船橋 憲敏│P+KACHI(ピーカチ)との出逢い・・・│

2008/08/28
XML
カテゴリ: 日々の歩み


アーバンコーポレーションは私達ピーカチにとっては地元広島の先輩上場企業。
私も地元が広島という繋がりで、上場に対する様々なアドバイスを頂いたのは
記憶に新しい。

結末はどうであれ、お会いしていた1年前は、常に先の事をイメージし、
創造することで新たな価値を見出し、市場を形成し、どんなことにも挑戦する姿は
いつもあこがれるほどに輝いている人達であったことは間違いない。

アーバンコーポレーションはライオンズマンションでお馴染みの大京出身の
房園社長によって1990年に設立された不動産会社。
設立当初はマンションの企画販売や「アーバンビュー」ブランドでの
マンション分譲を中心に事業を展開。
後に老朽化したビルや低採算のオフィス、店舗を買収して、
改築・一帯の再開発を行った後にファンドに転売する不動産流動化事業へとシフトした。
これまでアーバンが手がけてきた物件のリノベーション物件はどれもカッコイイ。
創造センスは相当な物だと感じていた。
物事をやるからには徹底的に。
中途半端にやると完成品に自信も持つことは出来ない。

ビジネスに例えると、請求金額が決まっている物に手を掛けすぎてしまうのは
問題かもしれない。
しかし、理想を追求し商品価値を高めて転売する。
普通に考えると芸術家の様な商売に思える。
自分の書きたい絵を思う存分描き、それを欲しい人が芸術家の決めた金額で購入する。
自分達に絶対の自信が無い限りは成り立たないビジネスである。
もちろんそれには市場に必要と感じさせる価値創造能力の必要がある。

あの生活倉庫でおなじみの堀内社長も中古商品を有る意味リノベーションし、
世界にひとつしかないオリジナル商品を創り、価値を高めて販売している。
自分の想像価値が世論にどう評価されるかが勝負である。
世の中に受け入れられれば価格は高騰する。

価値を創造することは凄いことだと思う。
ただ観点はファンドから投資を受ける観点においても同じである。
自分が思い描く新しいビジネスモデルにどれだけ興味を持ってもらえるか。
要は自分の思い描いている未来に対してどれだけの評価が得られるか。
ファンドも企業価値が上がると思うからこそ投資を行う。

そう捉えることが出来るならパチンコだって同じ。
勝つと思っているからパチンコ台に投資している。
負けると思ってパチンコする人はいない。
世の中全て需要と供給で成り立っている。

こんなアーバンコーポレーションとて崖っぷちで戦っていたこともある。
2004年に広島市内の一等地にアーバン御殿とも呼ばれる地上43階建ての
アーバンビューを建築した時には地元広島では様々な噂が飛び交っていた。
「アーバンは資金繰りがやばい。そろそろ潰れる。」
こんな噂を至る所で耳にした。

しかし企業は大きなステップアップに挑む際には必ず噂が流れる。
次なるステージに進むには巨額な投資が必要となる。
ステップアップに失敗すればもちろん倒産していたであろう。
しかしその事業をやり遂げる事が出来れば確実にステップアップが図れる。
その自信があったからこそ銀行は協力し続けたのだろう。
その後アーバンは急速に成長し次々に事業を展開していった。

もし同じ組織で売上げを倍にするには、売上げが倍になる環境設備を揃える必要がある。
100万を200万にする。
1000万を2000万にする。
1億を2億にする。
10億を20億にする。
ステージこそ違うが、上記全てにおいて根本的な要素は同じである。
物事を難しく考えるから足元がすくむ。
物事は落とし込めば全てにおいて単純化できるはずである。
違うのはお金の単位。
当然桁が変わればそれなりにリスクは高くなる。
大きなステージアップを望むということは、常に事業人生を掛けた大勝負となる。
だからこそトライする企業は数少ない。
そこで勝利を勝ち取る企業となればもっと少ない。
しかしアーバンは内情はどうであれ確実にステップを登っていった企業。
凄い荷物を抱えながらエレベーターで進む企業を横目に一歩一歩階段を
上っていったのである。
エレベーターで進む企業と同じステージにエレベーターを持たない企業が勝負を挑むには
それなりの努力とスピードが必要となる。
しかし勝負することを避け続ける限り一生思い描くステージに立つことは出来ない。

そして2008年の連結売上高は2,436億円となりアーバンコーポレーションの売上げは
5年間で7.5倍に急成長した。
更に凄いなと感じたのは、高級リゾート事業の「アマンリゾーツグループ」と
高級不動産に特化したネットワーク「サザビーズ・インターナショナル・リアルティ」の
国内独占使用権を取得したことだった。
世界中の富裕層を対象に物品ひとつひとつに拘った最高級のリゾート空間を提供する。
アーバンコーポレーションであれば実現できると思った構想も、
最終的に日の目をみるまでには至らなかった。

結局は事業規模に合わせ借入金も増加し、有利子負債が4,078億円に拡大するなか、
サブプライムローン問題に端を発した不動産市場の急速な冷え込みにより、
民事再生法の申請という結末となった。

その他にも様々な事情が重なりこのような事態に発展したしてことが残念でしょうがない。
こんな短い文章で語ることの出来るストーリーではないが
ひとつの教訓として私達は見習うべき所は吸収していきたいと思う。
先走りすぎたのも原因のひとつかもしれない。
己の力を充分に理解し、出来る範囲のステップを続ける。
本来それが一番正しいのかもしれない。
でも私はいつも全力投球。
行ける所ま突き進む。
自分の思い描くステージに向かって。
ステージは上がる度に角度を増すピラミッド。
ピラミッドから見える絶景の景色はどんな景色なんだろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008/08/28 07:41:30 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: