には総勢20名近く(もっといたかな?)が集まる環境に育ったせいか、大勢の親戚がいて、その中にいると、ほっとかれるようでいても常に誰かがいる、という感じだった。だから、核家族化が進む中で、子どもが特に注目されたり、“個人”というものに極めて敏感になったりするのがちょっと苦手だったりする。“自分”ていうのは、自分が気にすればいいものであってほっといてよ~と思う時にまで、変に気にされるというのはかえってしんどいことってあるんじゃないかな。青木家を見てると、そういう距離感覚を家族の中でちゃんと育ててる感じがして、偉いなぁ~と思う。だが、この番組来週もあるらしい…。2週続けて見れるかな…。来週まで憶えてられるかなぁ…。
2006.03.10
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監督が「トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル、主演に「モーターサイクル・ダイアリーズ」などで南米の血を感じさせる俳優として注目されてるガエル・ガルシア・ベルナルということでとっても気になっていた作品。しかも監督の半自伝的物語。ストーリーは…1980年、マドリード。新進気鋭の映画監督エンリケのもとに、イグナシオと名乗る美貌の青年が映画の脚本を手に突然現れる。彼はエンリケの少年時代の神学校寄宿舎での親友。イグナシオは二人の少年時代を元に描いた脚本を手渡し、自分をその映画に出演させてほしいとエンリケに迫る。あまりに変わった友に疑いを感じながらも、脚本の内容にひきつけられていくエンリケ。二人の間では語られることのなかったイグナシオの少年時代の悲劇…。現在の男2人の確執に、イグナシオの脚本を映像にした部分、さらに神学校時代が交錯し、切なさと衝撃の混じり合ったラストへと話は展開していく。神学校、美少年、憂いをたたえた神父…と登場すれば少年時代の悲劇がどういう話なのかは想像がつくと思うのですが、それを追うだけでなく、その後のイグナシオに起こった話の展開のすごさにびっくりです。イグナシオ役のガエル・ガルシア・ベルナルが、生意気で生臭い感じたっぷりの青年役と、艶かしい女装姿を見せる二面性を演じるのも見物。最初から最後まで、禁断の愛の世界を描いている感じなので刺激が強い作品ですが、一体誰が誰に愛情を抱いているのか、ちょっと混乱してしまう感じ。そこには強烈な自己愛もあるような気がするというか。他人への愛を抱きすぎた人は、蹴落とされていく程の自己愛を感じてしまいます。私の好きな女優さんが「トーク・トゥ・ハー」が大好きというのでこの映画を観た時に、あまりの自己愛というか、主人公の身勝手さに、これを愛情と呼ぶ感覚にびっくりしたのですが、この映画も果たしてこれが愛情なのか…と…。自分を愛する感覚がある人でないと他人を本当に愛することはできない、な~んて偉そうに思ったりはしてるのですが、この登場人物たちの愛の形はすごい。強烈です。なんで、映画の紹介にあるように愛を描いた話と思うのには私的にはちょっと抵抗がある感じの映画だったのですが、ただ、この監督って映像がすごいんですよねぇ…。この監督にしか撮れないだろう独特のカラーがあるというか。なので、ついつい惹かれてしまいます。余談ですが、「トーク・トゥ・ハー」を観た人に。あの彼が、あんな役で登場するのにびっくりしますよ~。
2006.03.08
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芥川賞受賞で話題になってる絲山秋子さん初挑戦。この「イッツ・オンリー・トーク」は2003年に第96回文学界新人賞を受賞したデビュー作。作品を読む前にいろんなメディアに登場している絲山さんを見ていてなんとなくおとなしい感じの印象を持っていたので作品とのギャップがあって面白かった。引越しの朝、男に振られた、主人公優子。なんとなく肌のあう町、蒲田で暮らす。躁鬱病になり、キャリアOLから一転、画家となった彼女の日常にいるのは元ヒモの居候、鬱病のヤクザ、痴漢のkさん。付き合い方はいろいろだけど…逃げない、媚びない、イジケない、それが「私」、蒲田流。おかしくて、じんわり心に沁みる傑作短篇集。(「MARC」データベースをちょっと書直しました)なんかね、不思議な話でした。優子の生活は、はたから見るとかなり危ないと思うんだけど(特に痴漢Kさんとの関係とか)彼女の視点になってみれば、全然普通な感じがするので。躁鬱病になったことで、それまで付き合っていた関係が無くなってしまう。でも、人というのは不思議なもので今の自分でつながってくる関係というのも生まれてくる。そういう自分に対して、どちらがどう、ということでもなく今の自分で生きてる優子の生活の様子がなんとなくたくましくて、作品に明るさを生んでる感じの話でした。「イッツ・オンリー・トーク」=ムダ話。ふふっ。なんかわかる気がします。
2006.03.07
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予告編を観て気になっていた映画。全体にブルーの印象の映像で、突然ビュン!と飛んでいってしまう映像だったのかな。あらすじは…愛する息子の死から立ち直れず精神科の治療を受けているテリー(ジュリアン・ムーア)はある日、写真やビデオテープから息子の姿だけが消えている事実に驚愕する。そんなテリーに「初めから子供はいなかった」と言う夫。しかし、その言葉に納得のいかないテリーは謎の追求を始めるが、そこには衝撃の真実が待ち受けていた…。予告編で印象的だったシーンは前半にあっという間に登場してしまい、えっ!こんな早くにばれたら、この後どうなるの?という感じだったんだけど、その予感があたってしまった感じだったなぁ…精神科医役のゲイリー・シニーズとか、テリーを助けようとする女刑事とか、もうちょい話を盛り上げてくれそうな人が登場するのにその人たちのからみは中途半端な感じで終わってしまったし。最後は、ある意味びっくりする結末です。最初の設定が面白そうだっただけにそれを越える結末は作れなかったんかなぁ、と残念。
2006.03.06
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ニコール・キッドマンって本当に綺麗!どの映画を観ても、思わず見とれてしまう瞬間があります。で、そんな彼女がバービー人形のような衣裳でジャケットに写っているのがこの「ステップフォード・ワイフ」。でも映画の中では、バービーちゃん風のキッドマンが登場するシーンは意外と少なくて、ストーリーもそんなイメージとはまったく違った、ちょっと恐いお話。TV局の敏腕プロデューサーのジョアンナ(キッドマン)は担当したTV番組のトラブルの責任を負わされ解雇。そして彼女は夫と子供と新しい土地で新生活をと、ステップフォードという街にやってきた。しかし、この街の女性たちは美しく着飾ってはいたものの、いつもお人形のような笑みを浮かべており、完璧な妻そのもの。ジョアンナはその姿に不気味なものを感じていた。順応してみようと彼女たちの真似をしてみるものの、納得いかないジョアンナが見つけたこの街の秘密とは…この作品はリメイクで、前作はスリラーっぽいものだったらしいのですが、今回は、華やかなファッションと豪華なセットの影響もあってスリラーという感じはしなかったです。バービーちゃん風のきれ~な衣裳を着た奥様がたくさん登場するので、一足早く、お花畑の映像を見てるよう。奥様仲間にグレン・クローズとベット・ミドラーが出演してるのですが、この二人の奥様ぶりが結構笑えます。しかも、この人たちも実は綺麗(失礼!)なのねぇ~と感心。女性が強くなり、尻にしかれる男性が増えてきた結果、この映画のような話が生まれたといえば、あまりにもありきたりなのですが、男性、女性の色々な形の理想像が描かれている映画だと思うと面白いのかな。
2006.03.05
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主演のクリスチャン・ベイルの激ヤセで話題になったこの映画。ようやく観ました。実はクリスチャン・ベイルがどんどん痩せていく話(スティーブン・キングの「痩せゆく男」(だっけ?)と混同してたせいか??)だと勝手に思っていたのですが、クリスチャン・ベイルは最初から激ヤセ状態で登場で、話も全然違うものでした。工場労働者トレバー(クリスチャン・ベイル)は1年間も不眠に悩まされている。彼は、可愛い娼婦と空港のカフェのウエイトレスと過ごす時間が唯一の慰めという無味乾燥な日常を送っている。そんな彼の前に現れた謎の男。その男と出会ってから、彼の周りの歯車は狂い始め、次第に悪夢とも妄想ともつかない世界にはまっていく。なぜ彼の不眠はとまらないのか、謎の男は誰なのか…。ちょっと激ヤセが話題になりすぎた感じもあって(確かにすごいです。30キロ近く減量したらしいし。)映画の内容自体はあまり話題にならなかった気がしますが私的には、結構面白かった。“記憶”もキーワードになっていて、「メメント」とかぶっちゃうかなぁ、とか、謎の男の正体がわりとすぐにわかっちゃうかなぁとか残念なところもあるのですが脚本にしても映像にしても真直ぐな映画だという印象があったというか。なので、クリスチャン・ベイルの激ヤセを「へ~、すごいね」ぐらいで気にしなければ、かえっていい映画なような気がしました。
2006.03.03
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初挑戦の奥田英朗氏作品。「サウス・バウンド」とか話題になっていて気になっている作家さんの一人だったのですが2002年に「このミステリーがすごい!」で第2位だったというこの作品から。主人公は、及川恭子、34歳。優しい旦那、一男一女の子どもたちと、建てたばかりの郊外の一戸建てに幸せに暮らしている。が、ある日旦那の勤務先で放火事件が起こり、捜査が進んでいくうちにその平和な生活に崩壊が始まる。それまで当たり前にあると思っていた生活が壊れていく。信じていた人たちとの関係が壊れていく。その崩壊を食い止めようと恭子がとった行動とは…で、もう一人の主人公が、放火事件を追っかける久野刑事。最愛の妻を事故で亡くし、その傷を引きずり、不眠症に悩まされながらも仕事に追われる日々を送っている。放火犯を追う中での、警察内部での確執、腐り切った上司とのトラブルなど、ストレスを感じ続ける中、唯一のなぐさめは亡くなった妻の母との関係だったのだがその実体とは…てなストーリー。主軸になるのはこの二人の話だけど上下二段組、454ページもある本だけあって他にも脇を囲むストーリーが多々あり、最初のうちは、話がどこへ進むのか全然予想がつかない状態で展開。後半になってようやくメインの話が見えて来てストーリー自体も展開が早くなった。3日間かかって読み終わったけどいやぁ、ボリューム感たっぷりでした。恭子が底なし沼にはまっていくように、身動きがとれなくなっていく様子は、想像がつきつつも、かなり恐い…。久野もまた同じ。追い詰められた人が、はたから見ると一種狂気の世界に入ってしまったように見えるのはこういうことなのではないかと。久野刑事の場合もそうだけど、事なかれ主義で、周りともうまくやりつつ仕事をこなすタイプではない人が職場の中で追い込まれて行くというのを描くのに、警察というのは舞台にされることが多いですねぇ~。そんなすごいとこなのかしら、警察って。それとも、そういう想像力をかきたてる存在なんかな?
2006.03.02
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珍しく本をプレゼントしてもらいました。癒し系の写真集になるんですかね?様々な風景の中での月の写真と、月にまつわる色々な話が紹介してある本です。こういう本って、本屋でパラパラめくることはあっても自分では買わないのでもらうと結構嬉しい。今住んでるマンションは、古いんだけど、川に面していて、眺めは○。川向こうの高層マンション群の上に綺麗に月がのぼるので、結構眺めている。月と女性って色々つながりがあると言われているし、なにか魅かれるものってありますよねぇ。本の中で月齢のお話が紹介されてた。太陽暦では、新月は19年ごとに同じ月日に巡ってくる。なので、19歳、38歳、57歳の誕生日の夜には、自分が生まれた時に出ていた月と同じ月が見れるということ。いやぁ、まだ間に合った。それまで元気でいれば、38歳の月は見れそうだ。沖縄で歌を唄っている友人がライブでこの19年ごとの月の話をしていた。まだ少年だった彼が、故郷の浜辺で月を見ながら三線をひいてる姿を想像していいなぁ、なんてちょっとセンチになったのを思い出した。月ってちょっと幻想的なイメージあるもんね。この本には載ってなかったけど、ブルームーンという表現もあるそうで。それは、同じ月に満月が2回見れる時で、その2回目の満月をこう呼ぶそうな。いやぁ、これを知ってるだけで口説き文句になりそうなオシャレな表現だよね。
2006.02.26
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自分だったらまず選ばないだろうなぁ、という映画を観るというのも新鮮。普段あまり映画を見ない友人(ちなみに男性)がわざわざ映画館にまで足を運んで見に行き、気に入ったのでDVDまで購入したというこの映画をお付き合いで見ることに。まぁ、なんともおバカで笑えるお色気コメディ。先代の残した借金で、やくざにのっとられそうになっている病院を風俗業界の救世主と呼ばれている恩地(大友康平)が様々な趣向をこらして立て直していく、というお話。患者=お客さまであり、お客さまは神様です、の精神にのっとり提供するサービスとは…ナースご指名制度、口移しバリウム、同伴CTスキャンなどなど…風俗のアイデア満載。ほっほ~、これをオススメするか???と彼の感覚に驚きつつ見ていたけど、実は結構面白かった。男性ならちょっとは憧れてしまうのでは、と思うサービスの数々もさることながら、結局、病院で働く人たちの意識改革という難しい問題をお笑いで解決していく面白い展開だったりして。あと、この病院をのっとろうとしているヤクザの組長(藤岡弘)の本音なんかも結構ホロッとさせるものがあるし。そしてかなり驚いたのが、出演している俳優の豪華なこと。病院長に渡部篤郎、奮闘するナースに原沙知絵、渡辺えり子、病院事務局長に石橋蓮司(!)、ほか小日向文世、六平直政、篠原ともえ、梨花、石原良純などなど。たくさん出演しているので書き切れませんが。お金儲けが大事な事務局長役の石橋蓮司さんは、どんどんエスカレートするサービスの先導役として、いい味だしてます。監督は「夜逃げ屋本舗」「お墓がない」などの原隆仁さん。なるほど。DVDの特典メイキングでは、男性陣に「どのサービスを受けてみたいですか?」という質問がされていて、石橋さんの「愛のある介護なら、なんでも。」との答えに大爆笑。ちなみにこれが男性版だとすると、女性だったらどんなサービスが喜ばれるんでしょうかね?私だったら、ちょっとおシャレなガウン(検査用のスモッグがわりに)とか検査のついでのエステ&マッサージとかかなぁ…。そう考えると、男性の喜ぶサービスって、安上がりなのかも???
2006.02.22
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時代小説の代表作家さんの一人でしょうね、北原さん。作品もたくさんあるので、作品の解説を読んではじめてこの連作集が直木賞をとった作品だったと知りました(笑)。いわゆる江戸時代のキャリアウーマンたちの、仕事、恋愛、生き様を描いた短編集。主人公の女性には、女流絵師、寺子屋の師匠、娘浄瑠璃師などなど様々な職業の女性が登場します。それぞれの作品は独立しているんだけど、女流絵師が“今!この人が話題!”風なテーマで絵を描いた時、それぞれの話の主人公がモデルになってる、なんてうまいつながりが作ってあります。それだけ、主人公は当時のキャリアウーマンとして話題になっていた人たちだったわけで。でも、一人一人は、この道一筋と心に決めたものの、惚れた男への思いに迷い、家庭を持たないで歳をとっていく将来を不安に感じ…という、今の時代の女性にも共通する悩みを抱えた愛しい女性だったりします。私も彼女たちと同じような生活をしているので余計共感してしまうのですが、残念ながら及ばないのが私には「この道」が見えていないこと。どんな生活をしても、これで満足ということはないんでしょうけどね、もうちょっと自分に強さが欲しいなぁ、と切に感じました。
2006.02.18
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昨年「明日の記憶」で山本周五郎賞を受賞した著者の受賞後第一作だそうです。「明日の記憶」はさすが話題になってるだけあって図書館の予約数も半端ではなく、当分借りれそうにないので先にこちらを読むことに。この作品は、類人猿の言語習得実験を行う霊長類研究センターを舞台にそこで働く研究者、実験をされるボノボ(通称ピグミーチンパンジー)を巡って引き起こされる人間ドラマをミステリーとして描いたもの。言語習得に優れた才能をみせるボノボの名前がバースディ。そしてタイトルが「さよならバースディ」とくればそれだけでエンディングが想像できてしまうのがちょっと残念ですが。ストーリー的には、人間と会話する能力をもつバースディの才能をそうか!そう使うか!!という上手さには感心したのですが、彼の研究をしている主人公真とバースディの関係以外の話はちょっともの足らない感じがしないでもないかな。でも、それでも一気に読んでしまったのはなんといっても動物ものだからでしょうか(笑)テレビでも動物ものと赤ちゃんものって視聴率高そうな感じしません?このバースディも、なんとも愛らしく描かれています。人間に囲まれて育ったため、毎朝人間用のトイレで用を足し、仕上げに、「ねぇねぇ」と呼んでおいて目の前でおならをするなんて技も身に付けています。こういうバースディとの付き合いは、ものすごく丁寧に描かれているのですっかり気持ちが入ってしまい、最後の方では話はよめつつも、涙なくしては読めないというか…(いや、そこまでではないかもしれないけど)「誘拐ラプソディ」を読んだ時に、登場する少年のキャラのよさに大笑いしたけど、荻原さんの作品の面白さは、ストーリー以外にもこういう登場人物(?)への、愛情と好奇心のこもった眼差しなのかもなぁ、なんて思います。
2006.02.15
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今年は思いきってバレンタインの義理チョコをやめました。いやぁ、こんなに気持ちがすっきりするとは!今の職場に入ってはや4年。職場の義理チョコには毎年頭を悩ませていました。個人的には義理チョコに反対なんだけど、もう一人の同僚がそういう行事には義理堅い人なのでな~んとなく、自分だけがしないのも気が引けて、悩むのが面倒で、結局毎年していたのですが。女性が少ないうちの職場では、男性には一人ずつチョコをあげて、ホワイトデーには男性陣一同からということでお返しがくる、というのが恒例になってるんですけど…あげる方はまぁいいとしても、男性側のまかされた人が、わざわざ普段出かけないようなお店に行って慣れないお菓子を買って来てくれるのにも、ものすご~い引け目を感じていて。しかも、いかに義理チョコとはいえ、わざわざ一人一人にチョコを渡す行為自体が、私としては非情に恥ずかしく(笑)一昨年は小さいパッケージに入ったチョコを籠に山盛りにして皆さんでつまんでねぇ、去年はホールのチョコレートケーキを買って行き、皆で食べよう!と乗り切ったのですが…今年はきっぱりやめました。いやぁ、やめて良かった。こういうのは気持ちの持ちようなんですね。これで来年からは悩む必要もなくなったし、大事な人へのチョコを悩むだけですみます。って、誰のこと???
2006.02.14
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宮部みゆきさんの現代ミステリーを久しぶりに読みました。いつものように(?)結構ボリュームのある小説だけど彼女の作品は一気に読めるんですよねぇ。主人公、杉村三郎は妻子持ちのサラリーマン。妻の父親は大財閥「今多コンツェルン」会長で、彼はその会社の社内報を作る広報室で働いている。まぁ、いわゆる「逆玉の輿」。義父の個人運転手を長年務めてきた梶田信夫が自転車に轢き逃げされて命を落とし、三郎は義父から、梶田の残された二人の娘が父親の想い出を本にしたがっているので、編集者として相談に乗ってやって欲しいという依頼を受ける。姉妹に会うと、妹の梨子は本を出すことによって犯人を見つけると意気込んでいるが、姉の聡美は決して乗り気ではない。そこには姉だけが知る幼い頃の“誘拐”事件と、父の死に対する疑念があった…。読み終えてみて、ミステリーというよりは姉妹の愛憎を描いた小説という印象の方が強かったかな。主人公の三郎が、大金持ちの妻をもったいわゆるマスオさんではあるものの家族を愛する普通のサラリーマンであり、事件を追求する方法も、極めて一般的な社会人の範囲で行っていくあたりは地味だけど共感をもてるというか。なので、話の展開は、終盤になるにつれて辛い感じになってくるけど世の中そんなこともあるかもしれない、と思わせるものがあるような。一見、うまくいっているように見えても、内には秘密を抱えている家族って多いだろうなぁ、と思うし。そういえば宮部さんの「理由」もそんな感じの小説だったよね。ただ「理由」と違って、一方で三郎&菜穂子のような、いい感じの夫婦が同時に描いてあるところが、この小説の面白いところかも。本当に、家族の形というのは複雑だ。
2006.02.13
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私の職場は2交代制。なので遅番の週は昼頃に起きても十分仕事には間に合う。なもんで、週代わりで生活ペースが変わる。ただ基本的に夜型の私は、いまだに遅番から早番に勤務が変わる前日だけは寝坊してしまうんじゃないかという緊張感からかえって眠れなくなってしまう。昨日はまさにその日で、結局眠るまでに2冊本を読んでしまった。で、そのうちの一冊がこの「生まれる森」。初の島本理生さん作品。20歳で芥川賞候補になったという若い作家さん。高校時代に塾の講師だった男性と付き合い、その彼との別れの痛手から立ち直れないでいる主人公。今度あの人に触れたら、きっとわたしは死んでしまう…。初めて知った恋の深い痛みをかかえる主人公が友人やその一家との交流の中で徐々に心の整理をし、大人の女性へと踏み出す過程を描いた恋愛小説。読んでいて恥ずかしくなるぐらい初々しい恋愛小説だと思いました。ただ、「あぁ~、あなたはまだ若いのね」とは思えない部分もたくさんあって、恋愛の奥深さを改めて感じたり(恥)。読んでる感じは、実は少女漫画を読んでるのにも似てるなぁとも思ったのですが。漫画で描かれる女性の一瞬の表情や感情を文章で表現している感じというか。同時に世代が違うんだなぁと思った部分もあって。それは、彼と別れた後、自暴自棄になっていた時の彼女の行動とか話の中では名前もない形で登場してくる男性との関わり方であったりしたのですが。傷付いた時、自分を見失ってしまったりもっと自分を傷つけることで前の痛みを忘れようとしたりする気持ちはわかるけどそれが手を伸ばせばある環境に生きてる世代なのだぁ、と。なんか、いろんな意味で新鮮な小説でした。
2006.02.07
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ここ何回か直木賞候補になっている作家さんとは知りつつ今回初めて伊坂氏の作品を読みました。この「グラスホッパー」は様々な殺し屋が登場する小説です。車道に相手を突き飛ばす「押し屋」、相手を自殺に追い込む「鯨」、ナイフで殺す「蝉」、そして殺し屋ではないけれど彼らの流れに巻き込まれていく鈴木。その他、怪しい商売を手がける会社「令嬢」やら裏稼業のサクラのプロ「劇団」、毒殺のプロ「スズメバチ」やらまぁ、“死”に関係することを生業にしている人たちがたくさん登場。メインは最初の4人なんですけどね。それぞれ別の仕事をしている彼らが次第に引き寄せられるようにからまっていくストーリー展開は面白かった。あと、殺し屋のキャラも様々で、誰か惹き付けられるタイプがちゃんと用意してある感じ。ちなみに私は「鯨」さんが気になりましたが。『罪と罰』が愛読書であり、唯一読む本でもある「鯨」は相手を自殺に導く間にまでその本をひろげるような冷静な殺し屋なのですがその彼も、死者の幻覚に迷わされ、暗い道に転がり落ちていくのですね…この小説ってサスペンスともハードボイルドともアクションとも言いづらい作品だと思うのですがその曖昧さがかえって面白くて、誰が読んでも結構楽しめるのではと思いました。にしてもこの本を読んでる最中に、今ニュースを騒がしているライブドアの某氏の死が自殺だったの?という報道が始まって、もし殺し屋の仕事だったとしたら、プロとしてはいまいちの仕事ぶりだよね~なんて物騒なこと考えてしまいました。あぁ~、コワっ。
2006.02.06
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運動不足を自覚している私が以前からこれは…!と注目していたのがジムボール。普段部屋にいる時にも、これに座っているだけでそれなりの筋力UPにつながるなんて…と、すご~く気になっていたんだけどようやく誕生日にゲットしました。でも、いざ覚悟を決めて買いに行ってみれば、なんと900円。な~んだ、結構安く売ってるものだったのね。(4000円位すると思っていたので…)で、購入後さっそくストレッチを、と思っていたのですが、風邪の後遺症なのか、今だに左あばらの辺の痛みが激しくて体を動かすことがままならないので、とりあえず膨らまして、クッションがわりとなっております(泣)。でも、でも、期待通りの気持ち良さです。私が購入したものが軽いものなのか、普通のゴムボールみたいに弾むのも楽しいし、弾力性があるので、もたれて背中をのばすとメッチャ気持ちいい!買う前に、もっとぺったんこで座布団風になってるものとどちらがいいかなぁと悩んでいたのですが、クッションがわりになる点と、遊び心をくすぐるという点で、こちらのボール型にして正解でした。とりあえず上に座ってバランスを取るのはチャレンジしてみたのですが、バランス感覚に問題のある私は10秒もちません。まだまだこれから楽しめそうです。うふふ。
2006.02.03
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久々に映画館で話題の映画を観て来ました。公開前はあまり観る気はなかったのに、三谷監督があまりにも頑張って宣伝活動しているのでのせられたというか…で、感想は、というと、単純に楽しめましたね~。出演者(しかも主役級)が多いのでもっとごちゃごちゃした感じの作品なのかと思ってたけど、観てる間はそんなに忙しい感はなかったです。でも後からストーリーを思い出すとあの人の話もあったり、この人のつながりもあったりと盛り沢山だったのがわかるし、それぞれの役にちゃんと話があって、オチまでついていて脚本がうまいんだなぁと感心しました。個人的には唐沢敏明とオダギリジョーの二人がよくこの役を引き受けたなぁ…(笑)と。ロビーで大勢の人が出てるシーンとか何気ないシーンで、実は凝ってるところなんかがある気がするのでもう1回、じっくり観てみたい気も。そうなるとDVD待ちかな?
2006.02.03
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最近読む時代小説の作家さんの中で好きなのは宇江佐真理さんと、この乙川優三郎さん。乙川氏の本は装丁も好きなんですよねぇ。この「武家用心集」は、現代社会にも通じるテーマを時代小説に仕立てた感じのする短編集でした。自分の仕事と職場内での有り様とか、肉親や世間とのしがらみとか、親の介護のこととか…。それぞれの主人公が深く静かに自分の有り様をみつめ、生きようとしている姿を描いています。この本の中では、親の介護をめぐって兄夫婦と夫の間で板挟みになり揺れ動く女性を主人公にした「しずれの音」が印象に残りました。うちの母親のことを思わせたからだと思うのですが。いつの時代も人が悩むことというのは変わらないものなのだなぁと思ったり。私は乙川氏の文章を読むと、“静謐”という印象が残ります。時代小説好きなのでいろんな作家さんのものを読みますがこの“静謐”さにかけてはピカイチだと思います。時代小説はあまり読まない人でも、いけるんじゃないかな。
2006.01.29
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長引く風邪もようやく最終段階(?と思いたい)の鼻風邪気味に。でもここ数日あまりにも咳をしすぎたせいか背中の痛みがひどくて、今日はお医者で湿布をもらってきました。咳をすると痛いのはもちろん、歩いても痛みがひびく程なので先生にも「他のところも痛み始めてるのでは…」とかなり深刻に相談したのに、呆気無い程軽くかわされてちょっとがっくり。別に…「そりゃぁ、大変だ!」と言ってほしい訳ではないけど普段医者に行かない分、もうちょっと心配してくれても…と思うのはワガママなのでしょうか。それはさておき、以前NHK教育の「トップランナー」によしもとばななさんが出演した時「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好き」と本人がコメントしていたのが気になって、読んでみたかったのがこの本。あとがきで、「つらく切ないラブストーリーばかりです。」と本人は書いている恋愛短編集です。でも…ご本人がいうほど、つらいお話という訳でもなく私的にはハッピーエンドな印象が強い本でした。登場人物の設定は確かにつらいものが多いのですが、どの話も次につながるものを感じさせつつ終わるものだったし。よしもとばななさんの本は何冊か読んでるけどちょっと苦手なものが多かったんですよね。すごく冷静に人を見ている感じがして私なんかは一緒にいると落ち着かなくなるだろうなぁ、と感じさせるものがあるというか。この本はそういう彼女の攻撃性をあまり感じることなくゆったりとした気分で読めたので私の中でも、彼女の作品の中でいちばん好きな作品になりました。
2006.01.27
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ドラマにしろ、本にしろ、恋愛ものはあまり手を出さないほう。それは、自分が思っている以上にハマってしまい、結構しんどい思いをすることが多いから。でも久しぶりに恋愛ものを読んでみました。これは石田氏が30代の恋愛をテーマに、日常に何気なくあるようなライフストーリーを恋愛小説に仕上げた短編集。確かに劇的な、というストーリーはないけれど、そこはスタイリッシュな石田氏のこと、なんとなくいいな、こういう関係、と思わせたり、こういう恋愛の発展の仕方ってあるかも、と思わせたりするのはさすが、という感じでした。30代が登場人物に多いこともあって、仕事や飲み方や生活の仕方に共感できるところが多いのも読みやすかったのかな。石田氏の作品を初めて読んだのは「池袋ウエストゲートパーク」でドラマの出来も良かったのもあってその後もしばらく追っかけていてそのスタイリッシュな文体が当時は結構好き、だったのですが…先日、久しぶりに「池袋…」を読み返してみてあれ?ちょっと流行りにのってたかなぁ??という印象だったので…ちょっと安心しました。当時は石田さん本人もワイドショーのコメンテイターなんかしたりしてて「……ですよねぇ~」というちょっととぼけた喋り方が妙におかしくて、友人とマニアなモノマネをして笑ってた記憶が…。洋服が好きとかで、ちょっとおしゃれさんみたいな紹介のされ方もしていたけど、私的には、色のバランスとか???と思うことが多くて(今どき白のジャケットとかあまり着ないのでは)作家さんは、書いているもの以外で露出が多くなるのも考えものでは、と思ったりするのでありました。
2006.01.24
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え~、風邪もようやくおさまりつつあります。でも、もうあと一息という感じなのでお休みの今日は家でおとなしく読書。久々の宇江佐真理さん。今回の「桜花を見た」は、遠山の金さんでおなじみ遠山左衛門尉景元や葛飾北斎など実在の人物も登場する短編もの。といってもこれらの有名人は脇役で、主人公は金さんの隠し子だったり、北斎の娘だったりするのですが。別の面でみれば、絵師と呼ばれる人たちと、蝦夷がテーマになっているものが多い短編集でもありました。宇江佐さんの作品では、なんといっても髪結い伊佐次シリーズが好きなのですが、こちらは人気があって図書館でもなかなか見つからないので他のものにも手が出ます。いやぁ、でも宇江佐さんの作品はホントにいい。時代小説ならではの情緒を感じさせる部分と、彼女の描く女性像の潔さとに、いつもひきこまれます。彼女の作品はもう追っかけに近い感じで読んでいるので安心して読んでしまってる感じ。でも今日みたいな風邪ひきさんの時にはちょうどいいのかな。
2006.01.22
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いやぁ~、久々に本格的な風邪をひいてます。何年も風邪とはまったく縁無しだったのですがひく時にはあっけなくひいてしまうもので、変だなぁと思って寝た翌日はまったく声が出なくなってました。熱はないのですが、咳がとまらないのですっかり寝不足。声もなかなか回復せず。医者で点滴もうったのですが、ひいてしまった後ではあまり効果なし。ぼちぼち回復を待つしかないですねぇ。で、家に帰るとず~っとお布団の中で過ごしてるので本だけは読んでます。(これがいけないのか??)今回はちょっとマニアックな(関係者には申し訳ない?)な情報誌。大阪を拠点に活動している「態変」という劇団の情報誌です。態変のHPはこちらhttp://www.asahi-net.or.jp/~TJ2M-SNJY/私がこの劇団を知ってから随分になります。広島での公演をお手伝いしたのが縁でした。障害をもつ人たちが作っている劇団なのですが、金満里さんという女性をリーダーに、全員がその身体をあますところなく使って表現を繰り広げる公演で、当時の私にはかなりショッキングだったのを憶えています。で、この「IMAJU」はその態変が発行している情報誌。主催の金さんが毎回いろんな人と対談しているのですが、その内容の濃さにいつもうならされます。自分を表現する、という世界。とっても魅力的だなぁ、と思います。最近、コンドルズの近藤良平さんをはじめダンスや身体表現が盛り上がってると思うのですがこの態変の追求している世界もピーンと緊張したものを感じさせる独自の世界だなぁと思います。
2006.01.20
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今日はちょっと愚痴っぽくなるかも。諸事情で忘年会がなかった私の職場では先日新年会だった。結構飲み助な私なので、飲み会自体はどんな場でも好きなんだけどここ何回か職場での飲みではブルーになることが多い。それは、苦手な飲み方をする人が同僚にいるから。しかも女性。彼女は飲むと、なぜ?と思うぐらいガードが甘くなる。お酒は強いんだと思うけど、見てて危なっかしいなぁと心配になるぐらい男性との距離が近くなる。もたれかかったり、耳もとでささやくような感じで話してみたり。これがおばちゃんだったりすれば、こっちも「コラコラっ」てつっこみやすいんだけど彼女、モデルのように美人でスタイルも抜群。男性側だって、そんな彼女に甘えられれば嫌な気がするわけがない。まぁ、わりかし仲の良い職場なので、そういう風に酔うのもありといえばありなんだと思うけど………なんだかうざったいなぁ、と思う。職場の飲みでそこまでするか??素面の彼女は仕事もできるし、すごくいい感じなので決して嫌いにはならないけど…そんな彼女の態度を勘違いする男性は勿論いて、結構痛い目にあってたり、私も相談にのったこともある。でも、まだするか??事情が色々とわかる私から見れば彼女のそういう態度も誰でもというわけではなくちゃんと相手を選んでるのもわかるし、本人は誘惑しようとかそんな気持ちは全然なくて、楽しく飲んでるだけなのはわかるんだけど…ちっとは自分がどれだけ綺麗で、魅力的なのか自覚しろよ、と思う。私は職場とプライベートってかなり意識して分けているので厳しいのかもしれない。でも、やっぱり職場は職場であって、どんなに仲良くても、家族や友だちではないんだよねぇ。というわけで、職場での飲み会の後はちゃんと自分なりに飲み直す私なのでありました。
2006.01.17
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な~んだか気になって最近続けて読んでる池永氏の作品。今回は沖縄が舞台の作品。カメラマンの彼氏が遺書とカメラを残して突然いなくなってしまう。彼女の燿子は彼を捜して、彼の故郷の沖縄北部の小さなペンションを訪れる。なぜ彼はいなくなったのか、彼を知る人々は何を隠しているのか…捜し続けるうちに出会う様々な人たちの気持ち、見えてくる彼への思いなどなど。ちょっと詳しく書こうとすると、すぐにネタバレになってしまうような展開の作品なので、あまりあらすじは書けないのですが。基本的には恋愛小説になるんだと思うんですが沖縄戦争のことと、アメラジアン(アメリカ兵とアジア女性の間に生まれたハーフの人のこと)のことも作品に大きく関わってきます。私にとって沖縄は結構縁のある土地だと思っていて、遊びにも何回か行ってはいるけど観光したり、沖縄の友人と会ったりするのとは別に、沖縄戦争でたくさんの人が亡くなった悲しい土地でもあるという印象は小さい頃から持っています。小学生の時に読んだ絵本(タイトルは憶えていないけど)で沖縄の戦争で多くの沖縄の人が日本兵に殺された話のものがあってそれが強く印象に残ってるからかな。多感な時期に見たものが印象に強いのはあると思うけど、他にもいろんな本を読んでただろう中でこの絵本と、もう一つ広島の原爆を描いたアニメーション「ピカドン」という作品は、私の戦争というものに対する人間の愚かさ、恐さ、弱さの認識を形作っていると思っていて。そして、今、大人になって、沖縄とも縁があり、広島では「ピカドン」の制作者である木下蓮三、小夜子さんたちと縁があることに不思議なつながりを感じます。それはまた別の機会の話として…沖縄を舞台の作品を描くというのはすごく難しいだろうな、と思います。なんというか、土地や人が持ってるものが強くって、作家さんの個性まで飲み込んでしまう気がするというか。そんな中、私が沖縄を舞台に作品を書いている作家さんで好きなのは目取真俊さんと池上永一さんという二人とも沖縄出身の作家さん。全然作風は違う二人なんですけどね。またご紹介します。
2006.01.10
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実家に帰ると、高校から大学にかけて読んでいた本がぎっしり。今の活字中毒は電車通勤だったこの頃に身につけたんだなぁ。さて、宮本輝氏の作品の中で人気の高い「錦繍」。昔読んだ時にはピンとこなかったので、私の中ではあまり印象がなかったのですが、10年振り位に読み返してみて、いい作品だなぁ、と。今さら作品を紹介するのも…という感じがしないでもないですが…運命的な事件ゆえ愛し合いながらも離婚した二人が、10年の歳月を隔て偶然再会。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書きます。作品は二人の往復書簡のみで構成されているのですが、それぞれの経てきた人生、そしてこれからが綴られていきます。この作品は人生経験を重ねるほど味わい深くなるのかも。学生の時には読み飛ばしてしまっていた表現に妙にうなってしまったり、作品に登場する様々な人物が、今の自分の知り合い達に重なったりと以前読んだ時とはまったく違う印象が残りました。実は…この作品の結末が全然思い出せなくて、久々に手に取ったのですが今回はもう忘れないかな(恥)。読み終わった後、暗くなるわけでも、そんなに元気になるわけでもない作品ですがあらためて“人生”みたいなものを考えさせられる一冊でした。
2006.01.09
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まだ正月休みが続いています。今日は思い立って、両親の故郷の島に墓参り。瀬戸内の平郡(へいぐん)という小さい島。柳井港からフェリーで1時間。でも、一日2便しかないので、朝行って、昼過ぎの便で帰るという短い滞在でした。今は過疎化、高齢化が進んでいて、お正月の帰省ラッシュも過ぎた島はほんと~に人の気配がないのですが、私の原点はこの島にあると思うほど、大好きな島。うちの家は母方のじいちゃんが亡くなってからは空き家になっているのですが、親戚関係の人が今でもたくさんいるので、どこを歩いていても声をかけられる感じ。島ならではの情報網(?)も発達していて、こんな短い滞在でもいつの間にか帰郷している情報が伝わっているので帰りには港にみかんやらおイモやらお土産がたくさん届いていました。島のお年寄りは皆元気。今日もお邪魔していたおばちゃんの家で、島でも有名な‘あつかましい’ばあちゃんの話に。そのおばあちゃん、もう95歳位らしいのですが、達者なもの。自分の畑ももっていて、自炊しているらしい。でも長生きな人は楽するのも上手。すぐ人に畑仕事とか頼んじゃうらしい。この間も近所の気のいいじいちゃんに畑の世話を頼んでたけどそのおじいちゃんだって90歳過ぎてるとか。いつかこの島で民宿とかできたらいいのになぁ…と帰郷する度に夢みています。
2006.01.04
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